もういいかげんにしろよ、星組全国ツアー『ベルサイユのばら』の話、その9。

 わたしはこの全ツ版を観て、『ベルばら』に絶望しました。
 来年の大劇版を観に行く勇気が持てませんでした。
 そーいや『2001』のときも、「これ以上嫌いにならないために、観るのはやめよう」って思って、観劇予定減らしたんだった。

 作品は大嫌い。

 だけど。

 すずみんとしいちゃんのおかげで、来年もまた観てみようかという気になった。

 ラヴラヴバカップル全開のオスカルとアンドレ。

 余裕なくとんがってるオスカルをアンドレがからかい、つまずいたオスカルをアンドレが支える。意識し合っている少年少女そのままに背を向けるオスカル。
 そして、おいかけっこ。

 この一連のバカップルシーンを、トウコアンドレと、特出オスカルがやるの?!

 み、見てえ。

 こころから、見てえよそんなの!!

 トウコアンドレだよ? 絶対胡散臭いに決まってる。
 なにやってもどこかエロくて胡散臭いトウコが、「はっはっは」てな笑いでアンドレをやって、オスカルからかうのかと思うと、ヨダレが出るわ。

 しかも、どのオスカルももれなくでかいし。あっ、禁句を!

 トウコアンドレの方がでかいことなんて、まったくないわけでしょ? キリオスカル、コムオスカルだってトウコより小さいわけじゃないし。
 小さくてもオトコマエなアンドレが、でかいヲトメなオスカルといちゃつくのか……ノミの夫婦萌えー。

 
 てことで、わたしを絶望から掬い上げてくれたのが、すずみんオスカルとしいアンドレでした。
 このカップル、かわいくていいよ。ほんと。

 
 となみちゃんアントワネットは、さすがの美しさ。姫役者だなあ。
 気品というモノは持って生まれた才能だから、それを正しく開花させてくれる姿はうれしい。
 かなしいかな、喋り方が植爺歌舞伎まんまで棒読みテイスト。植爺はこれをいいと思ってるんだろうな。つーか、これが「王様の喋り方」だと思ってるんだろう。
 ルイ16世@みらんくんも、やっぱり歌舞伎棒読み喋りだったもの。「王様(女王様)」は下々のような喋り方はしちゃいかんのだわ。

 フェルゼン@わたさんは、期待通りのアツさ(笑)。
 フェルゼンでも歌舞伎でも、「お人形」にならないのがこの人の持ち味。

 最後の牢獄シーンの盛り上げ方とか、ワタさんはほんと、「正しいトップスター」だよね。
 どんな駄作も失敗作も、その熱演で力尽くでカタルシスまで持って行っちゃうもの。
 彼のアツさに惑乱されて、わけわかんないうちに「なんかいいもん見たかも?」と、誤魔化されてしまう。

 そんな彼についていく美少女となみも、可能性を感じさせてくれてうれしい。

 これからがたのしみなふたりだ。

 
 さて、星組名物のゆかりくんが美しすぎる問題について。

 いつでもどこでも、無意味に美しい綺華れい。
 今回ベルナールという役がついているけれど、出番は最後の数分だけなので、あとはずーっといろんなとこでアルバイト。
 いろんなところにコスプレゆかり。なんせ幕開きからマッシュルームゆかり。不適に美しい小公子。てか、さすがにそのカオとアゴで小公子は無理だろキャスティング。
 ゆかりくん探しでも、十分たのしいです。

 ベルナールは、黒髪ゆかり。黒髪ですよ。ねえちょっと奥さん、漆黒ですよ。バカっぽいトリコロールのたすきかけてますけど、黒髪美形なんですよ奥さん!!
 彼が出てくるなり、牢獄シーンにカトレアの花が飛び交ったんですが、目の錯覚ですか?
 ぜひ彼には、黒い騎士コスプレしてほしーです。黒尽くめでマントと仮面ですよ。ハァハァ。
 嫁のロザリー@コトコトがまた可憐でいいんですよ。うおー、萌える並びだなあ。

 ロベスピエール@みらんで、その片腕時代のベルナール@ゆかり、とかも見たいなあ。溜息。

 あっ。
 いちばんいいのは、サン・ジュスト@ゆかりくん!!
 オスカルがたじろぐほどの美青年。……わー……。もちろんロベスピエール@みらんで。

 みらんくんは、アルバイトの方が断然いいです。ルイ16世はことさら阿呆に描かれてますしね、植爺版だと。
 みらゆかの並びはそれだけで、なんかしあわせですもん、星担的に。

 
 新作シーンの「仮面舞踏会」、わたしは好きですよ。
 この地味すぎるしょぼい作品の中で、場面に意味があって派手な唯一のシーンだもん。
 とくに、みんなが仮面を取るところが好き。

 なんか、とんでもない面子がそろってますよ。

 小公子たちの下級生ぞろりのあとの、くみちょを含めた上級生ぞろりぶりが、なんか笑えるのだわ。大仰で。

 
 それにしても、星組って女役の層が厚いよね、と思うのは、モモカさんが令嬢ポジだってこと。
 他組だったらあの人、迷わず失神&悶絶夫人ポジですよ。
 なのに星組には適役女役がいくらでもいるもんだから(今回は男役も混じってるし)、モモカさんが「令嬢」をやってたりするんですよ。
 令嬢……令嬢かー。いいなあ。

 
 モブの男の子たちのなかに、ひとり気になる子がいたんだけど、名前がわからなかった。
 その子が誰なのかわかったのは観終わったあと、kineさんと話しているときだ。

 kineさんの買ったプログラムを見せてもらっても、誰かわからない。
 たぶん下級生……だけど、「ご当地ジェンヌ」として紹介された中にはいない。

 消去法でいくと「一輝慎」なんだけど、プログラムの写真見ても「チガウ」としか思えない。

「だってさあ、輪郭がチガウもん。もっとすっきりしてたよ」

 写真の一輝慎くんは、丸い。ふっくらとした頬をしている。

「あ、一輝慎くん、この写真よりずっとすっきりしてますよ。若い子はすぐカオ変わるし、プログラムの写真古いままだし」
「口がでかいの。カエル系っていうか」
「一輝慎くん、口開くとでかいよ」

「あ、じゃソレだ」

 そう思って次の公演、ちゃんと見てみれば、たしかにわたしが気になった若者は一輝慎くんでした。

 決め手はでかい口。……口でかい人好きなんよ……。

 最初に見たとき、芝居で好みのカオだなあ、と思って、ショーでなんとなく見ていたらウインクされた。……オペラ越しに(笑)。
 わたし、やる気ある子好きだからさ……つたないなりにも、必死になってキザってアピールしている姿にヨワイの。
 あのウインクにはヤラレたわ……。

 と、気になる下級生もひとり増えたことだし、全ツを観に行った甲斐もあるというものだ〜。

 ショーの話はまた後日。(……て、いつだろう)


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