あの熱をおぼえている。@花舞う長安/ドルチェ・ヴィータ!
2004年12月16日 タカラヅカ 二重写しの夢を見ている、気がする。
東宝公演を観ていると、せつない気持ちでいっぱいになる。
ねえ、これはなに?
わたしが観ていたものと、同じもの?
『花舞う長安』にしろ『ドルチェ・ヴィータ!』にしろ、あまりにムラ公演と別物なんだ。
演出が変わったわけではないんだが。
温度がチガウんだもんよ。
たとえば『花舞う長安』。
陳玄礼は玄宗を愛していた。これでもかってくらい、愛しすぎていた。勝手に台詞作りまくって、盛大に暴走していた。
玄宗はひどい奴で、身勝手自己中極まりないんだけど、それでも陳玄礼はたのしそーにうれしそーに周囲なんかなにも目に入らず、玄宗だけを愛しきっていた。
玄宗に責められると、見ているこっちが「痛っ」と思うくらい、傷ついていた。
たとえばセレブSと航海士。航海士はセレブSを熱愛し、セレブSは気まぐれにそれに応えていた。ラヴラヴなふたり。「こいつら、いったいどういう関係? 裏にどんな物語がっ?!」と思わせるホモっぷり。
たとえば雷のシーン。さんざんラヴっていたセレブSと航海士は、二人の物語の続きとして、あたりまえのよーにふたりで腕を絡めて走り去る。
愛に満ちた男たち。
たとえばディアボロに狙われた第二の男。白いスーツの第二の男は、最初から「ディアボロ・ラヴ」と顔にくっきり書いて、自分からうれしそーにその手を取る。ご機嫌に白い歯を見せまくって踊り、ディアボロに笑いかけたり投げキスしたりと バカ ……ラヴ全開。作品をぶち壊すハッピーエンド。
ねえあれは幻?
もう2度と見られないの?
なまじ同じ作品だから、せつない。
あの温度はなんだったの。
たしかに、作品としてはまちがっていた。正しいのは、クオリティが高いのは、東宝公演の方。
わかっているけど、さみしい。
まちがっていても、バカみたいでも。
ムラの方が、好きだった。
愛に壊れていて。
やたら温度が高くて。
やたら密度が濃くて。
ウエットで感情的でむきだしにバカで。
これがゆるされてしまう「タカラヅカ」という世界が好きだった。
ムラ楽なんて、一種別空間だったからなあ。
ディアボロ@トウコちゃんなんか、熱を通り越して壮絶って感じだったし。
あのテンションを平常公演で期待する方が悪いんだろうけど、やっぱ、比べてしまうからなあ。
あれらの熱は、本拠地宝塚の持つ力なのかもしれない、とも思う。
ケロ茶もそうだったけど、ムラでの濃度が東京ではまったくなかった。
ひょっとしたら、東宝楽も、ムラ楽よりあっさりしてしまうのかもしれない。
クライマックスがムラ楽で、東宝楽はエピローグになってしまうのかもしれない。
そのことは、覚悟しておくべきだなと思った。
もちろん、ほんとに最後の最後の東宝楽こそ、いちばんの熱さと濃さを期待したいのだけど。……期待しすぎでスベって、消化不良になってもこまるので(笑)。
二重写しの夢。
わたしは、あの熱をおぼえている。
淡々と端正なんて、つまんないなあ……と思ってしまうよ。
折り返し地点だから、これからまた熱くコワレていくのかもしれないけど。
☆
ところでわたくし、はじめて、チケットを紛失しました。
今までお忘れ券で劇場に入ったことは何度かありますが、それは全部「はじめからお忘れ券で入場予定」だったものばかりです。つまり、ぎりぎりになってひとから譲ってもらうばかりだったのね。
自分で、ほんとーになくしたのは、はじめて。
