前の欄からの続きっす!

 ケロをとりまくキャラクタ(あくまで「キャラクタ」だからね)のなかで、ゆうひとトウコのちがいは、ケロが退団するとなると「一緒に退団しそう」と思わせるのがゆうひで、「関係なくこれからもがんばりそう」なのがトウコだ。
 実際、9月2日の報を受けてゆうひファンは「うちのご贔屓もやめちゃうんじゃ?!」とうろたえたらしいが、トウコファンでそんなことを思う人はなかっただろう。
 ゆうひとトウコのキャラの差、ケロとの関係の差は、とても愉快だ。

 ケロがいようといまいと、トウコの人生は変わらない。
 下僕をひとり失ったところで、英雄の歩む輝かしくも苦難に満ちた道程になんの変化もないんだ。

 物語としてのトウコ王子はあくまでも主役、ケロ騎士は脇役のひとりだ。
 覇道を行く彼と、それを支える彼。
 ふたりの役割は、きれいに分担されていた。

 ケロの星組への異動が決まったとき、誰もが思ったことだろう、「トウコちゃんを支えるのね」−−劇団もファンも、ケロの力を認識していた。

 もちろんわたしは痛いまでのケロファンなので、ケロちゃんが真ん中でトップスターやっててくれても、ぜんぜんよかったけどな。
 今からでも、やってくれてぜんぜんかまわないんですけど。通いますともさ。

 でもまあ、世間の認識としては、ケロは別格スターであり、脇の人だったろうよ。

 トップスターになったトウコの横には、ケロがいる。雪組時代から漠然と、されどあたりまえに、思っていたよ。
 新人公演がそうであったように。
 伝説の新公、雪組『エリザベート』トート@トウコ、フランツ@ケロ−−あの姿なんか見ちゃうとな。「ああ、未来はこーゆー布陣なんだな」って思うだろうさ。

 ケロちゃんだって、うれしそーにたのしそーに、真ん中に立つトウコを見つめていたじゃん。

 そりゃトウコだって、その気になるだろーさ。
 自分を支えてくれる親友としてのケロを、期待するだろーよ。

 能力は高く、王の器であるにもかかわらず、その道は苦難困難のオンパレード、がんばれトウコ王子!!

 てなふーに、ここまでやってきて。

 
 まさか、ケロが先にいなくなるなんて。

 
 トウコを支え、共に行くか、あるいは見送る人だと思っていたよ。
 それくらいの覚悟をして、トウコの横にいるんだと思っていた。

 見送られるより、見送る方がつらいもの。
 それをわかったうえで、あえて「見送る」ことを選ぶ人だと思っていた。

 あれほど長々と恥ずかしげもなく愛していたのに、最後の最後でトウコちゃんを置いていくのは、ものすげー裏切りだと思う。
 トウコ王子とケロ騎士として。
 王子の苦難に満ちた覇道はまだ途中。
 なのになのに、ケロ騎士は王子を置いていくの?

 まったく。最後の最後に、王子を裏切るか。置き去りにするか。それって、すげー萌えだ(笑)。

 えー、「キャラクタ」としての話なんで、現実とは分けて考えてね。裏切り云々を生のケロトウで考えないでね。独立した大人が、自分の人生を自分で決めることに裏切りもなにもありませんて。
 ただ。
 「物語」としては完璧だよ、汐美さん。このピリオドの打ち方は、すばらしいっす(笑)。
 ケロとトウコで物語を書くなら、かなりドラマチックだよ、この展開。近藤が土方を置いて先に死ぬのがポイント高い@新選組!のと同じですよ!! 

 最高に萌えです、ケロ×トウコ。
 どんなに途中がたのしくても、ラストがプーなら気持ちがしぼむものですが、このラストはすばらしいです。

 盟友を失い、王子は心に傷を抱えたまま、それでも覇道を進むのですよ。
 キルヒアイスを失ったラインハルトみたいなもんですな。いや、ケロトウで観たいけどな、『銀英伝』(笑)。
 アンドレを失ってなお、オスカルは戦場に立つのですよ。

 トウコちゃんは、痛々しい方が萌えます。
 
 
 ……なーんてことを、漠然と感じた千秋楽でした。
 いやほんと、萌えはどうあれ、いい千秋楽でした。
 ケロちゃんが、トウコちゃんが、他のすべての人たちが、みなしあわせであれ、心やすらかであれと願っていますとも。

 
 ここまで語ったあとで言うのもなんですが。
 じつはわたし、ケロゆひな人です(笑)。

           

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