月バウ『THE LAST PARTY 〜S.Fitzgerald’s last day〜』感想、つづき。
主人公スコットは、魅力的な役。
美しく深く、やりがいのある役。
だがそのぶん難しい役。
残念ながらタニちゃんは、スコット役には技量が足りていなかった。
彼の持ち味である「健康さ」「前向きさ」を打ち消せるほどの演技力はない。
だからわたしは疑問だった。
何故タニにこの役をやらせる? やらせてもいいけど、それならそれで、タニでも場が持つくらいに俗な演出にしろよ、と。
タニちゃんはどう考えても柄違い、ニンに合わない役だ。
かなみちゃんはそれでも見事に演じきっているが、タニちゃんにソレを求めるのは酷だ。
作品に、作者に疑問。
でもそれはひょっとして、そもそもこの作品が、ゆうひと月組に向けたて書かれたものだったとしたら。
タニちゃんバージョンだけを観て、作者に疑問を持つのは早計か、と思った。
そして月組、ゆうひスコットを観る。
観た上で、最初の感想になったわけだ。
いちいち水をさされる「役者」パートも、真に演技力のある者が演じていれば、問題なかったんだろう、と。
この1幕目の滑りの悪さも、真に演技力のある者が演じていれば、問題なかったんだろう、と。
つまりそれは、ゆうひくんにあて書きしたから、月バウを念頭に置いていたから、ではなかったってことだな?
どう考えてもゆうひくんはスコットにハマる。見た目と雰囲気はまんまOKだろうよ。タニちゃんよりずっと恵まれた立場だよ。
それでもなお、役者パートでは引くし、作品の滑りは悪い。
こういっちゃなんだが、ゆうひとタニの演技力なんて、似たり寄ったりでしょ? あるのは持ち味のちがいだけで。だとしたら、持ち味が「陰」であるゆうひの方が、「陽」であるタニより有利なはず。
ゆうひでも届かないなら、実より華の人気者たちでは演じきれない役ってことになりますがな……。
作者は、自分の作品がいちばん大事で、作品を俗にするのが嫌だったのね。
と、思ってしまったよ……。
そりゃまあ、それはそれでアリだとは思うけどさ。
主演生徒の力量無視して、作者がしたいよーにしただけであったとしても、『LAST PARTY』はこんなに美しい物語なんだから。
いいものを見せてもらったんだから、それだけで「ごちそうさま」な気持ちではあるんだけどさ。
実際、バウホール公演だから、それはそれでいいのかもしれない。
だって東上しないバウONLYの公演なんて、観ている大半が主演のファンだもんな。
「スコットが**だったらいいのに」
と思わせる作品で、当のご贔屓がそのスコットをやっているんだから、それだけで大絶賛、「**最高! 素敵!」になるだろうし。
主演ファンをここまでとろけさせてくれるんだから、それ以上を求めるわたしが悪いのかもしれない。
いやほんと、実際いい作品だし、スコットは美しい役だし。
よかったね、タニちゃん、ゆうひくん。
こんな素敵な作品で。
そして、シューマッハのファンだったわたしとしても、こんなに素敵なタニちゃんとゆうひくんを見られたことは、うれしいのよ。
なんかひどいことを書いてしまったんじゃないだろーか、とびくびくしながら。
さて。
作品と、景子せんせーへの引っかかり話はこのへんで置くとして。
月バージョンの『LAST PARTY』の感想。
えー、ゆうひくんは、色っぽかったです。
ひとりで色気出してました。
かなしいのは、彼のその色気を受け止める男がいない……。
どーしてなの、嘉月さん?!
