「イギリス人ってつくづく、裸もんが好きだねえ」

 と、WHITEちゃんが言ったのは、梅田のナビオでだっけ。
 ナビオでたしか、試写会が当たる抽選用紙を配布してたんだよねー。
「当たったら一緒に行こうね」
 と言ってふたりで応募したけど、わたしははずれたな。WHITEちゃんはどうだったのかしら。誘ってもらえなかったら、彼女もはずれたのかな。

 『カレンダー・ガールズ』、監督ナイジェル・コール、出演ヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ、アンガス・バーネット。

 イギリスの田舎町。保守的でお堅い婦人会において、カレンダーを販売することになった。それがなんと、婦人会のおばさまたちのヌード・カレンダーっちゅーことで、町は騒然。やがてそれは、イギリス中で大反響を呼び……。

 
 『フル・モンティ』の女性版って感じ?
 その昔、わたしとWHITEちゃんはふたりで『フル・モンティ』の試写会に行ったのよ。
 だからWHITEちゃんの冒頭の台詞になるわけね。

 『フル・モンティ』の試写会を見に行ったとき、司会のおねーさんが言ってたな。
「“フル・モンティ”というのは俗語で、“素っ裸”というような意味です」
 と。

 さえないリストラ中年男たちが集まって、男性ストリップで一旗揚げようとする物語。
 ひとさまにお見せできるような肉体美から程遠い、なさけなーい男たちが、なさけなーい自分自身やら現実と戦って、服と一緒にそれまでの殻を脱ぎ捨てる物語。
 笑いと涙、そして幸福感を得られる映画。
 
 それを彷彿とさせるコンセプト、そしてストーリー。

 『フル・モンティ』はストリップを題材にしているだけで、あとはほんとーに真っ当な、お約束に満ちたハートウォーミング物語だった。
 それと似ているこの『カレンダー・ガールズ』もまた、気持ちのいいお約束物語だったよ。

 平凡な田舎町、平凡な主婦たち。
 あなたかもしれない彼女たちが、立ち上がり、現実を壊す痛快さ。
 基本理念になっている友情と、サクセス・ストーリーの気持ちよさ。

 なんにもできない、と思い込んでいる、あるいは社会から男たちから同じ女たちから、思い込まされているおばさんたちが、立ち上がるその姿に握り拳、声援を送るよ。
 彼女たちはキュートで愛しい。
 ふつうに見れば決して美しくないシワだらけ脂肪だらけの裸が、ファンタスティックに画面を作る。

 いいよなー、おばさん&おばあさんたち。

 できることなら、サクセス・ストーリーのまま突っ走ってほしかったな。その方がより「お約束」でエンタメ的だわ。

 何度も何度も繰り返される「NAKED(裸)」という単語に、ちょうどそのころ『NAKED CITY』に萌えまくっていたわたしはいちいち反応してもおりました(笑)。

 元気をもらえる、気持ちいい映画。
 わたしは裸にはなれないけど(笑)、彼女たちのようになりたいと思い、また彼女たちを応援するひとりになりたいと思うよ。

       

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