のばした手は届かない。@スサノオ
2004年7月2日 タカラヅカ 雪組公演『スサノオ』で、見たいけれど、演出上わざと見せてくれないところ。
……の、話のつづき。
去っていくアマテラスを追いかけるスサノオの顔。
ねえねえ、これ見せないのってすごくない?
わたし毎回、せつなさに胸がきゅんきゅん(笑)するんですが。
暴力をふるったスサノオに対し、アマテラスは彼に背を向け、天の岩戸に隠れた。
スサノオは舞台中央で、去っていくアマテラスを見つめている。
わたしたちに向けているのは背中。
いったいどんな顔で、アマテラスの背中を見つめているのか。
見送るスサノオは、アマテラスの後を追って駆け出す。手を伸ばし、彼女を求める。
その駆け出す一瞬前に、スサノオは小さく首を振るのよ。
幼い子どものように。
力無く、はかなく、いやいやをする。
そして、なにかに引きつけられるように、姉のあとを追うの。
そこに意識は感じられない。張りつめた意地だとか、プライドだとかは消え失せ、本能のみに従って無意識に身体が動いたような。
どんな顔で、愛する姉を追ったの?
どんな顔で、振り返らない背中を求めたの?
わたしが朝海ひかるという役者を好きになったのは、彼の傷ついた瞳ゆえだ。
コムちゃん自身にどれくらい演技力があるとか、なにをどう考え計算して演技しているかとかは知らない。
だけど、彼はときおりものすごーくわたし好みの演技をする。わたしのツボにクリティカルをくらわす存在になる。
最初にソレを意識したのは、『SAY IT AGAIN』だ。親友を裏切る男ビンス役。
何故ビンスは、親友のピエール@ナルセを裏切ったか。
ピエールが、嘘をついたからだ。
親友にとっていちばん大切な存在は自分であることをたしかめたくて何度も言いつのったビンスに、ピエールから返された言葉は、別れの言葉だった。
ピエールを信じたい、これからもふたりで生きていきたい。……だからこそ言質を取りたくてくどい会話をした結果が、「俺たち、コンビ解消だな」……別れの言葉。
そのときの、ビンスの瞳。
見ていて、「痛っ」と思った。
それ言っちゃイカンだろうピエール!!
見ているこっちが息をのむくらい、ビンスの傷がわかった。彼の味わった痛さが伝わった。
おかげで、ピエールを裏切り、陥れるビンスの行動が、まったくもって憎めない。
そりゃ、復讐するわ……あれだけ傷つけられたんだから。
きれいに別れてなんかやらない。
俺を捨てるというなら、一生忘れられないくらい傷つけてやる。
忘れられるくらいなら、憎まれた方がいいってか。
ピエールを傷つけることで、結局は自分の心もさらに傷つくのに、それでも愛する相棒を傷つけずにはいられない。
そーゆー絶望的な寂寥が、ビンスには満ちていた。
以来、わたしゃコムちゃんを「コム姫」と呼ぶようになった。
なんつったってあーた、傷ついた瞳が絶品なんだもんよ。
彩輝直が心の傷ゆえにすねた瞳が絶品なのと同じよーに、コム姫は傷ついた瞳が絶品なのよーっ。鼻息。
だからこそ、コムちゃんは傷つけてなんぼ。
ナイーヴでいてなんぼ。
泣かせてなんぼだ!
スサノオ万歳!
傷だらけの朝海ひかる万歳!!
さすがキムシン作品はあてがきうまいよねえ。コム姫を絶望させるなんて、使い方をよーっくわかってるわぁ。
それでいて、コム姫の絶品表情をわざと観客に見せないってのは、まったくもってどうなのよー、にくいわぁああぁぁ。キリキリキリ ← ハンケチを噛む音(笑)。
アマテラスが振り向かないのは正解よ。
もし振り返っちゃったらきっと、彼女は天の岩戸に隠れることなんてできなかったろうから。
どんな女も、コム姫の「傷ついた瞳」を見たら、抱きしめて愛撫してあげたくなるから!!(笑)
「泣かないで、わたしはどこにもいかないわ」
って髪を撫でてあげたくなるから!!
とことんまで、彼をあまやかしてあげたくなるから。
…………男にもいろいろあるけどさー、ここまで母性本能直撃してくれる男もいいよなあ(笑)。
『ノバボサ』や『SAY IT AGAIN』のころのコムちゃんは、ほんとに魔性の美少年を地でいってたからなあ。爆発的に人気が出て、石を投げればコムファンに当たったあのころ。
あちこちから、コム姫の魔性ぶりを聞かされたなあ(笑)。微笑ましかったなあ(笑)。
今は当時と雰囲気はちがってきちゃってるけど、この芸風は独特、希有なものだよねー。
芯に立つ力強さを得てなお、この繊細さを持ちつづけてほしいナリよ、ほんと。
心から思う。
わたしは、スサノオ@コムが大好きだ。
そして。
……演出でわざと見せてくれない「傷ついた瞳」を、見てみたいと思っているのコトよ。
……の、話のつづき。
去っていくアマテラスを追いかけるスサノオの顔。
ねえねえ、これ見せないのってすごくない?