期待してたのに。マックス@嘉月さんの愛あるエロおやぢを。
まりえったくらい、正当派のエロスを醸しだしてくれると期待していたのに。よよよ。
マックスったら、マジで「いい人」でした。
いいおとーさんで、妻子を愛してるんだなあ、と思った。地に足のついた人なんだなあ。
宙バウのときは、「私にも家庭がある」と言われたときに「えっ、奥さんいたのっ?!」とおどろいてしまうくらい、中年の色気を発散しているいい男だったのに。
月バウでは、「いい人」かよ……がっくり。
も、もちろんそれはいいのよ。それで正しいのよ。
ただね。
ただわたしが、期待していたの……スコットを愛して見守るマックスを……。そのエロスを……。
嘉月さんはほんと、うまい人だよねえ。
悪役やったらほんとに悪人だし、エロキャラやったら破壊力月に届くほどだし、善人やったら慈愛の人だし。
うまい人なだけに……うう。完璧に「いい人」だわ……妄想の入る余地がないわ……。
ゆうひの魅力を何倍にもするのは、エロキャラと絡めることだと思うのよね。
だからこの「白く美しい芝居」では、ゆーひくんのエロさが宙に浮いている気がする。
タニちゃんは、その美しさと華でスコットを演じていた。彼の持つ「陽」のカラーはスコットには不向きだけど、彼の「白さ」はこの芝居には合ってたかもしれない。
ゆうひの場合、彼の持つ「陰」のカラーは本来スコット向きだけど、彼の持つ「淫靡さ」はこの芝居には合っていないかもしれない。
だからまあ、キャラ的にこのふたり、どっちもスコットには足りていないと思うのよ。わたしは。
それにしても、今の月組にはゆうひの持ち味を倍増させるエロキャラが一気に減ったよねえ……。
越リュウとのぞみちゃんぐらいか、あとは。さえちゃんは役次第だしなぁ。
植田景子せんせの作品ってすべてにおいて、致命的なまでにエロくないよねえ。
美しいけど、エロくない。
この人の作品に、四半世紀前の少女マンガ、というイメージがあるのはそのためだわ。
ゼルダ@るいるいは……ニンには合っているけれど、まだこれから、って感じ? なまじテリトリー内の役だというのが、枷になっているのかもな。がんばれー。
アーネスト@さららんは……ははははは。がんばれ。
なんでこう、ウケてしまうんだろうなあ、さららん。
スケールの大きい、骨太な男を演じようとしているのがよくわかって、微笑ましいです、はい。
なんつーんですが、小物な受子ちゃんが必死に「オレは強引で大物な攻男だぜ!」と肩で風を切っているような微笑ましさがあります。ヲタクな例えですまんが。
スコット@ゆうひの色気を受け止めることがまったくできず、固いままとにかく相手役をこなすことだけに必死になっている感じ。
これでこの子に色気があれば、さぞやたのしかったと思うが……ははは。今は遠くを見ていよう。
紫水梗華ちゃんのアゴと存在感も気持ちよく、五峰ねーさんはいい仕事をしているし、女の子たちは豊作だなあ。
男役では、学生@みりおくんがいい感じ。
宙と月と、どっちがいいとかいうもんでもないよなあ。
きっと、自分の好きな生徒が出ている方が、その人にとってもっともたのしめる作品だな。
美しくてかなしくて、そして主演生徒を素敵に見せてくれる作品だ。
でも個人的に。
ゆうひくんてほんと、ひとを愛している演技、苦手だよね。
と、思う。熱演だったけど、それとは別にね。
主人公スコットは、魅力的な役。
美しく深く、やりがいのある役。
だがそのぶん難しい役。
残念ながらタニちゃんは、スコット役には技量が足りていなかった。
彼の持ち味である「健康さ」「前向きさ」を打ち消せるほどの演技力はない。
だからわたしは疑問だった。
何故タニにこの役をやらせる? やらせてもいいけど、それならそれで、タニでも場が持つくらいに俗な演出にしろよ、と。
タニちゃんはどう考えても柄違い、ニンに合わない役だ。
かなみちゃんはそれでも見事に演じきっているが、タニちゃんにソレを求めるのは酷だ。
作品に、作者に疑問。
でもそれはひょっとして、そもそもこの作品が、ゆうひと月組に向けたて書かれたものだったとしたら。
タニちゃんバージョンだけを観て、作者に疑問を持つのは早計か、と思った。
そして月組、ゆうひスコットを観る。
観た上で、最初の感想になったわけだ。
いちいち水をさされる「役者」パートも、真に演技力のある者が演じていれば、問題なかったんだろう、と。
この1幕目の滑りの悪さも、真に演技力のある者が演じていれば、問題なかったんだろう、と。
つまりそれは、ゆうひくんにあて書きしたから、月バウを念頭に置いていたから、ではなかったってことだな?
