「タック 立樹遥」で検索してきた人が、もれなく1月6日の日記にしか辿り着かない現実に、ちとヘコみつつ。

 『タック』の感想は、公演初日の日付の日記ですから!
 当然でしょう、ファンなんだから! 初日ですよ、初日!!
 1月6日なんて、ぜんぜん関係ない日をわざわざ読みに来なくてもいいじゃないですかっ。クリックする前に気づこうよ。

 せっかく「タック 立樹遥」でやって来てくれた人が目にするのが、「しいちゃん受語り」の1月6日日記だなんて……涙。

 
 まあそれはともかく、現在の緑野姉弟の共通言語はもちろん『バイオハザード4』ですよ!!

 1月27日、友人のリンコさんとごはん食べてお茶して夜中に帰宅したら、弟がキューブとソフト抱えて待ってましたよ。

 『バイオハザード』シリーズ最新作!
 やっぱり発売日に買ってきたか、弟よ。

 つーことで、姉弟そろってプレイ開始。
 以来、ふたりの共通言語は『バイオ4』。その話ばっかしてる。

 えっ、『ドラクエ8』ですか?

 どうも、緑野姉弟は『ドラクエ』にはあまり向いていないらしい。
 発売日から世間の波に乗ってプレイしはじめたはいいが、ちっとも共通言語にならない。
 話してもたのしくないし、大体、話したいと思わないんだ。
 進捗状況を報告し合うくらいで、盛り上がらないったら。

 『ドラクエ』が売れる現代社会を溜息まじりに語ったりはしたか。『ポケモン』が売れる現代社会を溜息まじりに語るよーに。

 『ドラクエ』は、わたしが『サイレントヒル4』を買ってきたその日に息絶えた。

 姉弟そろって『ドラクエ』投げ出し、『静岡4』に夢中(笑)。

 『バイオ4』ははじめたばかりなんで、話はまた今度。
 今日は『サイレントヒル4』の話。

 
 おもしろかったよ、『静岡4』。

 世間の評価は知らない。
 わたしたち姉弟の感想。

 今までの『静岡』シリーズの中で、いちばんおもしろかった。

 どれくらいおもしろいかって言ったら、『静岡』じゃなくてもいいくらいだ(笑)。

 つまり、別モノだったわけだな。ははは。
 『静岡4』というより、『静岡・番外編』って感じだった。

 
 『静岡』シリーズは、誠意のないゲームだ。
 制作姿勢がね。なんか、そんな感じ。
 やりたいことだけ、たのしいことだけてきとーにやって、しんどいことめんどーなことは、「ホラーなんだから、いいでしょ」で全部カタを着けている感じ。
 世界観を愛しているから、ファンであることはたしかだけど、投げやりな風味に引っかかるものがあった。ずっと。

 ところが『4』ではじめて、「やりたいこと、たのしいこと」を真面目に表現しているよう思えた。
 演出がいいのよー。現実と非現実の肌触りがいいのー。

 好みに合った、ってことだと思う。

 『静岡4』のサブタイトルは、『THE ROOM』。
 いまいち情緒に欠ける男ヘンリー(主人公。ちょい若めのおっさん)は、アパートの自分の部屋から出られなくなっていた。
 玄関ドアはありえねーくらい完璧に板や錠前で封鎖され、なにをしても外には出られないし、聞こえないらしい。
 窓の外にはふつーの現実社会が平和に営まれているのが見えるし、玄関ドアののぞき窓からは、廊下の様子が見える。
 部屋の外は、日常。あたりまえの世界。
 しかしヘンリーの部屋の中だけが、異世界と陸続きになってしまったんだ……。

 部屋の外にあったりまえにひろがっている「ふつーの世界」と、ヘンリーの対峙している「とんでもねー世界」の対比が気持ちいい。
 理不尽で、こわくて。

 「日常」に対しての「非日常」であるはずのヘンリーの「部屋」が、悪夢世界と行き来することによって、プレイヤーにとっての「安全地帯」という位置づけになるのがいい。
 「部屋」に帰るとほっとする。
 ああ、安全な我が家に帰ってきた。
 母の子宮へ還ってきた。
 そんな、安心感。

 そんなはずないのにね。
 ヘンリーは「部屋」に閉じこめられていて、すべての怪異の源はこの「部屋」であるはずなのに。
 意識の逆転。
 問題の根源を、取り違えてしまう。

 ところがゲームが進むにつれ、安全地帯であった、母の子宮であったはずの「部屋」が闇に侵されはじめる。
 「部屋」はいちばんこわい場所になる……。

 はじめわたしは、「なんでサブタイトル『ROOM』なのかなあ。『HOLE』の方がいいんじゃあ?」と思っていた。
 安全な「部屋」と危険な悪夢界をつなぐのが「穴」だから。
 部屋を浸食していく「穴」の存在は不気味で、印象が強い。

 でも、中盤を過ぎるころには納得したよ。
 たしかにこのゲームは、『ROOM』だ。『ROOM』というタイトルでなければならない。
 と、心から思った。

 
 あー、それにしても、「部屋」の設定が好きだ……。アイディア一本勝ちだよね。この「部屋」に惚れられるかどうかで、評価が分かれそうだ(笑)。

 ハリーは視野針の先男だったし、ジェイムズは自己中迷惑男だったし、マリアはキ*ガイだった。名前もう忘れちゃった『3』のヒロインは、人の話をまったく聞かない、ハリーそっくりの娘だったし。(あれ? わたし、『3』プレイしたこと、日記に書いたっけ? 書いてないよーな気もする。おもしろくなかったから、書くまでもないっちゅーか)
 ろくな主人公がいない『静岡』シリーズ。

 『4』の主人公ヘンリーは、情緒ナッシング男でした。

 笑えるほど、無味無臭。乾ききった干しわかめのよーな男。
 プレイヤーの視点だからニュートラルなキャラにしようとしたのかもしれないが、ちゃんと顔と名前があって動いて喋ってるんだから、人格ナシはまずいよ。ありえないよ。
 とんでもねーことに巻き込まれているのに、あの冷静さ。……てゆーか、無感動さ。
 笑えるって。

 アイテム所持の不親切さや、同じマップ使い回しなんか、ぜんぜん平気。
 『クーロンズ・ゲート』や『SIREN』に比べれば、そんなの不親切な部類に入らないって!(笑)

 ストーリーがどうこうよりも、やはり「部屋」だなあ。
 あの「異世界/現実」のぞわりとした肌触りを味わえただけで、わたしには意味のある一本だった。

 ヘンリーの無機質っぷりも、かえっていろいろ想像できて萌えだしなー。ふっふっふっ。

 忘れられない1本になりそうだ。

    

コメント

日記内を検索