微妙なセンスと彼の役割。@ネオ・ヴォヤージュ
2005年8月9日 タカラヅカ 三木章雄せんせーは、ガイチが嫌いなのかな。
それとも、劇団の意志なのかな。
それが気になった、宙組公演『ネオ・ヴォヤージュ』。
なまじ、その前にわたしは樹里ちゃんの退団公演『エンター・ザ・レビュー』を観ている。
Wトップ?! てくらい、出ずっぱりの樹里ちゃんを知っている。
歌い、踊り、場の中心となり、また組のトップスターとがっぷりふたつに組んで、最後はエトワールまでやって幕を下ろした。
それが目に焼き付いているから。
ガイチの扱いに、目が点になった。
ただの3番手扱い……退団者仕様はとくにナシ? エトワールのみ?
わたしはプログラムは買わない人間だけど、劇場にある出演者名の載ったチラシはもらう。
それでショーの部分を確認すると、一目瞭然。
ガイチが主役のシーンはない。
ないんだよ……びっくりしたよ……。
園加ですら、博多座で一場面もらってるのに(チガウ)。
コウちゃんやナオちゃんだって、退団公演は主役の場面があったよねえ。
樹里ちゃんは特別なんだとしても……いくらなんでも……。
せめてラストのたかちゃんとの男同士のデュエットダンスは、ガイチで見たかったよ……タニが悪いわけではなくて。
ちょっとしょぼん。
ま、それはともかく、ピアニスト@タニちゃんを翻弄する白髪のガイチは美形だったなと、チラシを確認すると。
ピアノ魔 初風緑
ピアノ魔って……。
初日終演後、いつもの店でkineさんとふたり、盛大に肩を落としたさ。
そして、
「よかったよね、サテュロスで!」
「ディアボロでよかった!!」
オギー神!! と、こんなところでまた盛り上がったよ、ありがとう三木章雄。
役名ひとつにしても、作家のセンスって出るよね。
全体的に、センスの微妙さが際立った作品だった。
いちばん微妙だったのが、やはり名は体を表すかな、ピアノ魔@ガイチの出る、ピアニスト@タニちゃんを主人公とするやたら長いシーン。
いろんな幻だかが現れ、ピアニストを翻弄するわけなんだが。
舞台には、とてものんきなおもちゃっぽいちゃちいピアノと、愉快な音符が輝いている。
トホホな背景と、美しいけど健康的なピアニストと、毒を持っているつもりらしーその他のキャスト。
なんだかとてもミスマッチ。
ええと、コンセプトは耽美系だよね。ガイチとその周辺も、ダークに決めている。
でも、なにしろタニちゃんなので太陽きらきらしてるし、ちっとも深刻にならない。
出てくる幻たちも微妙。
なにより、セットのちゃちさとダサさは致命的。
なにがしたいんだ、コレ……。
やってることは、『ドリーム・キングダム』の3つめのシーンとなにもかも同じなんだけど。コンセプトも展開も。
あれ?
『ドリキン』の3つめのシーンって、三木せんせじゃん。
同じ作家が同じことをやって、ここまでセンスの厚さがチガウってことは。
『ドリキン』は舞台美術担当の横尾忠則の功績かよ!
三木章雄単体だと、こんなにダサいの……?
