少女マンガな物語。@新人公演『青い鳥を捜して』
2004年11月30日 タカラヅカ ほんの数日前のこと。
お友だちのデイジーちゃんからメールが来た。
「雪組を観ていて、好みの顔の子を見つけたんですが、ショーの**のシーンで**にいる男役、名前わかりますか?」
んなこと言われても、**のシーンの**なんて、わかんねーよ。こちとら今東宝だい。雪組は初日に一度観ただけだし。下級生男役の立ち位置全部把握しているわけもなし。
立ち位置の話はさっぱりわかんねーが、とにかく返事を出す。
「雪組で好みの顔って言えば、谷みずせじゃないかな?」
なにしろ、わたしとデイジーちゃんは男の好みが一緒。いつだって同じ顔にハマる。
雪組を見回して、顔だけでまず注目してしまう下級生といえば、そりゃ谷みずせだろう。と思ってメールした。
でもデイジーちゃんからの返事は。
「ちがうと思います。**って子かなあ、と思ってはいるんですけど……」
と、チガウ名前を挙げていた。
そして今日、新人公演『青い鳥を捜して』を観たあと。
デイジーちゃんからメールが来た。
「この間言っていた、好みの顔の子、ずばり谷みずせで正解でした(笑)」
やっぱり。
わたし、デイジーちゃんが惚れるタイプの顔、百発百中で的中できちゃうのねっ(笑)。
えらいわ、わたし!
てゆーか。
ほんとに、顔の好み一緒やんな……(笑)。
さて、雪組新人公演『青い鳥を捜して』。
本公演の感想すら書いてない状態ですがな。
ははははは。
本公と、別物でした。
演出は鈴木圭。あの『ファントム』新公の演出家ですなっ。
キャラや演出、そればかりか台詞までいちいちチガウことよりも。
いちばんの大きなちがいは、新公が、少女マンガだったということだと思う。
もちろん、原作(原作とかいうし)が石田昌也なので下品なのは同じだけど、新公は少女マンガ寄りにアレンジされていた。
女優ブレンダ@晴華みどりは、常識の範疇にいる、わがままお嬢様だった。
本公のよーな、不思議ちゃんではなかった。
だから「ひとりぼっちの誕生日」を迎える彼女は、ふつうにせつない女の子だった。もちろん、顔に黒パックをしていたりしない。クリームを顔にぬりたくってぎゃあぎゃあ泣いたりもしない。きれいな顔のまま、ひとりで泣き、愛に気づく。
マネージャーのデニス@オヅキも三の線ではあるが、これまた常識の範疇。ふつーに人の善い青年。泣いているブレンダの涙をなめて「しょっぱい!」と叫び、反論するブレンダの言葉を封じるようにキスをする。
……う・わー……少女マンガだー……。
シモーヌ@シナちゃんは小柄でかわいい女の子。ただし、やたらと声が大きく、また夢見がちでよく喋るという特徴アリ。
本公のよーに空手使いで腹筋が6つに割れているわけでもない。
大声と調子の良さを利用して、ケイトをたきつけたり、フィンセントにアタックしたり。なんかふつーにかわいいんですけど。
フィンセント@かなめくんは、おおっとワイルドです。登場するなりひげ面で場を沸かせてくれた。そうよね、山男だもん、こんな感じよねえ。でも性格は大きな身体に反してナイーヴ。
ふたりが再会するところが、じつにかわいい。お互い恋人同士でもなんでもなくて、なにも言わずに別れたはずなのに、再会してつい、抱きあっちゃうの。本公みたいにシモーヌがフィンセントをリフトして笑いを取ったりしない。よろこびに思わず抱きしめてしまい、はっとして身を離す。
……う・わー……少女マンガだー……。
ケイト@となみちゃんは、まるみのある雰囲気の女の子。本公で笑いを取ることだけに費やされているささやかな場面で、彼女がジェイクを好きなんだということが垣間見える。笑いよりも彼女の恋を優先して描いてある。
ジェイク@キムは、えらくふつー。プレイボーイには見えません。真面目で仕事熱心な男に見えるので、ブレンダとのカタチだけの婚約がちと不自然。「運命の人」を素直に信じて奔走する純真な青年。
別れたあとに修道院で再会した、ケイトとジェイク。どちらも真面目で不器用だから、「あとひとこと」が言えずにじれじれしている。強がるケイト、それがただの強がりだとわかるから、彼女へ一歩近づこうとするジェイク……そこへ空気読まずに登場するフィンセント、ああっ、喉元まで出かかっていた「あとひとこと」が消えちゃったよ、もう! この絶妙のじれったさ!
