大阪の中心地、梅田にBIGMANとゆー、どでかい宣伝用ビジョンがある。待ち合わせのメッカ、誰もが知っている巨大画面。

 そこに、ケロちゃんがUPになって映っていた。

 BIGMANは阪急の持ち物なので、関連のニュースやCMを流すことが多い。
 ただいま公演中の、星組公演の模様が何分間もかけてじっくりと放映されていた。

 もちろん、BIGMANにヅカの映像が流れているのは知っていたさ。大阪生まれの大阪育ちだからな。
 だけど、考えたこともなかった。

 トップスターでも路線スターでもないケロが、この巨大画面で単独大写しになることがあるなんて。

 芝居の映像のあと、ショーの映像になった。
 まずは銀橋で歌うワタルくん。これでもかとUP。
 その次が。

 突然、ケロだった。

 フィナーレの白スーツ。ソロ。

 星組トップスター湖月わたるの次に、ケロのソロだとっ?!


 何故?
 なんなの、この構成っ?

 夢にも思ってなかった。ちらりとでも映ればラッキ☆くらいの気持ちで眺めていた。

 油断していたからさ。
 泣きそうだったよ……。

 BIGMANだよ。梅田の真ん中の巨大ビジョンだよ。一辺が何メートルもあるこのクソでかい画面いっぱいに、ケロちゃんなんだよ?
 ひとりUPで、しかも歌ってるんだよ?

 涙も出るさ。

 そしてそのまま、ディアボロ@トウコ登場、ふたりの握手……。

 泣けるよねええ?!
 こんなすごいシーンを、この巨大画面で見られるなんて。家庭用テレビの比じゃないのよ? BIGMANなのよおおお。

 それ以外にも、ケロちゃんはあったりまえにいっぱい映ってました。完全に3番手な扱い。びっくりだ。

 全国のケロファンのみなさま。星組観劇でムラに来たついでに、ぜひ梅田BIGMAN詣でもどうぞ。(追記。向かって左のBIGMANです。CO-BIGMANの方)
 ケロちゃんをあの大きさで眺められますよ。

 なにしろ、トップスター様の次にUPになって歌っている男役、というスターな構成です。快感です。
 ……ただこの構成だと、待ち合わせのためだけにBIGMAN前にいる一般人に「タカラヅカの人ってみんな、歌下手なんだ……」と思われてしまう恐れもあ……ゲフンゲフン。

 
 という日記を書いているのは、18日の夜。1日ズレてます。
 両親が旅行中なんで、外食するべく弟と梅田で待ち合わせていたわけですよ。弟のヤツがこのわたしを40分も待たせてくれたので、BIGMANの映像も一巡全部見ましたとも。

 わたしはひとりで夕方から梅田をうろついていたんですが、その間にさえちゃん退団がニュースサイトに出、友人たちから次々とメールが舞い込みました。

 しょぼん。

 そりゃトップスターはいつか辞めるよ。知ってるよ。
 でもさえちゃん、まだなんにもしてないじゃん。
 さえちゃんのためにあて書きされた作品、まだ1本もないじゃん!!
 さえちゃんの魅力を最大限に発揮する作品も役も、もらってないじゃん。
 なのに辞めちゃうの?

 てゆーか、娘役トップスター不在じゃん!
 そんなのひどいよー。

 わたしは腐女子だから、男役同士でエロエロしてくれる方が好きだけど、それは「タカラヅカ」という伝統の枠組みの中でのことよ。男1と娘1がちゃんといて、形式美様式美の伝統の中で、他にいろいろ妄想するのがたのしいのよ。
 
 ああ、そしてわたしは自分本位なことでさらに心を乱す。
 さえちゃんバウ、当たるかしら……。
 ケロDSが取れた勢いのまま、入力済ませてあったんだけど。樹里ちゃんが出ないのは残念だしさみしいしかなしいけど、それでも観る気満々で入力してたんですけど! 誰もつきあってくれないだろうから、ひとりでこっそり行く気だったんですけど!
 あさこコンサートに行く気はないが、さえちゃんバウには行く気満々だったという、「緑野さん、あなた希有な人ですよ」と友人たちからなまあたたかい目で見られていたわたしですもの。
 退団発表しちゃったら、きっとわたし程度の人間には、チケットが回ってこない……がっくり。

「退団発表したって、入力する人数は増えませんよ」

 しょぼんとするわたしに、某友人から冷徹なメール。
 辛辣だわMyフレンズ。てゆーか、わたしの周りでさえちゃん好きな人、ひとりもいないんだもんよ……孤独だわ。

 当たりますように、バウ。
 さえちゃんのために書き下ろされたステージを見たいの。

 
 40分遅れてきた弟は、わたしの鞄の中からのぞいている「透明保存用ブックカバーA4サイズ」を見て溜息。

「これだからオタクは……」

 失礼ねっ、なによその偏見は。

「同人誌用のカバーだろ、ソレ。そんなの持って歩くってことは、オタクだって宣伝してるよーなもんじゃないか」

 馬鹿者め、A4サイズなんだから、同人誌用じゃないわよ。
 なにしろでかくて、書店の人がどの袋に入れればいいか悩んでいるようだったから、エコロジストなわたしは「シールでいいです」と包装を断ったのよ。だもんで鞄からぬっとパッケージが飛び出しているのよ。
 これは、タカラヅカ用よ。
 プログラムやパーソナルブックやル・サンクに、このカバーをつけるのよ。同人誌にカバーつける趣味は持ってないわ。

「……オタク……」

 溜息をつくなと言うに、失礼なっ。

       

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