達観の位置にまでたどりついた、和央ようかライブショー『W-WING-』の話、その3。

 ああっ、今、プログラムの上を猫が通ったっ!!
 たかちゃんの美麗写真につられて買ったプログラムを、PCの脇に広げていたの。
 そこを猫が踏んだの。
 ひどいっ、プログラムがボコボコ!!
 汚さないように、すっげー気を遣って持って帰って、透明カバーまでかけてるのにーっ。

 ……くそーっ。

 
 えー、猫はともかく、『W-WING-』の話。

 お笑いコントショーだった1幕が終わり、わたしは2幕に望みをかけていた。
 たのむさいとー&たかこ! まともなこともやってくれ!!

 お笑いショーの合間合間に、まともなシーンもあったから、やればできるはずなんだ。1幕の終わりもコントではなく、ふつーだったんだから。

 そーやってはじまった第2幕。
 冒頭の女子高生@下級生たち全員(男役含む)とポストマン@たかこがどーゆー意味なのか、いまいちわかんないんだけど、それでも『ドリフの大爆笑』よりはヅカ風味になっていたのでほっとした。

 実際のところ、2幕はふつーにヅカしている部分が多かった。

 ショーの1場面のように。
 クラブで歌う花ちゃん、ダンディなスーツ+ロングコートのたかちゃんなど。
 肩もあらわな花ちゃんに、たかこが自分のコートを掛けてあげるの。たかこのコートだから、花ちゃんには大きいのね。足首までのロングドレス状態。
 それが、萌え(笑)。
 いいなあ……。

 タカラヅカであること。
 それが、とてつもなくうれしい。

 いつものよーに踊る、たかちゃんと花ちゃんを見ていると、涙が出てくる。
 得がたいふたりだ。
 得がたい美しさだ。
 大好きだ。

 たかちゃんの「宝塚ソングメドレー」がなつかしくてうれしくて、盛大に泣いたよ。

 まさか、『Crossroad』を歌ってくれるとは思わなかった。

 大劇作品じゃないからさ。2番手のころの歌だし。相手役がお花様でない、数少ない作品だし。
 アルフォンソ、大好きだった。たかちゃん、大好きだー。

 ほんとにやめちゃうの? ほんとに?
 ここまで極めていて、愛されていて、それでもほんとにやめちゃうの?

 辞めるのは、仕方ないのだろう。
 わかってる。
 わかってはいるけど、さびしい。かなしい。
 時は流れる。不変のものなどない。それがかなしい。

 たかちゃんの主演作メドレー、どれも思い出たっぷりだ。みんな大好きだ。ああ、『ベルばら』すら、好きだと言えるよ。たかちゃんが歌う限り。
 当時の思い出が、よみがえってくるから。
 記憶ごと時間ごと、愛しい。

 
 と、すっかりヅカハートになっていたから。

 またとーとつにフライングされて、爆笑した。

 ぴゅーんて飛ばれると、笑っちゃうんだよ。どーしても、慣れなくて。
 タカラヅカでは、フライングってないじゃん。つまり、必要ないから、ないんだよね。
 んな必要ないものを、わざわざうれしそーにやってるたかちゃんを見ると、おかしいやらかわいいやら、トホホなやら。
 ゴテゴテつけない、とてもシンプルにヒモだけで飛ぶフライングで。
 すげー! と思うけれど、こわい、とも思う。その労力に拍手。労力にね。わたしにはない価値観だけど、否定したいとは思わない。だからただ、拍手。

 ジャージ姿でSMAPを熱唱したり、1幕の衣装に戻って「W!」「I!」「N!」「G!」とやったり。
 見れば、劇場の前半分は総立ちだ。
 まあなあ、前の人が立ったら、自分も立たなきゃ見えないもんなあ。

 わたしは真ん中通路より後ろの2列目センターという、最良席で。
 なにが最良って、坐ったままで、舞台が見えるの。
 梅芸友の会席だから、FCとは無関係だし。客席降りのたかちゃんは目の前通るし。
 悠々と坐っていられたの、たぶん、わたしたちの席周辺だけだったと思うよ。
 わたしの前の席はおばあさまの団体さんぽくて、とても立って踊るよーな人たちじゃなかったし。
 わたしの後ろの席はすでにFCの浸食を受けていて、最初から鳴り物入りで立ち上がって騒いでいたし。
 通路より前の席だったら、立たないと舞台が見えないけど、通路の真後ろの2列だけは、坐ったままマイペースにショーをたのしめたのだわ。

 たくさん引いたけど、それでもたのしかった。
 いっぱい笑った。

 予備知識がなかったからドン引きしちゃったけど、わかっていたらもう大丈夫。次は最初から開き直ってたのしむわ。
 参加するわ。
 こーゆー場合、引いたら引いた者の負けだもの。
 参加しなきゃ。
 立ち上がって踊るわよ。「W!」「I!」「N!」「G!」だって、やってやるわよ。

 今回は、坐ったまま、いろんなことにノリ損ねたりしてるけど(笑)。
 後ろの席のFCの人が「立って! たかちゃん本人が立って欲しいって言ってるのよ!!」と扇動してたり、「アンコール、あっそーれ、アンコール!」って、いつの時代のノリだソレは?! という合いの手ぶりに苦笑したり、いろいろだけど!!
 繰り返されるアンコールが、実は演出のウチで、終わったときに時計を見たらふつーに終演予定時刻だったりして、肩すかしをくらったりしたけど!!

 引いてるところは引いてるけど、たのしいのも本当だから!

 なにやってたって、たかちゃんはかっこいーし、大汗かいて必死になって歌って踊って、ついでに飛んでるたかちゃんが、愛しいから!

 トホホなとこも含めて。
 大好き。

 泣きながら、笑う。
 ずっとずっと、手拍子して拍手して。もー、手が痛いよー。

 
 次は千秋楽。
 そのために、冬コミだってあきらめた。
 たか花ファンのチェリさんと一緒だから、最初から気合い入れて臨むぞ。
 早めにチェリさんに会って、振付の練習しなきゃ。楽が初見のチェリさんが、ちゃんとノれるよーに踊れるよーに。
 そして、並んで開場と同時に劇場に入り、ロッカーにコートや鞄を入れて、身軽になるの。立って踊るんだから、基本よね!!

 やる気満々で、そんなシミュレーションまでしたよ。

 
 たのしかったの。

「ポスターの大嘘つき。あんな耽美なポスター作っておいて、お笑いコントライブかよ!!」
 とゆー、ツッコミを心に溜めつつも、劇場にいたさいとーくんに、

「たのしかったです(はぁと)」

 と、言って、握手してもらったよん。
 さいとーくん、トシとともにどんどんヤバい感じになるね。いやその、外見が。ヲタク度が上がっているとゆーかそのゲフンゲフン。

 
 もう一度会える。
 そう信じていたから。
 この作品に、このライブに、このたかちゃんに。

 文句も苦言も、未来を信じているから。
 好きだから。

 
 飛ぶつもりでいたんだ。
 一緒に。

 
 たくさん笑って、じつは人知れずたくさん引いて(笑)、そしてたくさん泣いて、それでもやっぱりやっぱり、とってもたのしんだよ。
 おかげで、終演後、ものごっつー疲れていた。

 いろんな意味で、すげーショーだった。


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