陸続きの楽園。@ドルチェ・ヴィータ!
2004年12月15日 タカラヅカ つながっていた。
サテリコンのときに、痛烈に感じた。
舞台と、わたし。
どういえばいいんだろう。
わたしのいたところから、舞台があまりにも「直線」に見えた。
ちがうな。
ケロちゃんに「直線」だった。
コーザノストラKの足元から道がのびていて、わたしにつながっていた。
あの青い世界からリボンのような絨毯がのびて、わたしの足元につながっていた。
招かれていた。
えーと、なんだな。
めずらしく東宝で最前列に坐れたんだわ。
そのときの感想。
つってもSSじゃないよ。所詮S席。上手の真ん中あたり。
前に誰もいないから、舞台がとても近かった。
邪魔がなにもなかった。
……というだけのことなのか?
なんかわたし、あまりにもトリップしまくったんですけど。
今までだって、最前列に坐ったことはあった。ムラなら運が良ければ1公演1回は、端とはいえ最前列に坐れる。
前に誰もいないとか舞台に近いからとか、そんな理由なんだろうか、アレは。
最前列だから、ではないのかもしれない。
他の公演では、ありえなかった。
わたしは、あの場所にいた。
『ドルチェ・ヴィータ!』、もうひとつの花市場、サテリコン。
舞台があまりに近いことに、おどろいた。水滴に映った世界が盛り上がって見えるよーに、コーザノストラのいる裏社会がわたしに近づいた。
そう、向こうから近づいてきたの。わたしはぼーっと座席にいた。世界が膨らみ、盛り上がり、わたしのいる場所まで飲み込んだ。波がなにもかもさらっていくように。
さらわれたわたしは、あの場所にいた。
コーザノストラのいる世界。
あのひとのいる世界。
あの奔流のなかに、いた。
だから。
こんなにも、平衡感覚があやしい。
回る舞台、回る人々。わたしがあそこにいるなら、あのひとと同じ世界に生きているなら。
べつの地球に立っているなら、きっとこんな感じ。
わたしはわたしの生まれ育った世界を離れ、生きてきた現実を捨てて、そこにいる。あのひとのいるところにいる。
うまく立てないのは、呼吸ができないのは、ここが異世界だから。
陸に上がった人魚姫が、はじめて二本の脚で立っているように。
すぐそば、体温の感じられる場所、息づかいのわかる距離で、わたしは彼らを見つめていた。
惑乱のなかで。
わたしはたったひとりをさがす。
見つめる。
彼がわたしの錨、彼がわたしの灯台。
おぼれないために。
うしなわないために。
わたしは彼を見つめる。
彼がいるから、わたしはわたしでいられる。
直線。
あのひと。
たしかにわたしはここにいるのに、世界はわたしを包んでいるのに。
ひとりだけにしか、焦点が合わない。
オペラグラスで切り取った視界だから、ひとりしか見えないんじゃなくて。なにもかもここにあるのに、あのひとしか見えない。
直線。最短距離。
他のすべてを無視して、わたしと彼の間に引いた線。わたしと彼を結ぶ、いちばん短い距離。無駄のないまっすぐな線。
そして。
波のように彼は消えていった。
幕が引かれるように、視界が変わった。
その切り替わった視界に。
ドルチェ・ヴィータがいた。
のばした腕。白い指先。
彼女の真後ろに、ディアボロがいた。
のばした腕。白い指先。
直線。
1本のせつないタイトロープのうえに、闇の聖女と水の悪魔がいた。
ドルチェ・ヴィータとディアボロを結ぶ線をのばしても、獲物である男のもとには届かない。男はドルチェ・ヴィータを頂点に二等辺三角形を描く位置にいる。
ドルチェ・ヴィータとディアボロを真正面に見たのは、わたしだ。
彼らの描くまっすぐな線は、そのままわたしに届いた。
まっすぐな道だから。まっすぐな刃だから。
たぶん、歩いていける。わたしはここから、聖女のところへ、悪魔のところへ。
なににも惑わされず、よそ見をせず、たどりつけるよ。
直線だから。
とゆー。
なんか、生まれてはじめての感覚を味わいました。
トリップですな、これは。
あぶないあぶない。
てゆーか、イタいというべき?(笑)
いーのよ、人間なにごとも経験だから!
