美しい絶望。@零−紅い蝶−
2005年7月29日 ゲーム
ほっくんバウの初日に行きたかったんだが、チケットないのであきらめた。
チケ事情的に楽勝だと決めてかかってたんだけど、この間チケカウンターで聞いたところ、平日でも後方とか最端とかしか残ってないのよ。初日は後ろ補助のみ、だったかな。
後ろ補助はヤだったんで、初日はあきらめた。
そして今日はえんえん、コントローラ握っていたよ。
昨日発売のシリーズ最新作『零−刺青の聲−』をやるために、まず『零−紅い蝶−』を終わらせなければ、と。
もちろん、発売当初に終わらせていたよ。
ここでも日記書いたしな。
ただ、『零』シリーズは通常エンディングが2つあって、ノーマル・モードをクリアしただけじゃ終わったことにならないのだわ。
1回クリアしたあと、ハード・モードで1からプレイし直さなきゃならないの。2回以上プレイするのがお約束。
わたしはこの、2つめのエンディングをまだ見ていなかったの。
アクション苦手だっつーのに、ハード・モードで怨霊と戦わねばならない。うひょー。
昨日の『ベルばら』役替わり発表時点で、ゲーム中最恐の「桐生家」をやっていたのね。そっから一気にラストまでやった。
むちゃくちゃこわかった……。
ホラー大好きなわたしが、唯一「こわい」と思えるのが、この『零』だ。他の「ホラー」とカテゴライズされたものでこわいことなんて、まずない。
『零−紅い蝶−』は、最初から最後までこわかった。
主人公の少女になって、夜の廃村を歩く。生きている人間は、誰もいない。土の道の脇には、双子の道祖神。紅い蝶がひらひらと闇を舞う。
暗い廃墟のあちこちに見える、白い影。
村の指導者の屋敷らしい、巨大な日本家屋を歩く。時折聞こえる足音と、子どもの笑い声。
見え隠れする、村の過去。陰惨な「儀式」「生贄」「宿命」。
「敵」である怨霊に追われる恐怖、怨霊と戦う恐怖、というのがある。
でもこれって、相手がモンスターだろうとゾンビだろうと、人間の兵隊であろうと同じよね。
「身を傷つける者」としての恐怖でしかない。
『零』の恐怖の神髄は、プレイヤーの「想像力」にある。
暗い日本家屋を歩く。
障子の向こう、廊下の角、屏風の裏、一望できない「闇」に潜むものを想像して、恐怖する。
想像力は、尽きない。
モンスターや、チェーンソーを持った怪人はそれだけの存在でしかないけれど、答えのないものに対する想像力は、枷を持たない。
舞台となる村、そして屋敷にあるのは、「人間の想い」だ。
怨霊も自縛霊も浮遊霊も、それぞれ「人間の想い」があるからこそ、「霊」としてそこにある。
「想い」だけが歪んだカタチで残っている、その「哀しさ」がまた、恐怖となる。
想像力が豊かな人や、感情移入が激しい人は、よりたのしく「恐怖」することができるだろう。
今自分を襲ってきた幽霊の、人生と、最後の瞬間の恐怖と痛みと悔しさを想像したら、こわさ倍増。霊となって、生きている人間を襲うほどの恐怖に充ちた最後って……?!
雑魚敵ひとつひとつにも、物語と痛みと悲しみがあって、想像すると際限なくこわいぞ。
そして、今回もうひとつのエンディングを見ることによって、わたしがどーしてこの作品が好きなのか、再確認した。
歪んだもの、痛いものが好きな人には、おすすめ!
幽霊がこわい、幽霊の背景となる設定がこわい、演出がこわい。
と、いろいろ盛りだくさんにこわいんだけど。
さらに。
ストーリーも、こわい。
絶望だとか、まちがった愛だとかにツボがある人間にはたまらないわ。
最後までプレイして、感動した。
この絶望感に。
どこまで痛いんだ……容赦なさ過ぎ。
主人公=プレイヤーの、心の歪みが浮き彫りにされていく。
醜いエゴが、容赦なく浮き彫りにされ、そしてそれが、凄惨に美しく描きあげられる。
う・わー……。
痛すぎ。
ものすげー好みです。
この感覚。
荻田浩一作品に通じる、美しさと絶望感と、歪み。
やはり、ポイントは「美しさ」だと思う。
『零』は、美しいのよ。
他のホラーゲームといちばんちがうところは、流血しないということ。
身体を傷つけられる恐怖じゃないから。
画面に血は流れないし、暴力的なシーンもない。
陰惨な儀式の描写はあるけれど、実際に血を流すようなグロテスクなシーンはあえて描かないの。次の瞬間血みどろになる、寸前で映像が切り替わる。あとはプレイヤーの想像。そしてそれこそが、最恐。
安易なスプラッタや汚らしい残酷さで恐怖を作らない。
むしろ、美しい。
絵画のようなしんとした美しさで、その奥にある狂気を表現する。
美しくて、かなしい物語だった。
だからこそ、こわい物語だった。
こんな物語を書いてみたい、と心から思った。
2回目のプレイはわたし、ヒロインを「めがねっこ」にしてプレイしたので、さらにたのしかったぞ(笑)。1回クリアすると、めがねっこバージョンにできるの。
うざい姉にきーきー文句言いつつ、あちこち画面相手にツッコミ入れつつ、たのしくプレイしました。
あー、こわかった。あー、たのしかった。
RANK E だったけど、そんなこと気にしない! どーせあたしはへたっぴよ!
つーことで、今はシリーズ最新作『零−刺青の聲−』をはじめてます。
これから第二夜だー! ツッコミどころは満載だー!
