お願いします。
 無意味なカーテンコールはやめてください。

 前回の宙組新公でカーテンコールがなくてほっとしていたのに、今回の月組新公ではあった。

 しかも、タイミングからいって最初から予定されていたんじゃないかと思う。

 カーテンコールってのはふつー、拍手が鳴りやまないから再び幕を開けるものでしょう?

 拍手ははじめからほとんどなかったし、そのわずかなものさえ消えかけてるのに、幕が上がったんだよ。

 公演が終わって、あまりの拍手の少なさと、観客が早々に席を立って帰路につくのを見て、ほっとしたんだ。ああこれなら、カーテンコールはありえないな、よかったよかった、と。
 ただ、一部の人たちだけが、ささやかに拍手を続けていた。固まって坐っているらしく、一部の方向からしか聞こえない拍手だ。それも遠慮がちというか、「ものすごくよかったっ、興奮が止まらないっ」て感じじゃなくて、なんかおどおどと小さな音が小さくまとまって聞こえている。
 ああ、FCの人か、大変だな。こんな雰囲気の中でも、がんばって拍手を続けなきゃならないんだ……と、同情したさ。

 そしたら幕、開くんだもの。
 びっくりしたよ。

 舞台には、ちゃんと並んだままの出演者たち。
 幕が下りたからこれで終わった、感激を分かち合っていました、てなふうもなく、整然と並んでいる。
 思いがけないカーテンコールの場合、幕が開いてからわたわたと一列に並んだりするんだよね。まさかまた幕が開くとは思ってないわけだから、それぞれ袖に戻っていたりしてさ。

 そっか……カーテンコールやるって、プログラムのうちだったんだな。
 出演者たちはそれを知っているから、ちゃんと並んだまま待っていたんだ。
 でも拍手が消えそうになったもんだから、あわてて開けたのね。予定を消化するために。

 
 宙組新公はカーテンコールがなかった。予定されていなかったから、ほんとうに拍手が鳴りやまなくならない限りは、なかったんだろう。

 じゃあどうして月組新公は、予定されていたの? 『エリザベート』だから? わけわかんねえ。

 
 お願いします、無意味なカーテンコールはやめてください。

 ほんとうに素晴らしいものを観たら、いくらでも拍手します。
 感動したら、それを表現しますから。てゆーか、頼まれなくても拍手しちゃうよ。スタオベでもなんでもやりますから。

 だからどうか、それに値しないものに対して、強要するのだけはやめてください。

 カーテンコールが「お約束」になっちゃったら、ほんとうに感動したとき、どうすればいいの。
 ライヴであることに、誇りを持ってください。
 観客は、舞台を映す鏡です。
 映画でなくテレビでなく、ナマである誇りを。

 頼むよ……涙。

 今回のカーテンコールは、すごく感じ悪かった……。
 FCの拍手合戦、カーテンコール合戦も好きじゃないけど、そのFCの拍手すらかなしいほど少なかったのに、それでも幕を開ける「プログラム」のひとつであったということが丸わかりで、さらにものがなしい。

 『エリザベート』でさえあれば、観客は涙を流して大絶賛すると思ってたのかな。カーテンコールやスタオベが起こってあたりまえだと? だから最初から、オケやスタッフにも「カーテンコールやります」って通達してあったのかな。

 その傲慢ぶりが虚しい。
 最近の劇団のカンチガイぶりを如実に表している気がして。

 出演者はがんばってたよ。
 でもそれは『エリザベート』が特別なわけじゃない。
 どんな駄作だって、出演者はがんばっているさ。それが新公だ。

 なのに『エリザベート』だから「ありがたがれ」ってか。やれやれ。

 
 さて、その新公『エリザベート』、フジコちゃんの話しときましょー。

 本公演でフジコちゃんがどーして黒天使じゃないの、と思っていたら、新公で黒天使でした。
 しかも、マデレーネ。
 びっくりだ。そんな配役だったのか(ちょっとは勉強してから観ましょう)。

 マデレーネ、こわっ。

 皇帝陛下、そんな女に誘惑されるなんて、マニアック過ぎます。

 と、思うくらいには、こわいマデレーネだったな……(笑)。

 動きはきれいなんだが、いかんせんカオとスタイルが……ゲフンゲフン。

 黒天使でオトコマエに踊ってくれているときの方がかっこいい。
 ああフジコちゃん、あと10cm背が高かったらなあ。イカス男役になれていただろうに。もしくは二回りくらい、カオが小さかったらなあ。美しい娘役になれていただろうに。

 今のフジコちゃんのイロモノぶりも、好きなんだけどな。

 そーいやマダム・ヴォルフのコレクション、ついつい「新公のタチアナは誰かしら」と思って視線をそちらへ向けてみたら(マデレーネ見るのに忙しくて、あとはあまり見ていないのだ)。

「タチアナはダイナマァイト☆」
 という歌でポーズをキメているのが、美夢ひまりちゃんで、ぎゃふんなキモチに。

 た、たしかにダイナマイトだ。ある意味で、これ以上なく。

 ……ほんとに、何年経っても痩せないね、ひまりちゃん……。ころころしててかわいいけどな(笑)。

 麻月れんかくんは黒天使で、さりげなくいいカオで踊っていた……ああ、やっぱあのカオ好みだー。


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