ほっくんバウの初日に行きたかったんだが、チケットないのであきらめた。
 チケ事情的に楽勝だと決めてかかってたんだけど、この間チケカウンターで聞いたところ、平日でも後方とか最端とかしか残ってないのよ。初日は後ろ補助のみ、だったかな。
 後ろ補助はヤだったんで、初日はあきらめた。

 そして今日はえんえん、コントローラ握っていたよ。

 昨日発売のシリーズ最新作『零−刺青の聲−』をやるために、まず『零−紅い蝶−』を終わらせなければ、と。

 もちろん、発売当初に終わらせていたよ。
 ここでも日記書いたしな。

 ただ、『零』シリーズは通常エンディングが2つあって、ノーマル・モードをクリアしただけじゃ終わったことにならないのだわ。
 1回クリアしたあと、ハード・モードで1からプレイし直さなきゃならないの。2回以上プレイするのがお約束。

 わたしはこの、2つめのエンディングをまだ見ていなかったの。

 アクション苦手だっつーのに、ハード・モードで怨霊と戦わねばならない。うひょー。

 昨日の『ベルばら』役替わり発表時点で、ゲーム中最恐の「桐生家」をやっていたのね。そっから一気にラストまでやった。
 むちゃくちゃこわかった……。
 ホラー大好きなわたしが、唯一「こわい」と思えるのが、この『零』だ。他の「ホラー」とカテゴライズされたものでこわいことなんて、まずない。

 『零−紅い蝶−』は、最初から最後までこわかった。

 主人公の少女になって、夜の廃村を歩く。生きている人間は、誰もいない。土の道の脇には、双子の道祖神。紅い蝶がひらひらと闇を舞う。
 暗い廃墟のあちこちに見える、白い影。
 村の指導者の屋敷らしい、巨大な日本家屋を歩く。時折聞こえる足音と、子どもの笑い声。
 見え隠れする、村の過去。陰惨な「儀式」「生贄」「宿命」。

 「敵」である怨霊に追われる恐怖、怨霊と戦う恐怖、というのがある。
 でもこれって、相手がモンスターだろうとゾンビだろうと、人間の兵隊であろうと同じよね。
 「身を傷つける者」としての恐怖でしかない。

 『零』の恐怖の神髄は、プレイヤーの「想像力」にある。
 暗い日本家屋を歩く。
 障子の向こう、廊下の角、屏風の裏、一望できない「闇」に潜むものを想像して、恐怖する。

 想像力は、尽きない。
 モンスターや、チェーンソーを持った怪人はそれだけの存在でしかないけれど、答えのないものに対する想像力は、枷を持たない。

 舞台となる村、そして屋敷にあるのは、「人間の想い」だ。
 怨霊も自縛霊も浮遊霊も、それぞれ「人間の想い」があるからこそ、「霊」としてそこにある。
 「想い」だけが歪んだカタチで残っている、その「哀しさ」がまた、恐怖となる。

 想像力が豊かな人や、感情移入が激しい人は、よりたのしく「恐怖」することができるだろう。

 今自分を襲ってきた幽霊の、人生と、最後の瞬間の恐怖と痛みと悔しさを想像したら、こわさ倍増。霊となって、生きている人間を襲うほどの恐怖に充ちた最後って……?!
 雑魚敵ひとつひとつにも、物語と痛みと悲しみがあって、想像すると際限なくこわいぞ。

 
 そして、今回もうひとつのエンディングを見ることによって、わたしがどーしてこの作品が好きなのか、再確認した。

 歪んだもの、痛いものが好きな人には、おすすめ!

 幽霊がこわい、幽霊の背景となる設定がこわい、演出がこわい。
 と、いろいろ盛りだくさんにこわいんだけど。

 さらに。

 ストーリーも、こわい。

 絶望だとか、まちがった愛だとかにツボがある人間にはたまらないわ。

 最後までプレイして、感動した。
 この絶望感に。
 どこまで痛いんだ……容赦なさ過ぎ。

 主人公=プレイヤーの、心の歪みが浮き彫りにされていく。

 醜いエゴが、容赦なく浮き彫りにされ、そしてそれが、凄惨に美しく描きあげられる。

 う・わー……。
 痛すぎ。

 ものすげー好みです。
 この感覚。
 荻田浩一作品に通じる、美しさと絶望感と、歪み。

 やはり、ポイントは「美しさ」だと思う。
 『零』は、美しいのよ。

 他のホラーゲームといちばんちがうところは、流血しないということ。
 身体を傷つけられる恐怖じゃないから。
 画面に血は流れないし、暴力的なシーンもない。
 陰惨な儀式の描写はあるけれど、実際に血を流すようなグロテスクなシーンはあえて描かないの。次の瞬間血みどろになる、寸前で映像が切り替わる。あとはプレイヤーの想像。そしてそれこそが、最恐。

 安易なスプラッタや汚らしい残酷さで恐怖を作らない。

 むしろ、美しい。
 絵画のようなしんとした美しさで、その奥にある狂気を表現する。

 
 美しくて、かなしい物語だった。
 だからこそ、こわい物語だった。

 こんな物語を書いてみたい、と心から思った。

 
 2回目のプレイはわたし、ヒロインを「めがねっこ」にしてプレイしたので、さらにたのしかったぞ(笑)。1回クリアすると、めがねっこバージョンにできるの。
 うざい姉にきーきー文句言いつつ、あちこち画面相手にツッコミ入れつつ、たのしくプレイしました。
 あー、こわかった。あー、たのしかった。
 RANK E だったけど、そんなこと気にしない! どーせあたしはへたっぴよ!

 
 つーことで、今はシリーズ最新作『零−刺青の聲−』をはじめてます。
 これから第二夜だー! ツッコミどころは満載だー!

 あ、シリーズは何気に全部話がつながってるんで、プレイする場合はシリーズ1からがおすすめですよ! もちろん、どのソフトからでも遊べるけど。


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