あ、シリーズは何気に全部話がつながってるんで、プレイする場合はシリーズ1からがおすすめですよ! もちろん、どのソフトからでも遊べるけど。
チケ事情的に楽勝だと決めてかかってたんだけど、この間チケカウンターで聞いたところ、平日でも後方とか最端とかしか残ってないのよ。初日は後ろ補助のみ、だったかな。
後ろ補助はヤだったんで、初日はあきらめた。
そして今日はえんえん、コントローラ握っていたよ。
昨日発売のシリーズ最新作『零−刺青の聲−』をやるために、まず『零−紅い蝶−』を終わらせなければ、と。
もちろん、発売当初に終わらせていたよ。
ここでも日記書いたしな。
ただ、『零』シリーズは通常エンディングが2つあって、ノーマル・モードをクリアしただけじゃ終わったことにならないのだわ。
1回クリアしたあと、ハード・モードで1からプレイし直さなきゃならないの。2回以上プレイするのがお約束。
わたしはこの、2つめのエンディングをまだ見ていなかったの。
アクション苦手だっつーのに、ハード・モードで怨霊と戦わねばならない。うひょー。
昨日の『ベルばら』役替わり発表時点で、ゲーム中最恐の「桐生家」をやっていたのね。そっから一気にラストまでやった。
むちゃくちゃこわかった……。
ホラー大好きなわたしが、唯一「こわい」と思えるのが、この『零』だ。他の「ホラー」とカテゴライズされたものでこわいことなんて、まずない。
『零−紅い蝶−』は、最初から最後までこわかった。
主人公の少女になって、夜の廃村を歩く。生きている人間は、誰もいない。土の道の脇には、双子の道祖神。紅い蝶がひらひらと闇を舞う。
暗い廃墟のあちこちに見える、白い影。
村の指導者の屋敷らしい、巨大な日本家屋を歩く。時折聞こえる足音と、子どもの笑い声。
見え隠れする、村の過去。陰惨な「儀式」「生贄」「宿命」。
「敵」である怨霊に追われる恐怖、怨霊と戦う恐怖、というのがある。
でもこれって、相手がモンスターだろうとゾンビだろうと、人間の兵隊であろうと同じよね。
「身を傷つける者」としての恐怖でしかない。
『零』の恐怖の神髄は、プレイヤーの「想像力」にある。
暗い日本家屋を歩く。
障子の向こう、廊下の角、屏風の裏、一望できない「闇」に潜むものを想像して、恐怖する。
想像力は、尽きない。
モンスターや、チェーンソーを持った怪人はそれだけの存在でしかないけれど、答えのないものに対する想像力は、枷を持たない。
舞台となる村、そして屋敷にあるのは、「人間の想い」だ。
怨霊も自縛霊も浮遊霊も、それぞれ「人間の想い」があるからこそ、「霊」としてそこにある。
「想い」だけが歪んだカタチで残っている、その「哀しさ」がまた、恐怖となる。
想像力が豊かな人や、感情移入が激しい人は、よりたのしく「恐怖」することができるだろう。
今自分を襲ってきた幽霊の、人生と、最後の瞬間の恐怖と痛みと悔しさを想像したら、こわさ倍増。霊となって、生きている人間を襲うほどの恐怖に充ちた最後って……?!
雑魚敵ひとつひとつにも、物語と痛みと悲しみがあって、想像すると際限なくこわいぞ。
そして、今回もうひとつのエンディングを見ることによって、わたしがどーしてこの作品が好きなのか、再確認した。
歪んだもの、痛いものが好きな人には、おすすめ!
幽霊がこわい、幽霊の背景となる設定がこわい、演出がこわい。
と、いろいろ盛りだくさんにこわいんだけど。
さらに。
ストーリーも、こわい。
絶望だとか、まちがった愛だとかにツボがある人間にはたまらないわ。
最後までプレイして、感動した。
この絶望感に。
どこまで痛いんだ……容赦なさ過ぎ。
主人公=プレイヤーの、心の歪みが浮き彫りにされていく。
醜いエゴが、容赦なく浮き彫りにされ、そしてそれが、凄惨に美しく描きあげられる。
う・わー……。
痛すぎ。
ものすげー好みです。
この感覚。
荻田浩一作品に通じる、美しさと絶望感と、歪み。
やはり、ポイントは「美しさ」だと思う。
『零』は、美しいのよ。
他のホラーゲームといちばんちがうところは、流血しないということ。
身体を傷つけられる恐怖じゃないから。
画面に血は流れないし、暴力的なシーンもない。
陰惨な儀式の描写はあるけれど、実際に血を流すようなグロテスクなシーンはあえて描かないの。次の瞬間血みどろになる、寸前で映像が切り替わる。あとはプレイヤーの想像。そしてそれこそが、最恐。
安易なスプラッタや汚らしい残酷さで恐怖を作らない。
むしろ、美しい。
絵画のようなしんとした美しさで、その奥にある狂気を表現する。
美しくて、かなしい物語だった。
だからこそ、こわい物語だった。
こんな物語を書いてみたい、と心から思った。
2回目のプレイはわたし、ヒロインを「めがねっこ」にしてプレイしたので、さらにたのしかったぞ(笑)。1回クリアすると、めがねっこバージョンにできるの。
うざい姉にきーきー文句言いつつ、あちこち画面相手にツッコミ入れつつ、たのしくプレイしました。
あー、こわかった。あー、たのしかった。
RANK E だったけど、そんなこと気にしない! どーせあたしはへたっぴよ!
つーことで、今はシリーズ最新作『零−刺青の聲−』をはじめてます。
これから第二夜だー! ツッコミどころは満載だー!
あ、シリーズは何気に全部話がつながってるんで、プレイする場合はシリーズ1からがおすすめですよ! もちろん、どのソフトからでも遊べるけど。
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