えーと、早花まこちゃんはこの4月で研4、23歳くらい? そんな若いお嬢さんが、すけべ野獣モード全開のヒロさんに、後ろから抱きしめられて無理矢理チューされたりして、大丈夫なんだろうか……。人生変わっちゃったりしないだろうか。
 と、オバチャンは余計な心配しちゃいますよ。

 『睡れる月』の話です。

 少年時代の式部卿宮役は、早花まこちゃん。式部卿宮の少年時代っちゅーたらホレ、鬼畜将軍@一樹千尋様がご無体なことをなさってるアレですよ。最初に観たときもアゴが落ちたが、2回目に観たときさらに、落ちたアゴが長くぽかーんとしましたね。
 嫌がる少年を手込めにするシーン。なにもそんなシーン、なくてもいいのに、わざわざ演じてくれるシーン。足の甲にキスをさせたり、抱き寄せたり、つーだけでもびっくらこいてたのに、暗転する前、将軍様ってばチューしてますよ!! 暗転の間際、見えるか見えないかのタイミングで! 力尽くですよ!! キャーっ。

 野獣モードの一樹千尋様……どきどきどきどき。ときめきときめき。

 そのトンデモシーンの前景では、立派な美青年となった式部卿宮@かしげが、無駄に艶っぽく悶えてるんですけどね。

 かしちゃんにやほひ的お色気シーンをやられると、みょーに笑えてしまうのは、たぶん彼のセンスが古いためでしょう(笑)。

 かしちゃん的耽美表現って、ジルベール@風と木の詩のかほりがするんだよね。
 昭和時代の、「耽美」。
 現在の感覚でいえば、「お笑い」。
 もう平成になって20年近く経つわけだよ。つーかもう、21世紀なわけだよ。なのにかしちゃんてば、大真面目にジルベールやりだすんだよねえ。恥ずかしいねえ。

 好きだけどな、そーゆーどんくさい持ち味(笑)。

 美貌の使い道がわかってないところが、かっしーのかっしーらしさ。誰かこの人に、正しい美貌の使い方を教えてあげてくださいよ。耽美の演じ方教えてあげてくださいよ。ここまで素材と才能が乖離している人もめずらしい。

 かしちゃんが耽美を演じられるよーになったら無敵だと思うけど、今はまだ、ただの薄い人(いや、髪の毛のことじゃなくて!)。人気のなさが、彼の色気のなさを物語っている、もどかしい人。

 カンチガイ耽美で、腐女子を萎えさせてくれたり、吹き出させてくれたりする、愉快な人。……大好きだ、かっしー(笑)。

 大野せんせーはたぶん、くどくてコテコテの耽美が好きなんだろうな。デコラティブなビロードやレェスの世界ではなくて、螺鈿や蒔絵の世界。そこにはあたりまえに男色も存在しているんだろー。なにしろコテコテだから。
 かっしーは黙って立っている場合だとか、変なことは考えずに真っ正直に演じているときは、姿の美しさゆえに耽美に見えんこともない。だから某タニちゃんよりは、大野世界にハマってると思うよ(笑)。タニちゃんは景気良くぶちこわしていたけど、かっしーは邪魔にはなってないもん。

 さて。
 実際のところ式部卿宮は、かしげ以外の人がやるべきだったんじゃないかと思う。かしげでは、この役を演じきれない。色気と人物の深さが必要だからだ。薄い人にはつとまらんわな。
 スタークラスでいうと、トウコが演じたら、おそろしーことになっていたと思う。想像しただけでも鼻血吹きそうだ……。あとは、水、あさこ、ゆうひ、ゆみこあたりもいい仕事するだろーなー。
 絶対向かないのが、タニちゃん(笑)。できればきりやんもやめておこう(笑)。いや、きりやんはやればやれると思うけど。

 慟哭芝居がハマる人に、ねっとりいやらしく、フェロモン全開で演じてほしかったなぁ。
 役者さえよければ、『血と砂』系の話だよね、『睡れる月』って。

 ところが。
 肝心の汚れ役、式部卿宮が薄く美しいかしげ。
 おかげでねっとりこってり慟哭系にはならず、妙に透明な風が吹いている。
 ああ、きれーだなー。かっしーの周りだけ、クリスタルな光があふれてるよ。変だなあ、闇と金銀の蒔絵の世界だったはずなのに。かしちゃんだけブリリアント。

 本来の色とはちがう芝居になっている、と、わたしは思う。

 それを、惜しいと思うんだ。わたしは暗いもの、痛いものが大好きだから。
 闇の部分を刺激するエロスが好きだから。

 式部卿宮の役者がちがったら、『睡れる月』はどれほどわたし的名作になっただろう……!!
 惜しい。惜しいぞっ。
 真の耽美は、闇と泥の中にこそあるんだ。人間の心の毒の中にあるんだ。
 式部卿宮が、かしげでなければ……っ。

 と。
 ここまで言っておきながら、ここで叫ばせてください。

 式部卿宮@かしげが、好きだぁぁぁあっ!!

 作品の可能性や、本来の姿をぶちこわしているのはかしげだと思う。
 思うけど、そんなかっしーが愛しい。

 わたしが魂から求める、そんな物語になったかもしれない、その片鱗が見える『睡れる月』は、かしげによって別のモノにされてしまってるんだが、その「別のモノ」っぷりもね、なんか好きなの。
 コレはコレでいっか。
 脚本段階、作者のイメージの中での『睡れる月』は別物だったかもしれないけど、今、ここでこうして板に乗っている『睡れる月』も、それはそれで味のある物語だと思うの。

 好きだから、いいや。
 おもしろいから、いいや。

 かしげの演じる式部卿宮も、アリだと思う。
 みょーな悶え方されて見ている方が恥ずかしくなったりもするけど、いいや(笑)。

 なんつっても、式部卿宮ってば、ヘタレ男好きには、堪りませんよ!!

 そしてかしげってば、ヘタレ男を演じるとなんとも奇妙な味を出してくれる、タカラヅカ一の「美貌のヘタレ男達人」!! ヘタレを演じれば右に出るものナシ!!
 ヘタレ・オブ・ヘタレ!

 そんな究極のヘタレ・マスターの演じる、究極のヘタレ美形悪役が式部卿宮ですよ?

 惚れないわけがないじゃないですか!!

 うおおお、式部卿宮@かっしーが好きだー。だー。だー。

 この男を泣かせたくて泣かせたくて、うずうずしてます。
 ヘタレ男なんざ、泣いてナンボっすよ!!
 這いつくばって泣き濡れるといいんだわっ。

 おかげで、最初に観たときからアタマの中に、義教様@ヒロさんと式部卿宮@かっしーで、あーんなことやこーんなことが、駆けめぐってます。
 やばいっす。
 なにしろ式部卿宮は、「将軍家(義教@ヒロさん)のおもちゃ」だそうですから。実際に舞台でそう表現されてますから。
 おもちゃか……おもちゃなー……大変だなー……モヤモヤモヤモヤ。

 清純派腐女子(って、どんなんや)のはずのこのわたしが、エロ街道に堕ちそうな勢いで、式部卿宮が愛しいです。

 
 ああそして、鼻息荒く書いてたら、もう文字数がない……。


コメント

日記内を検索