今日は、長田くん@オサの話。

 オサコン『I got music』第1部の主人公。
 とあるオーケストラのパーカッショニスト。「たくさんの人に愛される曲を作りたい」という夢を持つ、「リズム感に少々難アリ」なドジで気弱な青年。
 同じ楽団のピアニスト@彩音ちゃんに片想い。彼女にラヴソングを捧げたいのに、曲を作ることもできない。なにしろ彼女とは、まともに口をきいたこともないという、ヘタレぶり。

 そんな長田くんが演奏中の事故で「音冥界」とやらに迷い込んでしまった。
 閻魔大王ならぬ、音楽の医者たちが音楽家の資質を診察・判断するらしい。

 リーダー格の医者@まっつ、ふたりの医者@みわっち・そのか、そして医療スタッフらしいその他出演者たちが、なんやかんやと世話を焼き、長田くんはリハビリを受けることに。

 ピアニストへの恋心を自覚、語ってみたり、自信をつけさせるために指揮をやらせてみたり、「リズム感が悪い」そうなので、ドラムやタップに挑戦したり。

 そーして長田くんは、コンプレックスを克服する。

 
 この単純な、それこそ「少年ジャンプ」の読み切りラブコメ24P(短っ。31Pでさえないのか)みたいな浅い物語の中で、長田くんが、どれほど素敵な表情を見せるか。

 初日に見たときは、最初のオケでティンパニーを叩いているところから、かわいさ爆発だったのよ。得意そうっていうか、やんちゃそうっていうか。
 初日以外は、真面目な顔して叩いてたけど、それもまたかわいいし。
 ティンパニーのあとにシンバルを叩くんだが、ここではいつもものすごーくきらきらした顔してるし。

 最初から、鷲掴みなのよ。
 かわいい。この男の子、かわいいぞっ。

 彼の一挙手一投足に、笑いが起きる。
 舞台のいちばん上、いわばすみっこなのに。そこが、舞台の中心なの。

 表面的にはふつーに演奏しているだけなのに、2000人弱の人々の目線がたったひとりに集中し、そのわずかな表情の変化に反応する。
 すごい密度だ。
 そしてソレを、あったりまえに受け入れるオサちゃん。ああ、やっぱこの人すげー。

 その「注視」が前提にあってこその、事故。
 シンバルを叩いたあと、長田くんはセットから落下、救急車で運ばれてしまう。
 悲鳴と暗転、一拍おいての「ピーポーピーポー」には、場内爆笑だったもんなあ。

 暗闇の中、ちょっとビミョーな音符やら五線譜やらが現れ、これからはじまる物語がこのビミョーな路線であることを特徴付ける。

 胡散臭い医者たちにいいようにされる長田くんは、なさけなさ爆発。
 ヘタレ男。
 あのクールビューティ貴公子・春野寿美礼が、ヘタレ男よ?!
 ちょっとやりすぎ?てなかわいこぶった表情&仕草&声に、ノックアウト。
 かわいい……この男、バカでかわいい……ハァハァ。

 長田くん、は、もちろん「役」でしかない。
 嘘の人格、今このステージのみの存在。
 実際、「寿美礼サマそれは若作りしすぎでは?」てなかわいこちゃんぶり。
 なのに。

 なのに。
 嘘がない。

 なんつーんですか、ハートフルなんですよ。今までオサ様がてきとーにやってきた二枚目たちよりずっと!(すいませんすいません、オサ様ムラ有る人なんで、ときどきファン視界にすら「あー、今日は流してんなー」なんて感じられる日が……ゲフンゲフン)

 嘘くさい役なのに、嘘がない。

 長田くんとして、「活き」ている。
 そんな感じがもう、ファンとしては堪りません。
 「かわいい」役だとか、「若い」とか、そーゆーのはほんとのとこ、二の次なのよ。
 オサ様が舞台で「活き」ている、それがいちばん素敵なの。魅力的なの。

 それらがコンボ技となって、「長田くんかわいー! 寿美礼ちゃん素敵ー!」という感想になるのね。

 
 片想いのピアニストへの気持ちを歌う長田くん。
 このへんはまだ、なにも思わない。ふつーに「かわいいわねー」「いい声ねー」てなもん。

 しかし。
 長田くんは、さらにさらに変化するのだ。

 いろんな「リハビリ」のなかで、かわいい面をいろいろ披露してくれるわけだが。

 かわいいのはデフォルトとゆーことで置いておいて、スネアドラムのシーン。

 スティックを持ち、ドラムに向かう瞬間の張りつめた表情。

 そのときが、破壊的にカッコイイんですが。

 端正。
 端正だよね。
 ぴりっと整っているの。無駄なモノなんかなにひとつなくて。
 美しい、というより、正しいの。あるがままに。

 真剣そのものにドラムを叩きだし、スティックを魔法のようにあざやかに操る。
 その手の動きの美しさに、魅了される。
 かっこいい……かっこいーよー、オサ様……あたし、あの手の動きだけでも惚れそう。

 真剣勝負に叩いているくせに、ときおり「すごいっしょ?」と言いたげに顔を客席に向けるのが、ツボ。
 かわいいっ。そんなにそんなにかっこいいのに、かわいいよあーた!!

 ああ……今わたし、人生で最大級にオサ様好きかもしれない……(笑)。←笑うのか。

 
 かわいい長田くんが、かっこいい長田くんになったあと、物語は最初のシーンに戻る。

 オーケストラで、長田くんがシンバルを叩くところまで、時間が戻るの。
 彼はかわいく元気に仕事をし、休憩になる。
 楽団員たちはそれぞれ舞台を降りていくんだけど。

 ピアニストちゃんだけは、休憩時間も練習を続ける。長田くんの話にあった通りに。

 他の楽団員たちと同じよーに出て行こうとした長田くんは、足を止める。ピアニストちゃんを振り返る。

 ヘタレで、自信がなくて、自分から話しかけることもできない電車男的ポジだった、長田くん。

 その長田くんが、自分からピアニストちゃんのもとへ行く。
 なにも言わず譜面台の楽譜を取り上げる。
 手を止め、思わず長田くんを見るピアニストちゃん。
 長田くんは黙って楽譜を返し、ピアニストちゃんを見つめる。

 見つめ合う、ふたり。

 このときの長田くんが。

 めーっさ、いい男っ!!

 愛が見えるの。
 最初の方で、ピアニストちゃんへの想いを歌っているときは、べつにいつものオサちゃんなのよ。相手ナシで勝手に盛り上がるのは、春野寿美礼的にアリでしょう。
 でもでも、「相手を愛している」春野寿美礼は、レアですよ!

 ラヴいオサ様が、くすぐったくて幸福で、とてもとても素敵です……うっとり。

 ヘタレかわいこちゃんからはじまって、男前で終わる。
 長田くんというキャラは、すばらしい造形です。イケコすげー。腐っても鯛だったんだ!(失礼千万)


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