……う・わー……少女マンガだー……。
スーザン@リサちゃんは、普段はガチガチの色気ナシ秘書。だけどノリノリではじけてみたり、恋するデニスを思いやってみたりとなかなか情緒豊か。ミルボン@くらまくんとは、わっかりやすく恋に落ちていた。
だって彼女、眼鏡を取ると美人なんだよ? なんなのその設定(笑)。
……う・わー……少女マンガだー……。
新喜劇のノリで悪のりした笑いを取ることばかりに必死になっている本公とちがい、無理にお笑いにしなかった部分が全部、ラヴストーリーになっている。
だから別物。
テイストは、少女マンガ。
ギャグマンガのよーな醜いオカマも出てこない。ヅカの範疇である「女装した男」が出てくるだけ。
男役が男役の化粧と声のまま、女の服を着ておねえ喋りをすることでも、十分笑いは取れる。ハゲヅラなんぞかぶる必要はない。美青年のままでOK。
少女マンガで「ファンタジー」だからこそ、ラストシーンでは、主役カップルの真後ろで、青い鳥と鳥占いの老人が、中央でせり上がっている。
よりかわいらしい、タカラヅカらしいラストシーンになる。
……別物……。
『ファントム』も別物だったけど、今回も別物ですか、鈴木圭。なんか愉快な仕事してますな、鈴木せんせー。
タカラヅカと呼ぶにはつらいものがある石田の原作を、懸命にタカラヅカに作り直したのね。ほろり。
別物として、素直に愉しみました。
キムくんうまいし、正直今すぐ本役と交代してくれてもいいんだけど(笑)、ちょっと手堅すぎる気もする。
となみちゃんはニンに合わない役だけど、それでもかわいく演じていた。小突いてやりたいかわいさは、この子の持ち味だよなあ。
かなめくんは、今回もまたビジュアルへのこだわりがすばらしい。前回のピエロメイクも感心したけど、今回のひげ面には、ヒゲフェチのわたしはハートを撃ち抜かれたわー。ジーンズ姿がかっこいー。
メインどころの人たちは、みんなうまい。何故なんだ、みんな破綻なく演じているぞ(笑)。名前のある役でやばいかなと思ったのは、カーク@そらくんぐらいか。
谷みずせくんの美貌と、オカマの迫力には脱帽(笑)。青い鳥はちとせくんなのね、娘役に見える……。
組によって、こんなに新公にレベルの差があっていいのかと思ってみたりな(笑)。
思いがけず少女マンガを味わえて、得した気持ちです。
お友だちのデイジーちゃんからメールが来た。
「雪組を観ていて、好みの顔の子を見つけたんですが、ショーの**のシーンで**にいる男役、名前わかりますか?」
んなこと言われても、**のシーンの**なんて、わかんねーよ。こちとら今東宝だい。雪組は初日に一度観ただけだし。下級生男役の立ち位置全部把握しているわけもなし。
立ち位置の話はさっぱりわかんねーが、とにかく返事を出す。
「雪組で好みの顔って言えば、谷みずせじゃないかな?」
なにしろ、わたしとデイジーちゃんは男の好みが一緒。いつだって同じ顔にハマる。
雪組を見回して、顔だけでまず注目してしまう下級生といえば、そりゃ谷みずせだろう。と思ってメールした。
でもデイジーちゃんからの返事は。
「ちがうと思います。**って子かなあ、と思ってはいるんですけど……」
と、チガウ名前を挙げていた。
そして今日、新人公演『青い鳥を捜して』を観たあと。
デイジーちゃんからメールが来た。
「この間言っていた、好みの顔の子、ずばり谷みずせで正解でした(笑)」
やっぱり。
わたし、デイジーちゃんが惚れるタイプの顔、百発百中で的中できちゃうのねっ(笑)。
えらいわ、わたし!
