今日は朝からミニ法事。
 明日が祖父の祥月命日だ。

 他人になつかないウチの猫は、何故かお坊さんの草履が好き。今日もまた、彼の草履の上で丸くなっていた。
 読経の最中に仏壇の上に飛び乗ったり、ろくなことをしないんだが、お坊さんは動ずることなくつとめを果たす。

 大目に見てあげてください、祖父が愛した猫なのです。
 亡くなる寸前まで、彼はいつも猫のことを気に掛けていました。大切な家族のひとりです。

「かまいませんよ、ウチにも猫が3匹いますし」

 まだ若いお坊さんはそう言って笑ってくれる。
 ウチの猫がなんとなくなついているのは、その臭いゆえだろうか。

「……にしても、太ってますね」

 ころんと誘い受するウチの猫の喉元を撫でながら、お坊さんが言う。

 飼い主は曖昧に笑う。
 あの、ぜんぜん、太ってません。けっこう痩せている部類だと思います。……心の中でつぶやく。

 ウチの子はたんに、顔がでかいんです。ふつーの猫の1.5倍、下手すると2倍くらいあるもので、痩せていてもデブにしか見えない罠。

 
 お坊さんを見送ったあと、郵便物を受け取った。
 かめたさんからだ。

 封を切ると、中からあざやかな赤い花のポストカード。
 9月29日、わたしの誕生花「チトニア」だそうだ。
 花言葉は果報者、幸福。

 浜名湖花博で買ってくれたって。
 遊びに行った先で、わたしのこと思い出してくれたのね。誕生日おぼえていてくれたのね。
 ありがとうありがとう。
 そのことが、すでに幸福、果報者。

     

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