裸の部分だから。@汐美真帆お茶会
2004年12月11日 タカラヅカ「なにやってんですかぁ!!」
と、後ろから怒鳴られた。
見れば、ドリーさんとkineさんがいる。
ケロちゃんのお茶会会場にて。場は握手会の最中で雑然としているときだ。わたしとチェリさんとサトリちゃんのテーブルに、ドリーさんたちがやってきた。
なにって、あの。
「見てましたよ、なにやってんですか」
ドリーさんテンション高し。わめくわめく。基本的に穏やかさんなkineさんも、ドリーさんと一緒になってわーわー言っている。
ドリーさんたちに責められる直前まで、チェリさん他にも責められていたんですが。
えーと、その。
よーするに、ケロちゃんと最後の握手をしてもらえるそのときに。
わたしは、ケロちゃんにお願いをしたんです。
「手を合わせてもらえますか」
と。
握手ではなく、手と手を合わせてみたかったの。
ディナーショーでケロとみなみちゃんがやっていたよーに。
わたしは、ケロちゃんの手が大好きだった。
大きくて、セクシーなあの手。
握手よりも、素直に手を重ねたかった。
へんなお願いだったんだろー、ケロちゃんは「はあ?」って感じに、それでも快諾して手を合わせてくれた。
あまり時間を取っては悪いから、じっくり合わせることはできなかった。あわただしくほんの一瞬で終わった。
舞台であんなに大きく見えるケロちゃんの手は、べつにぜんぜん大きくなかった。
わたしより小柄な人だから、当然かもしれないけど。
そうか、べつに大きくないんだ。というのが、おどろきだった。
どきどきしたまま、お礼だけ言って、逃げるよーに台から降りて。先に握手を済ませていたサトリちゃんのもとへ追いついたら。
「なにやってんですか!」
あれ?
わたしのあとから握手をしたチェリさんが、追いかけてきて。
「なにやってんですか!」
あ、あれ?
自分の席に戻ったら、次はドリーさんたちが、
「なにやってんですか!」
あれえ???
わ、わたしそんなに、変なことしましたか??
てゆーかみんな、他人の握手するとこなんかちゃんと眺めてるんだ?
なんでもみんな、わたしのことを心配して、なにかと気にかけてくれていたようです。ムラ茶会があまりにぼろぼろだったので。「あの号泣していた人」とかゆー、恥ずかしい指示語をいただいていたくらいだから、チェリさんはじめ周囲の人がなにげに気遣ってくれていた。
「緑野さん、大丈夫かしら、って心配して見てたのに、なにやってんですか!」
と、いうことらしい。
東京茶会はムラ茶会のあの濃密な世界とはちがい、わりとイベント的というかしめっぽくならずに終始した。そのおかげもあってわたしも号泣するほどでもなく、しくしく泣く程度ですんでいた。
しくしくやってはいたし、いろいろ思うところ感じるところはあったわけだが。
それとはべつのところで、ケロちゃんの手に萌えていた。
握手できるのなんか、これで最後だし! 会にも入ってない、入り出もしないわたしが、素顔のケロちゃんと会えるのはきっと最後だし! 楽の入り出はするつもりだけど、人混みの後ろの後ろからこっそり見送るだけで、そばには寄れないわけだし!
ニアミスはただ一度。接近遭遇するのは今生でこの瞬間が最後。
それなら、あの手が欲しい。
……つーことで。
お願いダーリン。わたしにその手を感じさせて。
「なにやってんですか」
と、みんなに責められましたが。
本能のままにわたし、行動してました。悔いはない。ありがとうケロちゃん。
わりとわたしはモノを考えずに生きてその場その場で行動しているので、いざ手を合わせたときに「はっ、爪塗ってくるべきだったっ」と歯がみしましたが。手を合わせただけだから、ダーリンにわたしの爪は見えないけど。でも、ダーリンの手と合わさった自分の爪が生まれたままの姿だったことに、恥じらいを感じました。
それを言ったらドリーさんに、
「『長安』なんか観ているからですよ」
と言われた。
ドリーさんはわたしが『花舞う長安』を眺めているうちに、美容院に行っていた人だからなー。たしかにヲトメたるもの、『長安』なんか観ている場合じゃないよなー。
でもさ、「手」って、裸の部分だよねえ。とか言ってみる(笑)。
せっかく裸なんだから、裸のままでいいか。生まれたままの姿でいいか。変になにか塗ったりつけたりせずに。
わたしを魅了したあの手に触れて、感じて、そのまんまのわたしでいるのも、オツかもしれない。
ケロちゃんと合わせた手で、自分の頬に触れてみる。
そこにもうぬくもりは残ってないけど、記憶は消えないから。