しかも、1列目ですがな。
どーしてなくすかなー。うれしくて何度も眺めていたせいだな。譲っていただいた方の封筒ごとなくなってるわ。
今までになく、待たされたました、劇場入口で。
開演に間に合わないかもしれない、と、係のおねーさんに説明は受けていたけど……ほんとーにはじまるまで入れてくれなかった。
今までのお忘れ券経験では、最悪でも5分前には入れてくれたんだけどなー。今回は開演までストップかぁ。
まあ、芝居がアレなんで、正直自分が遅れて観られない分にはぜんぜんかまわなかったんだけど。周囲の人への迷惑を考えると憂鬱だった。
そういやわたし、ムラでも2列目のときに遅れて行ったなあ。でもあれはゆうひバウの並びやってたからなあ。『長安』2列目とゆうひくんなら、ゆうひくん優先してもしょーがないよなあ。『ドルチェ・ヴィータ!』さえちゃんと観られればいいわけなんだし。
お忘れ券を発行してもらい、「お手数をおかけしました」と係のおねーさんに一礼するなり、走りましたよ、客席まで。
舞台ではナマズ髭皇帝と年齢不詳の恰幅のいいおじさんが喋っているところ。はっきりいって、ふつーの場面よりずっと暗い。目が慣れていないわたしには、客席は暗闇にしか見えない。
目が慣れるまで隅っこで立っていたかったけれど、そうもいかず。案内係のおにーさんが先に歩き出してしまう。いくら足元を小さなライトで照らしてくれても、なにも見えてない。
自分の座席がどこかはわかったけど、「椅子」がどこにあるか見えない。まいったねえ。後方座席ならライトがあちこちにあるけど、前方は舞台の邪魔になるからか設置してないもんなあ。ほんとになにも見えなかった。
そこが自分の席だとわかっても、椅子が見えないと、坐ることができないのよ……椅子って坐ってないときは折りたたまれているでしょ、自動的に。折りたたまれた座席部分がどこかわからず、席の前でじたばたしちゃったよ……。
教訓。
チケットは、なくさないようにしましょう。
ひとに迷惑かけちゃいけませんて。
東宝公演を観ていると、せつない気持ちでいっぱいになる。
ねえ、これはなに?
わたしが観ていたものと、同じもの?
『花舞う長安』にしろ『ドルチェ・ヴィータ!』にしろ、あまりにムラ公演と別物なんだ。
演出が変わったわけではないんだが。
温度がチガウんだもんよ。
たとえば『花舞う長安』。
陳玄礼は玄宗を愛していた。これでもかってくらい、愛しすぎていた。勝手に台詞作りまくって、盛大に暴走していた。
玄宗はひどい奴で、身勝手自己中極まりないんだけど、それでも陳玄礼はたのしそーにうれしそーに周囲なんかなにも目に入らず、玄宗だけを愛しきっていた。
玄宗に責められると、見ているこっちが「痛っ」と思うくらい、傷ついていた。
たとえばセレブSと航海士。航海士はセレブSを熱愛し、セレブSは気まぐれにそれに応えていた。ラヴラヴなふたり。「こいつら、いったいどういう関係? 裏にどんな物語がっ?!」と思わせるホモっぷり。
たとえば雷のシーン。さんざんラヴっていたセレブSと航海士は、二人の物語の続きとして、あたりまえのよーにふたりで腕を絡めて走り去る。
愛に満ちた男たち。
たとえばディアボロに狙われた第二の男。白いスーツの第二の男は、最初から「ディアボロ・ラヴ」と顔にくっきり書いて、自分からうれしそーにその手を取る。ご機嫌に白い歯を見せまくって踊り、ディアボロに笑いかけたり投げキスしたりと
ねえあれは幻?
もう2度と見られないの?
