今さら過ぎて、書くのもためらわれますが……北翔海莉主演『BourbonStreet Blues』の話。

 いやあ、今日kineさんの「デジカメ購入しました。北海道用に」の文章を見て、北翔海莉用?! kineさんなにするつもり?! とびびりましてねー(笑)。
 kineさんに、「緑野さんの潜在意識の問題では?」と返されましたよ。

 わたしの潜在意識?
 ほっくんを求めていたのか?

 てゆーか、未だにほっくんバウの感想を書いていない心残りゆえか。

 ま、答えは、わたしが単なるヅカファンだってことでしょうけど。なにを見てもヅカ関連に見えちゃうのよねー(笑)。

 
 えー、ほっくん主演バウ。
 あれはたしか、真夏のことじゃった……8月1日だったかのぅ。わしゃあ、博多座へ旅立つ前に、青春18きっぷを使いたい一心ではるばるタカラヅカ村まで行ったんじゃった……。

 と、思わずばーさま喋りになってしまうくらい、遠い遠い昔。

 記憶を掘り起こしながら、感想を少々書いてみたいと思う。

 
 神様、ほっくんに美貌をください。

 と、何年も前からお祈りしていたわたし。
 だって彼、他のものはみんな持ってる。豊かな歌声も、男役としての体型も、演技力も、ふつーにみんな揃ってるじゃん。
 ないのは、華と美貌だけ。

 ところが、前回の公演『エリザベート』でびっくり大変身。

 ほっくん、ハンサムやがな。

 あんまりふつーにきれいだったから、最前列で見たのに、ほっくんだと気づかなかった。by初日。

 これは、なにかのマジックなのか? 彼になにが起こったんだ?
 このままオトコマエになってくれるのか、はたまたアレはただの『エリザ』マジック、大作ゆえの錯覚に落ち着くのか。

 主演バウをたのしみにしていたのよ。

 
 ジェフ@ほっくんは、かっこよかった。
 シュテファンが美形だったのは、目の錯覚ではなかったらしい。
 ほっくんは確実に、かっこよくなっている。

 そのことについて、感心したことがある。

 ジェフはかっこいい青年だった。
 なのに。

 いったん幕が閉じ、カーテンコールの挨拶になった。

 その瞬間、ほっくんの顔が変わった。

 ハンサムな青年は消え、いつもの……その、今までよく見知った「神様、ほっくんに美貌をください」のほっくんだったのよ!

 そうか。
 シュテファンが美形に見えた。ジェフがハンサムに見えた。
 それって全部、「演技」なんだ。

 北島マヤ@ガラスの仮面が舞台で絶世の美女になるのと同じで、演技……「技術」で美形に見せていたんだ。

 感心した。
 そうなんだ。
 終始一貫、キャラを作ってたんだ。

 顔の筋肉を使って、別人の顔にしてたんだ。

 でもって、それをやめて、演技していない素の顔になると、いつものほっくんの顔になるんだ。

 「役者」ならあたりまえのことかもしれないけど、わたしは驚いた。ここまでソレを目の当たりにすることってなくて。

 てゆーか、「美形」ってのは、顔の筋肉の使い方や表情で作ることも可能なんだ。そのことにも、驚き。
 ほっくん……普段から「演技」していれば、ハンサムなんぢゃあ……? とか、余計なお世話なことを思っちゃいましたよ……いやその、美的感覚は個人差があるんで、あくまでもわたしの好みだけの話。

 
 さて、主人公ジェフを「青年」と書いたが、さららんバージョンとのいちばんのちがいはソレだろう。

 さららんジェフは多感な中学生だった。
 しかしほっくんジェフは、大人の男だったのだわ。
 ヒロインのシンシア@ねねちゃんとふたり、大人っぽいのなんのって。
 ふつーに大人の男女の恋愛どたばたでした。

 そして。
 ……主役の年齢設定が上がると、どーしてもつらいことがあった。

 作品の、拙さ。

 いやあ、この『BourbonStreet Blues』ってやっぱ、やばい作品だなっ。
 あちこち粗がありすぎるよ。やっつけ仕事だよな、正塚せんせ? 時間足りなくなって、てきとーに書いたんだよな? そういう荒さに充ちてますがな。

 さららんのときは、気にならなかったの。
 なにしろ中学生日記だから。
 青い子どもたちが、子どもなりの精一杯で、力一杯空回っている姿は微笑ましかったの。

 ところが、大人の男女がこの話をやるとね……粗がね……そのう、かなりパカッぽく見えてしまうのよ、いろんなことが。

 大人の男が、熱血教師刑事に殴られて「うわあああん!」って泣き崩れたら、かっこわるいよ。はぁ?ってなるよ。中学生だから、アリだったのよ、あの展開は。

 熱量が不足してい分、「小粋なラヴコメ」にしようとしていたみたいね。
 ギャグというか、笑いを取るところはさららんバージョンより多かった。
 ほっくんはうまいし、ねねちゃんもそれについていっていたし、みんなよくがんばっていた。

 でもなんか、落ち着きが悪かったんだよな。

 主人公が「子ども」でないとあり得ない話だからといって、ほっくんがわざとジェフを「子ども」にしなかったことはうれしい。
 ほっくんなら、演技で「子ども」になることはできたと思う。
 でもそれをせず、ちゃんと「大人の男役」で、この青い脚本に挑んで小粋にしていたのはうまい切り口だ。

 
 前半バージョンよりも後半バージョンの方が、出演者の学年がさらに下がっているのは、他の組と同じ。
 主役たちはなんとか興行レベルであっても、脇役たちがそこに達していないのも、他の組の後半バージョンと同じ。

 DJの台詞がよく聞き取れたのは、音響レベルが変わったせい? それとも滑舌の問題?
 デイモンはもりえちゃんの方が好き。たぶんこれは、熱量の問題。
 ダイアナは、こちらもきれいでこわい(笑)。多分に演技的?
 涼城まりなちゃんは、ぴりりと辛いよね。顔はキュートなのに、いい感じにマダムだった。

 ロッシ@るうが最初、眼鏡っこだったのはいい感じでした。おお、インテリヤクザできましたか、と。
 なのに、すぐに眼鏡取っちゃって。バレンチノとの差別化が薄くなりましたよ……。ずっとインテリ系でいってくれればよかったのに。

 バレンチノはひとりで笑いを取っていたけど、あれは相対的なものだと思った。彼自身は決してうまくないんだが、あの場ではおかしかったし、いい味だった。

 ああそして、嘉月さんがひとりぶっちぎりでいい男なのは、こちらも同じ……(笑)。

 
 ハイディさん、お待たせしましたがついに書きましたよ、ほっくんバウ感想。つってもこの通り、記憶が風化しているのでまちがってたりおぼえちがいしてたり、するかもしれませんが。

 そう、わたし。
 他のなにより。

 龍真咲の不在が大きかった。

 と、思っていました。
 彼が、華と実力で舞台を盛り上げていたんだなー、と。主役以外、主要人物以外のところでね。


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