この手は、あのひとに触れた手。
ムラ千秋楽で、泣き出したトウコちゃんの手を握っていた、あの手だよな。愛する者をつつむ手なんだよな。
翌日もそのさらに翌日も公演を観たけれど、そのたびに「ああ、あの手に触ったんだよなー」とぼーっと考えたよ。
やっぱあの手、好き。
端正なオールバック姿のケロちゃんは、なんかもー観音様のよーな風情でした。
きれいとか美しいとかいうより、「正しい」姿だと思った。地球が正しいように、ここにいるこの人が正しいんだ。って、そんな感じ。
運のないわたしはもちろんなにも当たらないし、グッズ購入特典の福引きでは2分の1の確率でハズレを引くし。たった2枚しか抽選券が残ってなくて、特賞がまだ残っていたにもかかわらず、わざわざハズレを引くのかわたし。なんてハズさないんだ。
会場は信じられないほど広くて、壇上のケロちゃんは遠いし、わたしたちの席は歌の巡回コースからははずれているし、ムラ茶のあの小さな場所での凝縮された雰囲気からは程遠くある意味拍子抜けして、ある意味ほっとして。
とりあえず語り継ぐべきコトは、オギーを泣かせた男・汐美真帆ってコトかな。あれっ、女だったけか?(真顔)
てゆーか、泣くんだオギー。
ケロのために泣いて、そして、ケロのためにあの泣かせるディナーショーだの、『ドルチェ・ヴィータ!』だの作ったんかい。
ケロはそれほど「オギー役者」であるとは思っていない。オギーの好みではあるだろうけど、トウコやかよこほどハマっているとは思えない。
ムラの『ドルチェ・ヴィータ!』では、ケロはケロであるがゆえに、作品を壊していたし(笑)。
そんなヤツをそれでも愛し、あそこまでの仕事をしてくれたんだと思うと、感動する。
感謝の気持ちが満ちていく。
いろんなものに、人に。
9月2日の発表以来。
かなしい分だけ、やさしさに出会っている。
ケロちゃんや、舞台の上の人たちにもそうだけど。
わたしの周囲の人たちや出来事も。
失う分以上のものを、得ている気がする。
ねえ、世界ってさあ、こんなにやさしかったかなあ。
こんなに美しかったかなあ。
うれしくて、いとしくて、感謝の気持ちでいっぱいだ。
いつかわたしも、やさしく強い人になって、傷ついている人になにかしてあげられるよーになりたいと、心から思う。
ケロちゃんをますます好きになるのは、こんな気持ちを教えてくれたからだ。
かなしくて、透きとおって、かなしみがうつくしさやいとしさに変わるくらい、昇華してしまうこと。
なにかを突き抜けたよーにうつくしいお茶会のケロちゃんを見ながら、そんなことを思った。
と、後ろから怒鳴られた。
見れば、ドリーさんとkineさんがいる。
ケロちゃんのお茶会会場にて。場は握手会の最中で雑然としているときだ。わたしとチェリさんとサトリちゃんのテーブルに、ドリーさんたちがやってきた。
なにって、あの。
「見てましたよ、なにやってんですか」
ドリーさんテンション高し。わめくわめく。基本的に穏やかさんなkineさんも、ドリーさんと一緒になってわーわー言っている。
ドリーさんたちに責められる直前まで、チェリさん他にも責められていたんですが。
えーと、その。
よーするに、ケロちゃんと最後の握手をしてもらえるそのときに。
わたしは、ケロちゃんにお願いをしたんです。
「手を合わせてもらえますか」
と。
握手ではなく、手と手を合わせてみたかったの。
ディナーショーでケロとみなみちゃんがやっていたよーに。
わたしは、ケロちゃんの手が大好きだった。
大きくて、セクシーなあの手。
握手よりも、素直に手を重ねたかった。
へんなお願いだったんだろー、ケロちゃんは「はあ?」って感じに、それでも快諾して手を合わせてくれた。
あまり時間を取っては悪いから、じっくり合わせることはできなかった。あわただしくほんの一瞬で終わった。
舞台であんなに大きく見えるケロちゃんの手は、べつにぜんぜん大きくなかった。
わたしより小柄な人だから、当然かもしれないけど。
そうか、べつに大きくないんだ。というのが、おどろきだった。
どきどきしたまま、お礼だけ言って、逃げるよーに台から降りて。先に握手を済ませていたサトリちゃんのもとへ追いついたら。
「なにやってんですか!」
あれ?
わたしのあとから握手をしたチェリさんが、追いかけてきて。
「なにやってんですか!」
あ、あれ?
自分の席に戻ったら、次はドリーさんたちが、
「なにやってんですか!」
あれえ???
わ、わたしそんなに、変なことしましたか??
てゆーかみんな、他人の握手するとこなんかちゃんと眺めてるんだ?