なまじ同じ作品だから、せつない。
あの温度はなんだったの。
たしかに、作品としてはまちがっていた。正しいのは、クオリティが高いのは、東宝公演の方。
わかっているけど、さみしい。
まちがっていても、バカみたいでも。
ムラの方が、好きだった。
愛に壊れていて。
やたら温度が高くて。
やたら密度が濃くて。
ウエットで感情的でむきだしにバカで。
これがゆるされてしまう「タカラヅカ」という世界が好きだった。
ムラ楽なんて、一種別空間だったからなあ。
ディアボロ@トウコちゃんなんか、熱を通り越して壮絶って感じだったし。
あのテンションを平常公演で期待する方が悪いんだろうけど、やっぱ、比べてしまうからなあ。
あれらの熱は、本拠地宝塚の持つ力なのかもしれない、とも思う。
ケロ茶もそうだったけど、ムラでの濃度が東京ではまったくなかった。
ひょっとしたら、東宝楽も、ムラ楽よりあっさりしてしまうのかもしれない。
クライマックスがムラ楽で、東宝楽はエピローグになってしまうのかもしれない。
そのことは、覚悟しておくべきだなと思った。
もちろん、ほんとに最後の最後の東宝楽こそ、いちばんの熱さと濃さを期待したいのだけど。……期待しすぎでスベって、消化不良になってもこまるので(笑)。
二重写しの夢。
わたしは、あの熱をおぼえている。
淡々と端正なんて、つまんないなあ……と思ってしまうよ。
折り返し地点だから、これからまた熱くコワレていくのかもしれないけど。
☆
ところでわたくし、はじめて、チケットを紛失しました。
今までお忘れ券で劇場に入ったことは何度かありますが、それは全部「はじめからお忘れ券で入場予定」だったものばかりです。つまり、ぎりぎりになってひとから譲ってもらうばかりだったのね。
自分で、ほんとーになくしたのは、はじめて。
しかも、1列目ですがな。
どーしてなくすかなー。うれしくて何度も眺めていたせいだな。譲っていただいた方の封筒ごとなくなってるわ。
今までになく、待たされたました、劇場入口で。
開演に間に合わないかもしれない、と、係のおねーさんに説明は受けていたけど……ほんとーにはじまるまで入れてくれなかった。
今までのお忘れ券経験では、最悪でも5分前には入れてくれたんだけどなー。今回は開演までストップかぁ。
まあ、芝居がアレなんで、正直自分が遅れて観られない分にはぜんぜんかまわなかったんだけど。周囲の人への迷惑を考えると憂鬱だった。
そういやわたし、ムラでも2列目のときに遅れて行ったなあ。でもあれはゆうひバウの並びやってたからなあ。『長安』2列目とゆうひくんなら、ゆうひくん優先してもしょーがないよなあ。『ドルチェ・ヴィータ!』さえちゃんと観られればいいわけなんだし。
お忘れ券を発行してもらい、「お手数をおかけしました」と係のおねーさんに一礼するなり、走りましたよ、客席まで。
舞台ではナマズ髭皇帝と年齢不詳の恰幅のいいおじさんが喋っているところ。はっきりいって、ふつーの場面よりずっと暗い。目が慣れていないわたしには、客席は暗闇にしか見えない。
目が慣れるまで隅っこで立っていたかったけれど、そうもいかず。案内係のおにーさんが先に歩き出してしまう。いくら足元を小さなライトで照らしてくれても、なにも見えてない。
自分の座席がどこかはわかったけど、「椅子」がどこにあるか見えない。まいったねえ。後方座席ならライトがあちこちにあるけど、前方は舞台の邪魔になるからか設置してないもんなあ。ほんとになにも見えなかった。
そこが自分の席だとわかっても、椅子が見えないと、坐ることができないのよ……椅子って坐ってないときは折りたたまれているでしょ、自動的に。折りたたまれた座席部分がどこかわからず、席の前でじたばたしちゃったよ……。
教訓。
チケットは、なくさないようにしましょう。
ひとに迷惑かけちゃいけませんて。
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