作家自身による劣化コピーを見せつけられ、さらにトホホな気分になりました。
「ハロウィン」のシーンも、反応に困った。
美術はハロウィンらしい毒を感じさせる。わたしはそもそも「大人の演じるわざとらしい子ども」が苦手なんだが、それもまた使い方次第で印象は変わる。
徹底的にかわいい子どものシーンにしてしまうなら、苦手感は薄れる。
あるいは、「大人が無理して演じる子ども」という歪みを逆手に取った毒のあるシーンならばOK。
しかしこの「ハロウィン」のシーンは、そのどちらでもなく、実に中途半端だった。
無邪気なシーンにするには、美術はブラックだし、登場する唯一の大人・パンプキンマン@タニの役割はダークだ。
じゃあかわいいふりしてブラックなシーンかというと、なにしろタニちゃんなんで、毒を出そうとして空回りしている。
なんなんだこりゃ、ととまどっているうちに終了してしまった……。
タップのシーンだとか、明るい元気なシーンは素直に楽しめる。
オーソドックスなシーンも。
若手を売る気がまったくないと危惧していた宙組だけど、はじめてあひくんが銀橋を渡ったり、そのとき一瞬だけど本舞台でともちんがセンターだったりと、宙組らしくない場面もあって微笑ましかった。
まあ大抵はすっしーやはっちゃんやまりえったがセンター脇を固めていて若手スターはそれより外側とか、トップと若手スター数人というシーンにしっかり副組長がまざっていたり、という宙組らしい風景に満ちあふれているけど。
たかはなのデュエットダンスが少なくてびっくりだったり、そもそも絡みが少ない? わー、なんか新鮮、でも落ち着かないかも?(笑) な、発見があったり。
全体としては、ふつーにたのしいショーなんじゃないでしょーか(棒読みテイスト)。
芝居が重いんで、これくらい薄い方が、バランス的にいい。たぶん。
わたしが「センスが微妙」だと思った部分はすべて、タニちゃんの使い方にあるんだと思うので、どんなタニちゃんでもOK!な人には、きっともっとたのしい作品だと思う。
思ったことは、三木せんせは「あて書き」をしないんだな、ということ。
この作品がわたし的に相当微妙なのは、お色気担当・耽美担当が大和悠河だということに尽きる。
トップスターは白い貴公子、2番手は黒い個性的な役。
という、従来のヅカの立ち位置に合わせた骨組みで作品を書き、それを上から順に当てはめたのね。
だから、毒を持った美青年の役がタニだったり、魔に翻弄される美青年の役がタニだったり、トップスターと男同士で踊る役がタニだったりするんだわ。
タニちゃんがお色気担当、耽美担当か……すげえなあ。
わたしがイマイチのれなかったわけだ……。いや、タニが悪いわけではなくて。
わたし的に。
お色気担当と耽美担当がガイチでは何故いけなかったんだろう……。
それとも、劇団の意志なのかな。
それが気になった、宙組公演『ネオ・ヴォヤージュ』。
なまじ、その前にわたしは樹里ちゃんの退団公演『エンター・ザ・レビュー』を観ている。
Wトップ?! てくらい、出ずっぱりの樹里ちゃんを知っている。
歌い、踊り、場の中心となり、また組のトップスターとがっぷりふたつに組んで、最後はエトワールまでやって幕を下ろした。
それが目に焼き付いているから。
ガイチの扱いに、目が点になった。
ただの3番手扱い……退団者仕様はとくにナシ? エトワールのみ?
わたしはプログラムは買わない人間だけど、劇場にある出演者名の載ったチラシはもらう。
それでショーの部分を確認すると、一目瞭然。
ガイチが主役のシーンはない。
ないんだよ……びっくりしたよ……。
園加ですら、博多座で一場面もらってるのに(チガウ)。
コウちゃんやナオちゃんだって、退団公演は主役の場面があったよねえ。
樹里ちゃんは特別なんだとしても……いくらなんでも……。
せめてラストのたかちゃんとの男同士のデュエットダンスは、ガイチで見たかったよ……タニが悪いわけではなくて。
ちょっとしょぼん。
ま、それはともかく、ピアニスト@タニちゃんを翻弄する白髪のガイチは美形だったなと、チラシを確認すると。
ピアノ魔 初風緑
ピアノ魔って……。
初日終演後、いつもの店でkineさんとふたり、盛大に肩を落としたさ。
そして、
「よかったよね、サテュロスで!」
「ディアボロでよかった!!」
オギー神!! と、こんなところでまた盛り上がったよ、ありがとう三木章雄。
役名ひとつにしても、作家のセンスって出るよね。
全体的に、センスの微妙さが際立った作品だった。
いちばん微妙だったのが、やはり名は体を表すかな、ピアノ魔@ガイチの出る、ピアニスト@タニちゃんを主人公とするやたら長いシーン。
いろんな幻だかが現れ、ピアニストを翻弄するわけなんだが。
舞台には、とてものんきなおもちゃっぽいちゃちいピアノと、愉快な音符が輝いている。
トホホな背景と、美しいけど健康的なピアニストと、毒を持っているつもりらしーその他のキャスト。
なんだかとてもミスマッチ。
ええと、コンセプトは耽美系だよね。ガイチとその周辺も、ダークに決めている。
でも、なにしろタニちゃんなので太陽きらきらしてるし、ちっとも深刻にならない。
出てくる幻たちも微妙。
なにより、セットのちゃちさとダサさは致命的。
なにがしたいんだ、コレ……。
やってることは、『ドリーム・キングダム』の3つめのシーンとなにもかも同じなんだけど。コンセプトも展開も。
あれ?
