今さらだが、コミケの話(笑)。

 
 緑野こあらは、ひとつ大人の階段を上りました。

 企業ブース初体験!!inコミケ

 友人オレンジの指令で、お買い物メモを手に生まれてはじめて足を踏み入れました!
 同人誌即売会とは別に、企業が店を出している場所があるのですよ。それが企業ブース。
 ターゲットは某PCゲーム会社!

 朝10時。コミケ開始の拍手と共に、東館のオレンジのサークルをあとにし、企業ブースを目指す。
 よくは知らないが、なんとなく「あのへん」と場所の見当はついている。
 その「あのへん」を目指してがしがし歩く。

 
 いきなり、道に迷った。
 
 あの階段を上りたいのに、あそこへ至る道はどこ?!

 高速道路と同じで、ひとつまちがえると取り返しがつかない。
 うわーん、あっちへ行きたいのに、この道はどこへ行くの〜〜?! 逆走不可、進路固定、行き着くところまで行くしかない。
 結局、無駄に西館の外を半周させられました……暑い、暑い、焼ける〜〜。
 なんとか中央に戻ってきたときには、通路規制が解除されてました。
 一度乗ったら最後、自由に進路変更できない規制は、コミケ開始直後のみだったらしい。
 つまり、開始と同時に張り切って出掛けなければ、ひっかからなかったんだ。
 規制さえなければ、道に迷うこともなかったのに。西館外周を歩くこともなかったのに……。
 てゆーか、あの労力すべて無駄!って……あうう。
 
 それでもともかく、企業ブースを目指した。
 はじめての企業ブース、どんなものかしら。

 ……階段の上は、青空の下の「並び場」でした。

 そっか、ブースに入る前に、まず並ぶのよね。噂は耳にしていたわ。
 並ぶのは覚悟のうちだ。仕方ないさ。
 問題は、青空の下だってことだ!
 暑い、暑い、焼ける〜〜。

 ひと並びしたあと、よーやく目的の企業ブースに入れた。
 あー、よかった、と思う間もなく。

 わたしの目的地はどこですか。

 わたしが漠然と「企業ブース」と呼んでいたところは、何十件もの店が並ぶ、ショッピングアーケードだった……。
 しかも、めちゃ混みの。

 な、なにも見えません! わたしが行くのは、どこですか。

 ここでまた、迷子。
 事前にMAPをチェックするのーみそすらなかった……。ほんとに、自分とは無関係なところだと思ってたんだよ。サークルのMAPなら前もって用意してたけど、企業ブースはノーマークだった。
 しばしぼーせんとしたのち、お買い物メモを頼りに歩き出す。企業名を確かめ、目で探せないもんかなと。
 それもじき挫折。
 人、多すぎ。
 仕方なく、MAPを探す。
 入口とは反対の場所に、会場MAPがあった。
 ふつーMAPって、入口にあるよね……いちばん奥、って……そこにたどり着くまでに迷うじゃん……いや、わかってるよ、ふつーは前もってチェックして来るんだよな……予備知識なしに来る方が悪いのさ。

 よーやく見つけた会場MAP。目的の会社も見つけた。
 目的地はわかったが……、現在地がわからない……。

 ははは。
 なんかもーお手上げ?(棒読み)

 仕方なく周囲の人に訊ねながら、よーやくっ、目的の店を見つけることができた!
 よっしゃ、ゴールだ!!

 と、思ったら。

「最後尾はこちらではありませ〜ん」

 壁づたいに、列ができている。
 そうか、中でも並ぶのか。
 おとなしく、最後尾を目指す。

「最後尾はこちらではありませ〜ん」

 繰り替えされるスタッフの言葉。
 えー、最後尾どこよ?

 最後尾は、青空の下でした。

 暑い、暑い、焼ける〜〜。
 屋外に並ぶことは想定してなかったので、日焼け止め顔にしかぬってない。腕が首筋がっ。
 根っからマイナー嗜好のわたしは、いわゆる「大手」に興味がなく、島中しか回らない。一般参加が基本だが、並ぶのが嫌で昼から参加だし。
 そーゆー奴なので、まさか自分が大手列に並ぶことになろうとは、まったく思ってなかったのね。
 
 さて、青空の下並んでいると。

「**の**、売り切れでーす!」
 プラカードを持ったスタッフが叫んでいる。

 え? わたしが並んでる企業の商品ですか?

 なにしろその企業に対して予備知識がないので、固有名詞がわからない。聞き取れない。ゲームのタイトルすらよくわかっていない。お買い物メモさえあればなんとかなると信じてやってきたんだ。

「**の**セットも売り切れましたー!」

 またしても、売り切れ報告。
 わたしはだんだん不安になる。

 こうやって炎天下並んでるけど、じつはわたしの買うべきものって、売り切れちゃってるんじゃないの? そしたら無駄足??

 んで、あわててそのスタッフへ質問した。

「これが欲しいんですが、売り切れてませんか?」

 自分が買う品物もよく理解していないため、お買い物メモをそのまま相手に見せる。
 いや、友人からなにを買うのか、説明は受けたよ。オフィシャルガイドブックと、それを含んだグッズセットだったかな。日本語はわかった。でもなんつってもわたしは、その会社もゲームタイトルもはじめて耳にしたくらい、なにも知らないんだ。そんな素人の勝手な思いこみで、まちがった買い物をしてはならない。
 わたしが伝言ゲーム的にあやふやな単語を口にするより、友人から渡されたメモを見せるのがいちばん確実。
 しかし。

「えー……? さー……?」

 スタッフの人も、ただの行列整理係でしかなかったらしい。わかるともわからないとも答えてくれず、声だけ残してするっと無視されてしまった。

 ど、どうしよう。

 あせったわたしは、行列の周囲の人に泣きついた。

「売り切れたって言ってるの、コレのことですか?」

 ここまで苦労して(苦労した大半は、わたしが無知だったせいだが)、買えなかったらヘコむ! 友だちにもがっかりされちゃうし!!

「えーと、コレはたぶん売り切れだと思います。でも、こっちは大丈夫なんじゃないかな」

 同じ列の人たちは、親切でした。

「おつかいですか? 大変ですね」

 わたしがあまりにもなさけない顔をしていたせいでしょう。ねぎらわれちゃったよ。同じように炎天下に並んでいる人たちに。つらい状況で並んでるのは同じなのにね……ほろり。

 えーと。
 結局、全部で1時間近く並んだのかな。

 お店にたどり着いたわたしは、売り切れてると聞いていよーがなんだろーが、とにかく店のおねーさんにメモを渡した。

「これをください!」
 と。

 案の定、グッズセットは売り切れ。でも、本の方は複数購入OKらしい。本当は2冊欲しいんだけど、ひとり1冊しか買えないと信じていたから、その本が封入されているグッズセットも別個に買うことにする、と友人が言っていたのをおぼえていたので、2冊買った。

 わたしの判断は、正しかったらしい。
 おつかいを終え、へろへろになってサークルスペースへ戻って報告したところ、誉めてもらったぞ。本2冊買ってよかった(笑)。

 そう。
 そこではじめて、思い至ったんだ。
 もっと企業ブースを探検してくればよかった。
 きっともう二度と行くことはないだろうに。
 いろんなものを宣伝として配っていたのに、それらも全スルーして、目的地しか見なかった。

 ヲタクとしてひとつスキルアップ! ……したはずだが、なんか、ちっともミになってないよーな?

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