コム姫、ひょっとしてわたしを見ているっ?!

 と、幸福なカンチガイに浸ってどきどきしました。

 『TCAスペシャル2005』!!

 カンチガイだと思うよ。思うけど。
 でもなんか、あのひとはわたしを見ていたような気がするの!!

 ははは。
 わたし、立ち見でした。

 立ち見なのに、目線もらえたなんて、カンチガイも甚だしい! と、お思いでしょう。
 わたしもさー、なにしろ立ち見だから、めっさ油断してぼーっと見ていたのよ。
 でも、2幕の後半、それぞれが持ち歌を歌いながら銀橋を渡るトップスターさんのシーンでさ。
 首を傾げたのよ。
 あれ? なんか変。って。
 まずワタさんが歌いながら歩いていった。わたしも、ぜんぜんふつーに見ていた。
 なのに。
 次のコムちゃん。
 あれ? なんか変。
 なんか……コムちゃん、こっち見てる。こっち……てゆーか、目が、合ってる??
 コム姫が、わたしを見ている?!
 おろおろおろ。な、なんでこんな?

 カンチガイにしても、華々しすぎるよね?
 立ち見だよ?
 あの巨大な劇場のいちばん端っこで、なんでこんなカンチガイを?

 ええ。
 わたし、立ち見のなかではたぶん、最高峰の場所にいました。

 立ち見ゾーンのなかの最もセンター、そして、左右に人なし、ひとりで悠々。
 わたしの数多い立ち見人生の中でも、最高の環境でしたわ。

 
 ムラでは、立ち見チケットの発売数が半分以下、3分の1近くまで減らされたのね。
 だから立ち見は1列が基本、センター寄りだけ2列って感じになっている。

 ムラの立ち見ゾーンは自由競争、取り合い奪い合い、弱肉強食。
 みんな手すりを求めて飽くなき戦いを繰り広げる。
 わたしは手すりに興味ないんでいつも、のんきに構えていた。だってさ、手すりって低すぎるから、かえって疲れるんだもん。あと20センチ高かったら、楽に立ち見できるんだがなー。

 立ち見ゾーンに、「センター」はない。
 ロープを張って、入れなくしてある。
 立っていいのは、サブセンとサイドだけ。
 だからみんな、サブセンの手すりを求めて戦う。

 わたしはサブセンの壁寄り、通路の真正面が定位置。
 壁にもたれて観劇、目の前は通路だから障害物なし。
 たまに通路に人が立っても(通路に立つのは反則。でもルールを守らない人も多い)、まあ、わたしの身長ならそれほど苦にならない。前へ前へとルール違反してまでやってくる人は、やっぱそれなりに小柄で、そうでもしないと見えない人が多いから、「仕方ないな」とあきらめる。

 さらに楽や初日・新公などを含むイベント時には、センター端にテレビカメラが設置されているので、わたしの定位置からはカメラのモニタが見えてお得。スターさんのアップがオペラグラスを使わなくても、そこに映ってるんだもん。

 本日ももちろん、この定位置を目指して行きました。
 そしたら。

 あれ?
 テレビカメラが、ない。

 カメラはいつものセンター端ではなく、A席を6列ほどつぶして、客席の中に設置されていた。あとは、サブセンター後ろにロープを張って、1台。
 おいおい、そんなことしたら立ち見ゾーンが狭くなってるじゃん……座席だって60席以上潰しているわけだし。
 もったいないことするなあ。

 でも、ふと見れば。

 センターブロックの手すりが、ひとりぶんだけ空いている……。

 通常のイベント公演なら、テレビカメラのいる位置。
 カメラがない今日は、ぽつんと空いてる。

 つーことで、わたしは戦う相手もないまま、あっさりセンターブロックにある唯一の手すりをGETしました。あ、左右対称だから、唯一っていっても、下手上手両方にあるけどさ。

 なんせひとりぶんの空間。
 左右には、誰も立たない。
 わたしひとり。
 センターブロックは立ち入り禁止でロープが張ってあるから誰もいないし、反対側は通路だから立ってはいけないことになってるし。そして今日は、誰もルール違反ナシで立たなかったし。
 立ち見の人数が昔通り200人とかだったら、このひとりぶんスペースにも無理矢理3人とか立つんだけど(カメラのない公演で何度も見たよ、そんな光景)、今はもうそれもないし。

 ものす・げー、快適。
 障害物ナシ、センター、観劇しながらじりじり隣の人と場所のせめぎ合いをしないでイイし、肩も当たらない、肘も当たらない。
 うわー、カメラがなければ、この位置が左右2カ所だけ空くんだー。ラッキィ。

 あんまり快適なんで、オペラグラスもあまり使わず、ほぼナマ目で観劇。
 後ろの下級生見るときだけ使用。
 スターさんはどーせ、テレビカメラがアップで映してくれるからね。オペラグラスで視界を切り取ってしまうより、全体を楽しもう。

 そーやって、のんきにしていたわけだ。

 んで、トップさんのひとりずつ銀橋渡り。
 ふと周囲を見ると、うっわー、立ち見ゾーンほぼ全員がオペラあげてるよ。壮観だー。
 と、ひとりオペラを使わず眺めてみたりして。

 薄暗い中、オペラグラスのレンズがこうずらっと並んでいると(座席とちがって立ち見は肩幅単位でびっしり並んでるわけだから、すごいよ)、『装甲騎兵ボトムズ』のキリコたちみたいやなー、とか、ヲタクな感想を持ちつつ。
 ふと銀橋を渡るコムちゃんに集中すると。

 目が、合う……?

 わわわわわ。うろたえ。

 コム姫、わたしを見てる?!
 とゆー、幸福なカンチガイ。

 立ち見で唯一、ひとりだけで、離れてセンターブロックに立っている。
 そして、オペラグラスなしでのんき。
 しかもセンターブロックの後ろ壁にはスタッフルームの窓が大きく開いていて、そこだけ明るいんだよな。そこに立ってるわたしのシルエットは、舞台からでも見えるんじゃないの……?

 コムちゃんに集中してないって思われた? 今からでもオペラグラスあげるべき??
 なんかいろいろ、考えすぎてぐるぐるする。

 
 ええ。
 カンチガイだと、わかってますよ。

 コムちゃんはたぶん、テレビカメラを見ていたんだと思うわ。センターブロック後方にあるカメラを。

 もしくは、演出家等のスタッフ席を見ていたんだと思う。
 わたしの立っているところ、もろスタッフ席の真後ろだったもん。開演前も後も、中村Bと目ェ合いまくりさ。

 でも、とっさにそこまで気が回らないからさ。

 コム姫が銀橋にいる間中、カンチガイしまくってましたよ!!

 うっきゃ〜〜っ、コムちゃんが、コムちゃんがわたしを見てる〜〜っ。
 どどどどーしよー。て、手を振ってみよーかな……いや、そんなおこがましいっ。どーしよーどーしよー、きゃ〜〜〜っっ。

 …………ア ホ で す が な 。

 
 それにしても、こちらに目線をくれたのはこのときのコム姫だけで、それ以外はありませんでした。
 続くオサ様は見事に陶酔しきってるし。どこ見てんだ、オサちゃん……ああ、自分自身か。

 いやはや、快適だったけど、不思議なトコでテンション上げきって疲れました(笑)。
 他の感想はまたのちほど。


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