わたしは、湖月わたる氏の個人的なファンじゃない。

 だけど、べーべー泣きながら思った。

 星組東宝公演千秋楽、『ソウル・オブ・シバ!』のフィナーレ、大階段の中央に立つ湖月わたる氏を見て。

 大好き、大好き、大好き。

 組子みんなが迎える舞台に、ワタさんが現れたそのときに。
 心から思ったの。

 大好き。

 
 ……ごめん、kineさん。いや、なんとなく、謝ってみる。

 
 千秋楽の公演は特別で、どう特別になるのかというと、やはりそれは観ている者次第なんだなと思う。
 わたしが勝手に思い入れるから、特別なんだ。
 他の人には他の特別があって、わたしとはチガウ。
 みんなみんな、別の想いで別のものを視る。

 東宝千秋楽までかかって、わたしは大嫌いだった『長崎しぐれ坂』での萌え方を開眼したし(笑)、ショーでの萌えも確立した(笑)。
 純粋にたのしんだ。

 今日は特別。
 とっておきの日。

 特別だから、たのしむんだ。
 かなしむんじゃなくて、とことんたのしい日にするの。

 あとから思いだして、しあわせなしあわせな記憶となるように。

 アドリブに笑ったり、いっぱい拍手したりして。

 「お布団ぽんぽん」はさすがになかったねええ。やりすぎだって、わかってたからかな。ムラ楽は映像に残らないけど、東宝楽は残るからやらないだろうとは思ってたけど。

 開眼していたわたし(笑)には、やっぱり「シャレにならねえ」事態だったと思うよ、「お布団ぽんぽん」は。

 わたし的にやって欲しかったアドリブは、芝居ラストの「愛の小舟」で。

 腕の中の伊佐次の、額にかかる髪を、卯之助にやさしく払いのけてほしかった。

 わはははは。
 これぞまさに「愛の小舟」!!

 「お布団ぽんぽん」より、ある意味シャレにならねーが、直接的でない分アリかと(笑)。

 
 檀ちゃん関係では、楽よりも前楽のアドリブの方が好きだった。

 『ソウル・オブ・シバ!』で、レークがレディ・ダイスに花を渡した。最初の、薄汚れた靴磨きの若者が、大スターに。
 物語が進み、人は流れ、変わってしまって。
 最後のデュエットダンスで、レディ・ダイスは髪に花を一輪さしていた。
 レークが贈った花。
 ふたりが出会った、最初の花を。

 別れのときに、身につけていた。

 この物語の深さはどうだろう。どんな想いがあって女は旅立ち、男は見送るのか。

 このデュエットダンスが大好きだった。
 檀ちゃんが美しいドレス姿である以上に、トレンチコートとソフト帽姿だというのが。
 檀れいというひとりの女優に相応しい姿だと思った。

 
 最後の「お祭り」である千秋楽では、レークは花を渡さない。場内大爆笑となる、明るいアドリブに変わっている。いつもレークに出し抜かれていた恵斗くんがレークに勝利し、はじめてダイスと握手するんだ。
 よかったね、恵斗くん。晴れの舞台。最後の舞台。
 ホストダンスのピルエットも、以前ほどオットットッになってなかったよね(笑)。

 
 とにかくわたしは、たのしんでいたよ。
 いっぱい笑って、ご機嫌だった。

 なのにね。

 ワタ檀デュエットダンスで泣いていたのはまあいいとして、最後の最後、大階段に立つワタさんで大泣きするとは、思ってなかった。

 ワタさんが、そして、ワタさんがトップスターとして真ん中に立つこの空間が、時間が、星組が、大好きなんだ。

 湖月わたるが好きだよ。心から。
 少なくとも、今この一瞬。(こらこら、一瞬とか言うな)

 
 檀ちゃんサヨナラショーは、ムラと一緒。
 わかっているから安心して観られた。次はあの曲。次は誰が出てどの曲。

 わかっていても、最後の曲には持って行かれるんですが。

 檀れいという女性、そして、彼女を好きだと思う、わたし自身のことをも、今、顧みられているような。
 そんな衝撃が胸に落ちてくる。

 トレンチコートの似合う、大人の女。
 美しくてかわいくて、でも一筋縄ではいかないなにかを秘めた人。

 ありがとう、檀ちゃん。
 あなたを好きでいられてうれしい。

 だって、最初から好きだったわけじゃないもの。
 月組のころは、正直辟易していたこともあった。あまりに下手で、芝居を壊されるのが不快だった。

 でも、そんな気持ちをも覆してくれた。

 好きでうれしい。
 別れがかなしいことが、こんなにうれしい。

 
 終演後のパレード、やっぱりまた、追いかけちゃった。
 檀ちゃんが袴姿で歩いていくのを、人混みの後ろから追いかけた。
 少しでも、長く見送りたくて。
 振り返れば、今回はkineさんもいる。一緒に走ってる。
 そうだ、追いかけよう。大好きなんだから。
 きちんと見送ろう。大好きなんだから。

 最後まで、オトコマエでかっこよくて、素敵な女性だった。

 
 退団者を見送ったあとも、そのままそこにいた。
 ワタさんはじめ、星組のみんなを見送るために。

 ありがとうの気持ちで。

 
 大好きはうれしい。
 そう思うたびに、しあわせになる。

 大好きが充ちている空間もまた、わたしを幸福にする。
 みんなみんな、自分ではない、自分の身内でもない誰かを好きで、そしてこうしてるんだよね。

 メールを打つのにも忙しい。
 ひとりじゃないっていいよなあ。
 このあとはHOTEL DOLLYで打ち上げだよ、集まって!

 
 パクちゃんとは残念ながら挨拶だけでお別れ、ジュンタさんは半分拉致?みたいな勢いでHOTEL DOLLYへ連行、打ち上げに参加。
 あとはいつものメンバー。

 みんなでスカステの檀ちゃんDSを見ながら乾杯!

 そうそう、最近のHOTEL DOLLYは食事付きなんですよ、みなさん! ドリーさんが、お料理作ってくれるのー。きゃー!!

 せっかくの檀ちゃんDAYなのに、何故か最後はみんなで『さすらいの果てに』(主演・壮一帆)を見て爆笑につぐ爆笑で終わってしまったし。おそるべし、『お笑いの果てに』!!
 壮くんきれいだし、歌もダンスも及第点なのになー。作品にめぐまれなくて、気の毒だ。

 帰りの電車の中で、ジュンタさんが「打ち上げに誘ってくれてありがとう」と言ってくれたけど。
 ソレ、わたしの功績じゃないっすよ。ぜんぜん。
 ドリーさんの、懐の深さゆえなの。
 彼女が「誰を呼んでもいいですよ。飛び入りでもなんでも、ちゃんと用意しておきますから」って言ってくれたから。

 お客様を「もてなす」ことができる人って、いいなと思う。
 わたしはいつも、ドリーさんの寛大さに感謝している。
 HOTEL DOLLYって、ふざけて言うけど、ほんとにほんとに、すごいことだと思ってる。
 心地よい場所だと思わせてくれる、その努力や心遣いに感動。
 今回も、とってもお世話になりました。
 ありがとう、すごくたのしかった。

「わたしの夢は、お金持ちになってムラにマンションを買って、HOTEL DOLLYムラ版を作ること!」

 と言ったら、kineさんに「たくさん夢があるんですね(笑)」と言われてしまった。
 そーよ、夢は山ほどあるわ。そのうちのひとつがソレよ。いやあ、叶いそうにない夢ばかり見てるけどさー。

 わたしも、ひとをもてなせる人になりたいの。

 大好き。を、分かち合える人に、なりたいよ。


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