さて、1週間ぶりだぞ、星組中日公演『王家に捧ぐ歌』
 本日は4列目サブセン。感情移入度がチガウので、前方席は大好きです。
 サバキで11列目をGETしたkineさんが、「みらんくんに目線もらった♪」とよろこんでいるにも関わらず、わたしは誰の目線もいただけませんでした。
 唯一、目線をもらえたのは。

「鳩ちゃんだったわ」

 と言ったら、kineさんに大ウケされちゃいましたよ。ふっ。

 鳩withアモナスロ@3度目の銅鑼のシーンにて、アモナスロがずーっと目の前なんだもんよ。アモちゃんはイッちゃってるから、もちろん客席なんか見ない。
 彼の手の中の鳩ちゃんだけが、ずーっと同じ角度で、わたしを見ている。
 うおーっ、鳩ちゃんと目ェ合ってるよオレ!! うろたえ。
 鳩ちゃん、瞳つぶらだよ! 顔の両側に、微妙に目飛び出てるよ。かわいい、けど、じっと見てるとやっぱキモいかも……。
 てゆーかわたし、鳩見てる場合じゃないから!!

 なにやってんでしょうねえ。せっかくの最後の前方席で、鳩ちゃんと見つめ合わなくても。

 
 『王家』のすごいところは、「作品に力がある」ことだと思う。
 何度観ても、おもしろい。何度観ても、感動する。
 心が動くところは毎回変わる。毎回、なにかしら発見がある。

 ああ、ほんとうに、この作品が好きだ。

 出会えて良かった。好きで良かった。
 

 作品語りは昔飽きるほどしたから、置くとして。

 今回の再演を観ながら、わたしが痛烈に欲していたのは、「ウバルド」じゃない。わたしが愛したウバルドはもういないけど、中日ウバルドもアレはアレでアリだと思っている。再演に似合った男だと思っている。
 だから、ウバルドのことはいいんだ。

 わたしがどーしよもなく恋しかったのは、サウフェ@すずみんだ。

 うおー。
 わたしほんとに、サウフェ好きだったんだ……。
 いちばん萌えたキャラだって、そーいやここでも書いてたよなあ。

 サウフェが好き。
 あの弱くてやさしい男。
 凶器を握った羊。
 狂気におびえる復讐鬼。

 サウフェに会いたい。

 弱く優しい青年が、憎しみに壊れていく姿。
 テロリストとなって破滅する姿。

 いつも、おびえた目をしている。
 剣を握ってさえ。
 なにかあったとき、彼の顔に浮かぶのは「かなしみ」だ。怒りではない。
 理不尽な暴力にも差別にも、彼はまず悲しむ。大地に膝をつく。
 そして、半べそをかきながら、おびえた目で剣を握る。
 ふるえる手。牙を持たない草食動物。だからこそ。
 傷ついた羊はやがて、狂気をやどす。

 まだ彼が無垢だったころ。
 憎しみも復讐も知らなかったころ。
 豊かな自然に恵まれたエチオピアの王都で、彼はきっと幸福に過ごしていたのだろう。
 王女のアイーダ姫を愛しながらも、ただ遠くから見つめるだけで満足していたんだろう。
 ウバルド王子に仕えているわけだから、とーぜん姫とも接点がある。気さくな姫君は、身分を超えてやさしい笑顔や言葉をくれただろう。それだけで、彼は満足していたはずだ。

 なんでウバルドの家臣はカマンテとサウフェだったんだろうね。
 カマンテは、ウバルドのお気に入りだったと思う。ウバルドの荒い性質と通じるモノがあるから。ウバルドより、ずっとクールだけど。
 でもサウフェは? このやさしい泣き虫男を、ウバルドのよーな男が側に置くなんて、おかしな話。
 おかしいからこそ……萌えるわ(笑)。
 だってウバルド、サウフェのことなにかと気遣ってたよねえ? なにしろすぐヘタレるから。
 泣き出しそうなところを、ウバちゃんに肩叩いてもらったりさ。王子に気遣わせるなんて、サウフェ何者?って感じよ(笑)。
 サウフェはたぶんあたりまえに、「弱いモノ」認定で、ウバルドの懐にいたんだと思う。ウバにーちゃん蛮人だけど(王子なのに……)、兄貴肌っていうか、舎弟はオレが守る、だからお前ら黙ってオレについてこい! な人だから。

 いっそ幼なじみ説希望。
 ガキのころから一緒に遊んでいたなら、ヘタレだろーとなんだろーと、兄貴肌のウバにーちゃんは「身内」と認識するでしょう。サウフェも、乱暴なことは苦手だけど、王子にくっついていくでしょう。
 あの3人、やっぱ子どものころからの親友+主従ってのがいいなあ。トシはサウフェがいちばん下ね。
 カマンテは寡黙に激しく「王子ラヴ」で、王子の敵は俺の敵!な迷いのない人生を送る男。
 サウフェがあこがれ、淡い恋心を抱いているのはアイーダ姫@少し年上希望。ウバルドのことは「敬愛する兄」認識。ウバルドはサウフェを、長男が末っ子をかわいがるハートでかわいがっているが、カマンテはけっこー辛辣、次男が年の近い弟をいじる感じで、平気で小突いたり突き放したり。まあどっちにしろ、愛されてます。

 祖国が侵略され、彼らの平和と幸福は地に落ち。
 ウバルドは激しい狂気へ突き進み、カマンテは黙してそれに従う。ウバルドの行くところへ、そこがどこであろうとついていく覚悟。
 サウフェは、あくまでもサウフェ自身の狂気に飲まれていく。やさしくナイーヴな彼は、ふつーの人以上に傷ついたんだろう。踏みにじられる祖国を見て。
 ……いや、その。わたしは、サウフェ自身がエジプト兵に辱められたんだと思ってるけど。ぶっちゃけ、※※されたんじゃないの、と(思わず伏せる・笑)。
 んな目にあったら、そりゃ人生変わるわ、性格変わるわ。恋する姫の前で、復讐を口にするわ。

 サウフェのヘタレ具合と屈折ぶりが、わたしのハートを鷲掴み状態だった。
 ウバルドにもめろめろに恋していたし、エチオピア・トリオはひとりずつキャラが立ちまくっていて、見ていてたのしかった。
 大真面目に、ウバルド×サウフェで物語考えたなあ。カマンテ×ウバルドでもあり、何故かラダメス×サウフェだった(こらこら、暴走しすぎだ、わたしの妄想)。

 だもんで、中日のサウフェ役がしゅんくんだと知ったときは、うろたえたね。
 サウフェ@しゅんくんだと? それって犯罪じゃん!! と。いやその、わたしの中では、サウフェってのはエジプト兵に※※されちゃう役だから。しゅんくんみたいな美少年じゃ、やばいってソレ、シャレになんないっ。ロリショタの世界突入じゃん。まずいよ。
 …………おいしいキャスティングだわ…………。

 なんて 期待 心配をしていただけに。
 びっくりだった。
 中日のサウフェを見て。

 サウフェじゃない。

 サウフェじゃなくてもいいよ、アレ。
 カマンテでもいいし、ウバルドでもいい。そんなサウフェだった。

 ソレって、サウフェの意味ないんじゃ……? しょぼん。

 続く


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