『ドリキン』の3つめのシーンって、三木せんせじゃん。
同じ作家が同じことをやって、ここまでセンスの厚さがチガウってことは。
『ドリキン』は舞台美術担当の横尾忠則の功績かよ!
三木章雄単体だと、こんなにダサいの……?
作家自身による劣化コピーを見せつけられ、さらにトホホな気分になりました。
「ハロウィン」のシーンも、反応に困った。
美術はハロウィンらしい毒を感じさせる。わたしはそもそも「大人の演じるわざとらしい子ども」が苦手なんだが、それもまた使い方次第で印象は変わる。
徹底的にかわいい子どものシーンにしてしまうなら、苦手感は薄れる。
あるいは、「大人が無理して演じる子ども」という歪みを逆手に取った毒のあるシーンならばOK。
しかしこの「ハロウィン」のシーンは、そのどちらでもなく、実に中途半端だった。
無邪気なシーンにするには、美術はブラックだし、登場する唯一の大人・パンプキンマン@タニの役割はダークだ。
じゃあかわいいふりしてブラックなシーンかというと、なにしろタニちゃんなんで、毒を出そうとして空回りしている。
なんなんだこりゃ、ととまどっているうちに終了してしまった……。
タップのシーンだとか、明るい元気なシーンは素直に楽しめる。
オーソドックスなシーンも。
若手を売る気がまったくないと危惧していた宙組だけど、はじめてあひくんが銀橋を渡ったり、そのとき一瞬だけど本舞台でともちんがセンターだったりと、宙組らしくない場面もあって微笑ましかった。
まあ大抵はすっしーやはっちゃんやまりえったがセンター脇を固めていて若手スターはそれより外側とか、トップと若手スター数人というシーンにしっかり副組長がまざっていたり、という宙組らしい風景に満ちあふれているけど。
たかはなのデュエットダンスが少なくてびっくりだったり、そもそも絡みが少ない? わー、なんか新鮮、でも落ち着かないかも?(笑) な、発見があったり。
全体としては、ふつーにたのしいショーなんじゃないでしょーか(棒読みテイスト)。
芝居が重いんで、これくらい薄い方が、バランス的にいい。たぶん。
わたしが「センスが微妙」だと思った部分はすべて、タニちゃんの使い方にあるんだと思うので、どんなタニちゃんでもOK!な人には、きっともっとたのしい作品だと思う。
思ったことは、三木せんせは「あて書き」をしないんだな、ということ。
この作品がわたし的に相当微妙なのは、お色気担当・耽美担当が大和悠河だということに尽きる。
トップスターは白い貴公子、2番手は黒い個性的な役。
という、従来のヅカの立ち位置に合わせた骨組みで作品を書き、それを上から順に当てはめたのね。
だから、毒を持った美青年の役がタニだったり、魔に翻弄される美青年の役がタニだったり、トップスターと男同士で踊る役がタニだったりするんだわ。
タニちゃんがお色気担当、耽美担当か……すげえなあ。
わたしがイマイチのれなかったわけだ……。いや、タニが悪いわけではなくて。
わたし的に。
お色気担当と耽美担当がガイチでは何故いけなかったんだろう……。
コメント