「すみれちゃんの役名、ラフレシアじゃないんですか?」
 と、チェリさんに言われてしまった。
 わわわ、ちがいますよ、花組娘役トップスター・春野寿美礼様の役名は、エトワール様ですってば。ラフレシアだなんて、そんな……。

 さて、その深紅のラフレシア、エトワール様は、千秋楽も絶好調でした。サービス精神が行き過ぎていて、オカマ街道まっしぐら。
「アタシ、すみれちゃん。今日は千秋楽よ、笑いなさい」
 てなことを言っているのを聞いて、目からウロコでした。
 ええっ、お笑いシーンだと思ってやってたの、エトワール様?!
 あたしゃ、寿美礼ちゃんのことだから、マジで自分は美女だと思いこんでるんだと、思ってた。わきあがる笑い声は、ファンの歓声だと信じていると……。
 ちゃんとお笑い認定していたのか……おそるべし、はるのすみれ。
 なにがおそるべしかって、あーた、本気でナルシスってるんぢゃないかとファンを不安がらせてしまう、その個性よ。

 本日のカツラはイマイチでしたわ、エトワール様。初日と同じかな? 床に置いたポンポンみたいな、セミロングのカーリー。わたしは3種類エトワール様のカツラを見たけど、金髪のストレートがいちばん美しかったなぁ。

 とてつもなくキュートでガーリーなエトワール様。最後まで、紳士@ゆみこちゃんとラヴラヴでした。
 ゆみこちゃんから手の甲にキスされると「きゃっ(はぁと)」とよろこびの声をあげる。……ちなみに、その次の瞬間、らんとむからも同じよーにキスを受けるんだけど、エトワール様、さくっと無視。……反応してやれよ……せめて目線ぐらい向けてやれよ……。
 銀橋ではひたすら、ゆみこと投げキスの応酬。もうひとりの紳士@らんとむのことなんか、完全に忘却してるな……すげえ。
 いや、オサゆみ大好きなんで、うれしいんですがね。しかし、オサ様の見事なはじっけぷりにちと目眩が……くらくら。

 
 と。
 花組公演は終わってしまったけど、わたしまだ、『エンター・ザ・レビュー』の感想、書いてないんだよね。『マラケシュ』の感想も、自分的にはぜんぜん足りてないんだけど。『睡れる月』と『お笑いの果てに』の感想に熱が入りすぎたために、こんなことに。『睡れる月』はいいのよ、いくら語っても甲斐があったわ。しかし、『お笑いの果てに』ごときに、あそこまでの時間と情熱を費やした自分にとほほだわ……。でも、語らずにはいられないおもしろさやったんや……。

 『エンター・ザ・レビュー』は、ふつーのタカラヅカ・ショー。新しさはどこにもないが、破綻もない。ふつーにたのしいバラエティー・ショー。
 たのむ、某酒井氏、こーやってショーだけ作っていてくれ。世界の平和と人々の幸福のためにも、二度と芝居は書かないでくれ。
 えー、脚本別で演出だけなら、やってもいいかもしんねーけどなー。「物語を構築する能力に、先天的に欠ける人間」は、脚本やっちゃダメだよ。

 あれ、花組ってWトップだっけ? と首を傾げるよーな作りだが、樹里ちゃん退団公演だから、わたしはこれでもヨシ。
 孤高のトップスター春野寿美礼様(娘役トップスターも兼任)と、男役トップ樹里咲穂と娘役トップ遠野あすか。トップスターが3人もいて、めちゃ華やか。

 ところで、このショーの中でいつも首を傾げているのは、サーカスのシーン、「第4場 ラ・ムール」のまがまがしさ。

 このシーンっていったい、なんなんだろう。なんでこんなことになってるんだろう。
 ここだけ観れば「あれ? 演出オギーだっけ?」てな歪んだ美しさがある。

 なんていうかなあ。
 精神の均衡が保たれていないよーな、こわさ。
 あるべきものがあるべきところにない、こわさ。

 ひとことで言うとやはり、「まがまがしい」になるわ。

 一見、なんてことはないふつーの写真。仲良し4人組で遊びに行った先で撮りました、な1枚の写真があったとする。肩を組んだり腕を組んだり、ふざけあってカメラに向かってポーズを取っている。
 たのしそうな明るい写真なんだけど……あれ? なんか変だな。よく見ると、腕の数が多くない? 4人しかいないのに、ええと、腕は……。

 そーゆーこわさだ。

 もしくは、その一見たのしそーな仲良し4人組の写真。ふざけあってポーズを取った、写りも鮮明な陽気なスナップ。なんだけど……顔の部分だけ全員ぐにゃりと歪んでいるみたいな。

 そーゆーこわさだ。

 一見陽気できれいで、たのしいんだけど。
 どこか、おかしい。
 どこか、歪んでいる。
 それは、この世のモノではないなにか。
 含んだ毒、気づく人だけを蝕む恐怖。

 ……いったいなんだって、こんなことになってるの?
 酒井が意識して毒をこめたとは、思えない。そんなセンス、彼にはあり得ない。酒井氏はこのまがまがしいシーンを、「明るく楽しいシーン」と本気で思っていそうだ。

 オギーなら、「ああ、わざと、波長の合う人にだけわかる毒を込めたな」ってことで納得なんだけど。
 よりによって酒井だからな……(笑)。

 目新しさのないふつーのショーだから、他は全部忘れて、このまがまがしさだけおぼえているハメになるかも……あ、あとラフレシア様と(笑)。
 

 わたしは樹里×あすかのカップリングが大好きなので、樹里ちゃんの隣にいつもあすかちゃんがいてうれしかった。
 かわいい樹里ちゃんもかっこいー樹里ちゃんも見られてよかった。
 や、あとはなんといってもあすかちゃんのお尻だけどな。周りのお尻も見たいんだけど(笑)、ついついいつもあすかちゃんばっか見ちゃうよ。エロい尻だなあ……しみじみ。

 あー、なんか底の浅い男×男なシーンがあるが、あれはわたし的にどーでもいー。酒井は男女シーン作ってる方がいいよ、腐女子寄りのものは作ろうと思わなくていいよ。素養ないんだから。

 
 『マラケシュ』があまりに濃すぎるんで、ショーの薄さがかえって気持ちいい。
 いい比重であり、いいカップリング作だと思う。


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