千秋楽。
 わたしは立ち見でした。
 ええ、チケット運ないもんで。

 いつもの位置に立ちながら、「1ヶ月半後も、ここにこうして立っているんだな」と思って、泣きたくなった。

 1ヶ月半後。
 ええ、もちろん立ち見です。チケット運ないもんで。

 ヘルナンデスと踊るギジェルモ社長にオペラグラスを合わせて、あの巨大な劇場のいちばん後ろから、見えなくなるまで見つめていました。
 めそ。

 
 ところが。
 『タカラヅカ舞夢』の方は、ちゃっかり座席にいたました、わたし。

 見知らぬ方が、チケットをくださったので。

 ありがとうありがとう、見知らぬ方。
 11列目サブセンター。
 ショーは観ないで帰るから、という方から、席を譲っていただけたのでした。ハラショー。
 客席から登場の水しぇんが間近だばんざい! 銀橋の兄貴の視線が近いよばんざい!

 そーやって、隣の席の見知らぬお嬢さんとふたりして、うきゃうきゃ盛り上がってました。
 共に兄貴のご挨拶で涙し、幕が下りたあとも脱力して立ち上がれずにいました。

 
 兄貴は最後まで男前でした。
 わたしたちの見たい矢吹翔でいてくれました。

 そして、春野寿美礼は春野寿美礼でした。
 腹の底なんか見せないで、元気にキャラ作って盛り上げてました。

 時間がなかったので、終演後のお見送りは出来なかったけれど、すがすがしくも男前な兄貴の姿を瞼に刻んで、帰路につきました。

 
 1ヶ月半後。
 てゆーか、1ヶ月と少しあと。

 カウントダウンのはじまっているその日が、重い。

        

コメント

日記内を検索