てゆーか。
ほんとに、顔の好み一緒やんな……(笑)。
さて、雪組新人公演『青い鳥を捜して』。
本公演の感想すら書いてない状態ですがな。
ははははは。
本公と、別物でした。
演出は鈴木圭。あの『ファントム』新公の演出家ですなっ。
キャラや演出、そればかりか台詞までいちいちチガウことよりも。
いちばんの大きなちがいは、新公が、少女マンガだったということだと思う。
もちろん、原作(原作とかいうし)が石田昌也なので下品なのは同じだけど、新公は少女マンガ寄りにアレンジされていた。
女優ブレンダ@晴華みどりは、常識の範疇にいる、わがままお嬢様だった。
本公のよーな、不思議ちゃんではなかった。
だから「ひとりぼっちの誕生日」を迎える彼女は、ふつうにせつない女の子だった。もちろん、顔に黒パックをしていたりしない。クリームを顔にぬりたくってぎゃあぎゃあ泣いたりもしない。きれいな顔のまま、ひとりで泣き、愛に気づく。
マネージャーのデニス@オヅキも三の線ではあるが、これまた常識の範疇。ふつーに人の善い青年。泣いているブレンダの涙をなめて「しょっぱい!」と叫び、反論するブレンダの言葉を封じるようにキスをする。
……う・わー……少女マンガだー……。
シモーヌ@シナちゃんは小柄でかわいい女の子。ただし、やたらと声が大きく、また夢見がちでよく喋るという特徴アリ。
本公のよーに空手使いで腹筋が6つに割れているわけでもない。
大声と調子の良さを利用して、ケイトをたきつけたり、フィンセントにアタックしたり。なんかふつーにかわいいんですけど。
フィンセント@かなめくんは、おおっとワイルドです。登場するなりひげ面で場を沸かせてくれた。そうよね、山男だもん、こんな感じよねえ。でも性格は大きな身体に反してナイーヴ。
ふたりが再会するところが、じつにかわいい。お互い恋人同士でもなんでもなくて、なにも言わずに別れたはずなのに、再会してつい、抱きあっちゃうの。本公みたいにシモーヌがフィンセントをリフトして笑いを取ったりしない。よろこびに思わず抱きしめてしまい、はっとして身を離す。
……う・わー……少女マンガだー……。
ケイト@となみちゃんは、まるみのある雰囲気の女の子。本公で笑いを取ることだけに費やされているささやかな場面で、彼女がジェイクを好きなんだということが垣間見える。笑いよりも彼女の恋を優先して描いてある。
ジェイク@キムは、えらくふつー。プレイボーイには見えません。真面目で仕事熱心な男に見えるので、ブレンダとのカタチだけの婚約がちと不自然。「運命の人」を素直に信じて奔走する純真な青年。
別れたあとに修道院で再会した、ケイトとジェイク。どちらも真面目で不器用だから、「あとひとこと」が言えずにじれじれしている。強がるケイト、それがただの強がりだとわかるから、彼女へ一歩近づこうとするジェイク……そこへ空気読まずに登場するフィンセント、ああっ、喉元まで出かかっていた「あとひとこと」が消えちゃったよ、もう! この絶妙のじれったさ!
……う・わー……少女マンガだー……。
スーザン@リサちゃんは、普段はガチガチの色気ナシ秘書。だけどノリノリではじけてみたり、恋するデニスを思いやってみたりとなかなか情緒豊か。ミルボン@くらまくんとは、わっかりやすく恋に落ちていた。
だって彼女、眼鏡を取ると美人なんだよ? なんなのその設定(笑)。
……う・わー……少女マンガだー……。
新喜劇のノリで悪のりした笑いを取ることばかりに必死になっている本公とちがい、無理にお笑いにしなかった部分が全部、ラヴストーリーになっている。
だから別物。
テイストは、少女マンガ。
ギャグマンガのよーな醜いオカマも出てこない。ヅカの範疇である「女装した男」が出てくるだけ。
男役が男役の化粧と声のまま、女の服を着ておねえ喋りをすることでも、十分笑いは取れる。ハゲヅラなんぞかぶる必要はない。美青年のままでOK。
少女マンガで「ファンタジー」だからこそ、ラストシーンでは、主役カップルの真後ろで、青い鳥と鳥占いの老人が、中央でせり上がっている。
よりかわいらしい、タカラヅカらしいラストシーンになる。
……別物……。
『ファントム』も別物だったけど、今回も別物ですか、鈴木圭。なんか愉快な仕事してますな、鈴木せんせー。
タカラヅカと呼ぶにはつらいものがある石田の原作を、懸命にタカラヅカに作り直したのね。ほろり。
別物として、素直に愉しみました。
キムくんうまいし、正直今すぐ本役と交代してくれてもいいんだけど(笑)、ちょっと手堅すぎる気もする。
となみちゃんはニンに合わない役だけど、それでもかわいく演じていた。小突いてやりたいかわいさは、この子の持ち味だよなあ。
かなめくんは、今回もまたビジュアルへのこだわりがすばらしい。前回のピエロメイクも感心したけど、今回のひげ面には、ヒゲフェチのわたしはハートを撃ち抜かれたわー。ジーンズ姿がかっこいー。
メインどころの人たちは、みんなうまい。何故なんだ、みんな破綻なく演じているぞ(笑)。名前のある役でやばいかなと思ったのは、カーク@そらくんぐらいか。
谷みずせくんの美貌と、オカマの迫力には脱帽(笑)。青い鳥はちとせくんなのね、娘役に見える……。
組によって、こんなに新公にレベルの差があっていいのかと思ってみたりな(笑)。
思いがけず少女マンガを味わえて、得した気持ちです。
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