どう考えてもゆうひくんはスコットにハマる。見た目と雰囲気はまんまOKだろうよ。タニちゃんよりずっと恵まれた立場だよ。
それでもなお、役者パートでは引くし、作品の滑りは悪い。
こういっちゃなんだが、ゆうひとタニの演技力なんて、似たり寄ったりでしょ? あるのは持ち味のちがいだけで。だとしたら、持ち味が「陰」であるゆうひの方が、「陽」であるタニより有利なはず。
ゆうひでも届かないなら、実より華の人気者たちでは演じきれない役ってことになりますがな……。
作者は、自分の作品がいちばん大事で、作品を俗にするのが嫌だったのね。
と、思ってしまったよ……。
そりゃまあ、それはそれでアリだとは思うけどさ。
主演生徒の力量無視して、作者がしたいよーにしただけであったとしても、『LAST PARTY』はこんなに美しい物語なんだから。
いいものを見せてもらったんだから、それだけで「ごちそうさま」な気持ちではあるんだけどさ。
実際、バウホール公演だから、それはそれでいいのかもしれない。
だって東上しないバウONLYの公演なんて、観ている大半が主演のファンだもんな。
「スコットが**だったらいいのに」
と思わせる作品で、当のご贔屓がそのスコットをやっているんだから、それだけで大絶賛、「**最高! 素敵!」になるだろうし。
主演ファンをここまでとろけさせてくれるんだから、それ以上を求めるわたしが悪いのかもしれない。
いやほんと、実際いい作品だし、スコットは美しい役だし。
よかったね、タニちゃん、ゆうひくん。
こんな素敵な作品で。
そして、シューマッハのファンだったわたしとしても、こんなに素敵なタニちゃんとゆうひくんを見られたことは、うれしいのよ。
なんかひどいことを書いてしまったんじゃないだろーか、とびくびくしながら。
さて。
作品と、景子せんせーへの引っかかり話はこのへんで置くとして。
月バージョンの『LAST PARTY』の感想。
えー、ゆうひくんは、色っぽかったです。
ひとりで色気出してました。
かなしいのは、彼のその色気を受け止める男がいない……。
どーしてなの、嘉月さん?!
期待してたのに。マックス@嘉月さんの愛あるエロおやぢを。
まりえったくらい、正当派のエロスを醸しだしてくれると期待していたのに。よよよ。
マックスったら、マジで「いい人」でした。
いいおとーさんで、妻子を愛してるんだなあ、と思った。地に足のついた人なんだなあ。
宙バウのときは、「私にも家庭がある」と言われたときに「えっ、奥さんいたのっ?!」とおどろいてしまうくらい、中年の色気を発散しているいい男だったのに。
月バウでは、「いい人」かよ……がっくり。
も、もちろんそれはいいのよ。それで正しいのよ。
ただね。
ただわたしが、期待していたの……スコットを愛して見守るマックスを……。そのエロスを……。
嘉月さんはほんと、うまい人だよねえ。
悪役やったらほんとに悪人だし、エロキャラやったら破壊力月に届くほどだし、善人やったら慈愛の人だし。
うまい人なだけに……うう。完璧に「いい人」だわ……妄想の入る余地がないわ……。
ゆうひの魅力を何倍にもするのは、エロキャラと絡めることだと思うのよね。
だからこの「白く美しい芝居」では、ゆーひくんのエロさが宙に浮いている気がする。
タニちゃんは、その美しさと華でスコットを演じていた。彼の持つ「陽」のカラーはスコットには不向きだけど、彼の「白さ」はこの芝居には合ってたかもしれない。
ゆうひの場合、彼の持つ「陰」のカラーは本来スコット向きだけど、彼の持つ「淫靡さ」はこの芝居には合っていないかもしれない。
だからまあ、キャラ的にこのふたり、どっちもスコットには足りていないと思うのよ。わたしは。
それにしても、今の月組にはゆうひの持ち味を倍増させるエロキャラが一気に減ったよねえ……。
越リュウとのぞみちゃんぐらいか、あとは。さえちゃんは役次第だしなぁ。
植田景子せんせの作品ってすべてにおいて、致命的なまでにエロくないよねえ。
美しいけど、エロくない。
この人の作品に、四半世紀前の少女マンガ、というイメージがあるのはそのためだわ。
ゼルダ@るいるいは……ニンには合っているけれど、まだこれから、って感じ? なまじテリトリー内の役だというのが、枷になっているのかもな。がんばれー。
アーネスト@さららんは……ははははは。がんばれ。
なんでこう、ウケてしまうんだろうなあ、さららん。
スケールの大きい、骨太な男を演じようとしているのがよくわかって、微笑ましいです、はい。
なんつーんですが、小物な受子ちゃんが必死に「オレは強引で大物な攻男だぜ!」と肩で風を切っているような微笑ましさがあります。ヲタクな例えですまんが。
スコット@ゆうひの色気を受け止めることがまったくできず、固いままとにかく相手役をこなすことだけに必死になっている感じ。
これでこの子に色気があれば、さぞやたのしかったと思うが……ははは。今は遠くを見ていよう。
紫水梗華ちゃんのアゴと存在感も気持ちよく、五峰ねーさんはいい仕事をしているし、女の子たちは豊作だなあ。
男役では、学生@みりおくんがいい感じ。
宙と月と、どっちがいいとかいうもんでもないよなあ。
きっと、自分の好きな生徒が出ている方が、その人にとってもっともたのしめる作品だな。
美しくてかなしくて、そして主演生徒を素敵に見せてくれる作品だ。
でも個人的に。
ゆうひくんてほんと、ひとを愛している演技、苦手だよね。
と、思う。熱演だったけど、それとは別にね。
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