なんでもみんな、わたしのことを心配して、なにかと気にかけてくれていたようです。ムラ茶会があまりにぼろぼろだったので。「あの号泣していた人」とかゆー、恥ずかしい指示語をいただいていたくらいだから、チェリさんはじめ周囲の人がなにげに気遣ってくれていた。
「緑野さん、大丈夫かしら、って心配して見てたのに、なにやってんですか!」
と、いうことらしい。
東京茶会はムラ茶会のあの濃密な世界とはちがい、わりとイベント的というかしめっぽくならずに終始した。そのおかげもあってわたしも号泣するほどでもなく、しくしく泣く程度ですんでいた。
しくしくやってはいたし、いろいろ思うところ感じるところはあったわけだが。
それとはべつのところで、ケロちゃんの手に萌えていた。
握手できるのなんか、これで最後だし! 会にも入ってない、入り出もしないわたしが、素顔のケロちゃんと会えるのはきっと最後だし! 楽の入り出はするつもりだけど、人混みの後ろの後ろからこっそり見送るだけで、そばには寄れないわけだし!
ニアミスはただ一度。接近遭遇するのは今生でこの瞬間が最後。
それなら、あの手が欲しい。
……つーことで。
お願いダーリン。わたしにその手を感じさせて。
「なにやってんですか」
と、みんなに責められましたが。
本能のままにわたし、行動してました。悔いはない。ありがとうケロちゃん。
わりとわたしはモノを考えずに生きてその場その場で行動しているので、いざ手を合わせたときに「はっ、爪塗ってくるべきだったっ」と歯がみしましたが。手を合わせただけだから、ダーリンにわたしの爪は見えないけど。でも、ダーリンの手と合わさった自分の爪が生まれたままの姿だったことに、恥じらいを感じました。
それを言ったらドリーさんに、
「『長安』なんか観ているからですよ」
と言われた。
ドリーさんはわたしが『花舞う長安』を眺めているうちに、美容院に行っていた人だからなー。たしかにヲトメたるもの、『長安』なんか観ている場合じゃないよなー。
でもさ、「手」って、裸の部分だよねえ。とか言ってみる(笑)。
せっかく裸なんだから、裸のままでいいか。生まれたままの姿でいいか。変になにか塗ったりつけたりせずに。
わたしを魅了したあの手に触れて、感じて、そのまんまのわたしでいるのも、オツかもしれない。
ケロちゃんと合わせた手で、自分の頬に触れてみる。
そこにもうぬくもりは残ってないけど、記憶は消えないから。
この手は、あのひとに触れた手。
ムラ千秋楽で、泣き出したトウコちゃんの手を握っていた、あの手だよな。愛する者をつつむ手なんだよな。
翌日もそのさらに翌日も公演を観たけれど、そのたびに「ああ、あの手に触ったんだよなー」とぼーっと考えたよ。
やっぱあの手、好き。
端正なオールバック姿のケロちゃんは、なんかもー観音様のよーな風情でした。
きれいとか美しいとかいうより、「正しい」姿だと思った。地球が正しいように、ここにいるこの人が正しいんだ。って、そんな感じ。
運のないわたしはもちろんなにも当たらないし、グッズ購入特典の福引きでは2分の1の確率でハズレを引くし。たった2枚しか抽選券が残ってなくて、特賞がまだ残っていたにもかかわらず、わざわざハズレを引くのかわたし。なんてハズさないんだ。
会場は信じられないほど広くて、壇上のケロちゃんは遠いし、わたしたちの席は歌の巡回コースからははずれているし、ムラ茶のあの小さな場所での凝縮された雰囲気からは程遠くある意味拍子抜けして、ある意味ほっとして。
とりあえず語り継ぐべきコトは、オギーを泣かせた男・汐美真帆ってコトかな。あれっ、女だったけか?(真顔)
てゆーか、泣くんだオギー。
ケロのために泣いて、そして、ケロのためにあの泣かせるディナーショーだの、『ドルチェ・ヴィータ!』だの作ったんかい。
ケロはそれほど「オギー役者」であるとは思っていない。オギーの好みではあるだろうけど、トウコやかよこほどハマっているとは思えない。
ムラの『ドルチェ・ヴィータ!』では、ケロはケロであるがゆえに、作品を壊していたし(笑)。
そんなヤツをそれでも愛し、あそこまでの仕事をしてくれたんだと思うと、感動する。
感謝の気持ちが満ちていく。
いろんなものに、人に。
9月2日の発表以来。
かなしい分だけ、やさしさに出会っている。
ケロちゃんや、舞台の上の人たちにもそうだけど。
わたしの周囲の人たちや出来事も。
失う分以上のものを、得ている気がする。
ねえ、世界ってさあ、こんなにやさしかったかなあ。
こんなに美しかったかなあ。
うれしくて、いとしくて、感謝の気持ちでいっぱいだ。
いつかわたしも、やさしく強い人になって、傷ついている人になにかしてあげられるよーになりたいと、心から思う。
ケロちゃんをますます好きになるのは、こんな気持ちを教えてくれたからだ。
かなしくて、透きとおって、かなしみがうつくしさやいとしさに変わるくらい、昇華してしまうこと。
なにかを突き抜けたよーにうつくしいお茶会のケロちゃんを見ながら、そんなことを思った。
コメント