わたし毎回、せつなさに胸がきゅんきゅん(笑)するんですが。
暴力をふるったスサノオに対し、アマテラスは彼に背を向け、天の岩戸に隠れた。
スサノオは舞台中央で、去っていくアマテラスを見つめている。
わたしたちに向けているのは背中。
いったいどんな顔で、アマテラスの背中を見つめているのか。
見送るスサノオは、アマテラスの後を追って駆け出す。手を伸ばし、彼女を求める。
その駆け出す一瞬前に、スサノオは小さく首を振るのよ。
幼い子どものように。
力無く、はかなく、いやいやをする。
そして、なにかに引きつけられるように、姉のあとを追うの。
そこに意識は感じられない。張りつめた意地だとか、プライドだとかは消え失せ、本能のみに従って無意識に身体が動いたような。
どんな顔で、愛する姉を追ったの?
どんな顔で、振り返らない背中を求めたの?
わたしが朝海ひかるという役者を好きになったのは、彼の傷ついた瞳ゆえだ。
コムちゃん自身にどれくらい演技力があるとか、なにをどう考え計算して演技しているかとかは知らない。
だけど、彼はときおりものすごーくわたし好みの演技をする。わたしのツボにクリティカルをくらわす存在になる。
最初にソレを意識したのは、『SAY IT AGAIN』だ。親友を裏切る男ビンス役。
何故ビンスは、親友のピエール@ナルセを裏切ったか。
ピエールが、嘘をついたからだ。
親友にとっていちばん大切な存在は自分であることをたしかめたくて何度も言いつのったビンスに、ピエールから返された言葉は、別れの言葉だった。
ピエールを信じたい、これからもふたりで生きていきたい。……だからこそ言質を取りたくてくどい会話をした結果が、「俺たち、コンビ解消だな」……別れの言葉。
そのときの、ビンスの瞳。
見ていて、「痛っ」と思った。
それ言っちゃイカンだろうピエール!!
見ているこっちが息をのむくらい、ビンスの傷がわかった。彼の味わった痛さが伝わった。
おかげで、ピエールを裏切り、陥れるビンスの行動が、まったくもって憎めない。
そりゃ、復讐するわ……あれだけ傷つけられたんだから。
きれいに別れてなんかやらない。
俺を捨てるというなら、一生忘れられないくらい傷つけてやる。
忘れられるくらいなら、憎まれた方がいいってか。
ピエールを傷つけることで、結局は自分の心もさらに傷つくのに、それでも愛する相棒を傷つけずにはいられない。
そーゆー絶望的な寂寥が、ビンスには満ちていた。
以来、わたしゃコムちゃんを「コム姫」と呼ぶようになった。
なんつったってあーた、傷ついた瞳が絶品なんだもんよ。
彩輝直が心の傷ゆえにすねた瞳が絶品なのと同じよーに、コム姫は傷ついた瞳が絶品なのよーっ。鼻息。
だからこそ、コムちゃんは傷つけてなんぼ。
ナイーヴでいてなんぼ。
泣かせてなんぼだ!
スサノオ万歳!
傷だらけの朝海ひかる万歳!!
さすがキムシン作品はあてがきうまいよねえ。コム姫を絶望させるなんて、使い方をよーっくわかってるわぁ。
それでいて、コム姫の絶品表情をわざと観客に見せないってのは、まったくもってどうなのよー、にくいわぁああぁぁ。キリキリキリ ← ハンケチを噛む音(笑)。
アマテラスが振り向かないのは正解よ。
もし振り返っちゃったらきっと、彼女は天の岩戸に隠れることなんてできなかったろうから。
どんな女も、コム姫の「傷ついた瞳」を見たら、抱きしめて愛撫してあげたくなるから!!(笑)
「泣かないで、わたしはどこにもいかないわ」
って髪を撫でてあげたくなるから!!
とことんまで、彼をあまやかしてあげたくなるから。
…………男にもいろいろあるけどさー、ここまで母性本能直撃してくれる男もいいよなあ(笑)。
『ノバボサ』や『SAY IT AGAIN』のころのコムちゃんは、ほんとに魔性の美少年を地でいってたからなあ。爆発的に人気が出て、石を投げればコムファンに当たったあのころ。
あちこちから、コム姫の魔性ぶりを聞かされたなあ(笑)。微笑ましかったなあ(笑)。
今は当時と雰囲気はちがってきちゃってるけど、この芸風は独特、希有なものだよねー。
芯に立つ力強さを得てなお、この繊細さを持ちつづけてほしいナリよ、ほんと。
心から思う。
わたしは、スサノオ@コムが大好きだ。
そして。
……演出でわざと見せてくれない「傷ついた瞳」を、見てみたいと思っているのコトよ。
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