どんなにイタくても恥ずかしくても、ここは一発経験しておけ!てなもん(笑)。
途中から「やばいぞこれは」と思ったんだけど。
案の定、貧血起こして立てなくなってね(笑)。
なんで貧血起こすのか、わかったわ。
心臓が、血液を循環させる以外にばくばくしすぎるせい。よけいなところでばくばくしすぎてるから、本来の機能である血を送れなくなってるんだわ(笑)。
座席に坐ったまま、異世界体験。わたし、この世界にいなかったから。あの瞬間。
続く
サテリコンのときに、痛烈に感じた。
舞台と、わたし。
どういえばいいんだろう。
わたしのいたところから、舞台があまりにも「直線」に見えた。
ちがうな。
ケロちゃんに「直線」だった。
コーザノストラKの足元から道がのびていて、わたしにつながっていた。
あの青い世界からリボンのような絨毯がのびて、わたしの足元につながっていた。
招かれていた。
えーと、なんだな。
めずらしく東宝で最前列に坐れたんだわ。
そのときの感想。
つってもSSじゃないよ。所詮S席。上手の真ん中あたり。
前に誰もいないから、舞台がとても近かった。
邪魔がなにもなかった。
……というだけのことなのか?
なんかわたし、あまりにもトリップしまくったんですけど。
今までだって、最前列に坐ったことはあった。ムラなら運が良ければ1公演1回は、端とはいえ最前列に坐れる。
前に誰もいないとか舞台に近いからとか、そんな理由なんだろうか、アレは。
最前列だから、ではないのかもしれない。
他の公演では、ありえなかった。
わたしは、あの場所にいた。
『ドルチェ・ヴィータ!』、もうひとつの花市場、サテリコン。
舞台があまりに近いことに、おどろいた。水滴に映った世界が盛り上がって見えるよーに、コーザノストラのいる裏社会がわたしに近づいた。
そう、向こうから近づいてきたの。わたしはぼーっと座席にいた。世界が膨らみ、盛り上がり、わたしのいる場所まで飲み込んだ。波がなにもかもさらっていくように。
さらわれたわたしは、あの場所にいた。
コーザノストラのいる世界。
あのひとのいる世界。
あの奔流のなかに、いた。
だから。
こんなにも、平衡感覚があやしい。
回る舞台、回る人々。わたしがあそこにいるなら、あのひとと同じ世界に生きているなら。
べつの地球に立っているなら、きっとこんな感じ。
わたしはわたしの生まれ育った世界を離れ、生きてきた現実を捨てて、そこにいる。あのひとのいるところにいる。
うまく立てないのは、呼吸ができないのは、ここが異世界だから。
陸に上がった人魚姫が、はじめて二本の脚で立っているように。
すぐそば、体温の感じられる場所、息づかいのわかる距離で、わたしは彼らを見つめていた。
惑乱のなかで。
わたしはたったひとりをさがす。
見つめる。
彼がわたしの錨、彼がわたしの灯台。
おぼれないために。
うしなわないために。
わたしは彼を見つめる。
彼がいるから、わたしはわたしでいられる。
直線。
あのひと。
たしかにわたしはここにいるのに、世界はわたしを包んでいるのに。
ひとりだけにしか、焦点が合わない。
オペラグラスで切り取った視界だから、ひとりしか見えないんじゃなくて。なにもかもここにあるのに、あのひとしか見えない。
直線。最短距離。
他のすべてを無視して、わたしと彼の間に引いた線。わたしと彼を結ぶ、いちばん短い距離。無駄のないまっすぐな線。
そして。
波のように彼は消えていった。
幕が引かれるように、視界が変わった。
その切り替わった視界に。
ドルチェ・ヴィータがいた。
のばした腕。白い指先。
彼女の真後ろに、ディアボロがいた。
のばした腕。白い指先。
直線。
1本のせつないタイトロープのうえに、闇の聖女と水の悪魔がいた。
ドルチェ・ヴィータとディアボロを結ぶ線をのばしても、獲物である男のもとには届かない。男はドルチェ・ヴィータを頂点に二等辺三角形を描く位置にいる。
ドルチェ・ヴィータとディアボロを真正面に見たのは、わたしだ。
彼らの描くまっすぐな線は、そのままわたしに届いた。
まっすぐな道だから。まっすぐな刃だから。
たぶん、歩いていける。わたしはここから、聖女のところへ、悪魔のところへ。
なににも惑わされず、よそ見をせず、たどりつけるよ。
直線だから。
とゆー。
なんか、生まれてはじめての感覚を味わいました。
トリップですな、これは。
あぶないあぶない。
てゆーか、イタいというべき?(笑)
いーのよ、人間なにごとも経験だから!
どんなにイタくても恥ずかしくても、ここは一発経験しておけ!てなもん(笑)。
途中から「やばいぞこれは」と思ったんだけど。
案の定、貧血起こして立てなくなってね(笑)。
なんで貧血起こすのか、わかったわ。
心臓が、血液を循環させる以外にばくばくしすぎるせい。よけいなところでばくばくしすぎてるから、本来の機能である血を送れなくなってるんだわ(笑)。
座席に坐ったまま、異世界体験。わたし、この世界にいなかったから。あの瞬間。
続く
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