さて、わたしの友人たちは、今回の月組公演のチケットを前もっておさえていない人も多かった。
 わたしの周囲限定の話だが、今回の月組公演は人気がなかった。
 さえちゃんを嫌いな人が多いことが、理由のひとつ。
 そしてもうひとつの理由が、ショーが『タカラヅカ絢爛』だからだ。
 
「さえちゃんでしょ? 作品がいいなら観てもいいけど、『タカラヅカ絢爛』じゃ観に行く気しない」
 と、何度、何人の人の口から聞いたことか。
 きっとこれが人気作家の作品だったら、
「さえちゃんでしょ? オギーだから仕方ないから1回は観るわ」
 とかになるんだろーなー。
 劇団は客をなめてるんだろうけど、出演者人気とは別に、作品の如何で左右されちゃうんだけどな。

 続演は、悪い方にしか働かなかった。わたしの周囲では。せめて新作ショーなら「観てみるまでわからない」ってことで、1回は観てもらえたかもしれないのに。
「ショーが最初から駄作だってわかっている公演に、お金は使えない。出演者を好きでもないのに」
 ということだ。

 わたしはキャストを好きだし、本命氏のいたところでもあるので、月組には愛着がある。柴田先生の日本物だし、さえちゃんの蘇我入鹿はきれいだろうし、期待はあった。
 それでも役替わりがなければ、前もって買うチケットは1枚こっきりだったろう。
 だって、ショーがキライだから。
「ショーが最初から駄作だってわかっている公演に、お金は最低限しか使えないわ。出演者にそれなりの好意があっても」
 ということだ。

 歌劇団のやることは、ほんとにわからない……。
 チケット売りたかったら、新作ショーでお披露目させてやればいいのに。さえちゃんの魅力をこれでもかとアピールする、完全あて書きのショーを。
 それとも『タカラヅカ絢爛』に絶対的自信があったのか? それこそ『エリザベート』並に、観た人は涙を流して感動し、何度でも劇場に足を運び、続演も観ずにはいられなくなるって? …………バカ?(首傾げ)
 万人に受けるものとそうでないものの区別もつかないのかしら。万人に受けるのは、もっと特色のない薄いものだよ。絶賛する人はいないけど、嫌う人もいないもの。
 『タカラヅカ絢爛』は、最極端にある作品。とことん強い個性、原色ぎらぎら。オーソドックスさはどこにもなく、冒険的意欲的な世界がそこに。
 好きな人にはこたえられないものかもしれないが、嫌いな人にはまったく受け付けられない作品。

 実際のところ、星組で上演された『タカラヅカ絢爛』の世間一般の反応やら評価やらは知らない。わたしの周囲ではすこぶる評判が悪かったことと、前回の星組公演は東宝劇場までさばきで観に行ったんだが、買い手市場ゆえ定価以下で買えたことぐらいしか、わたし自身には判断材料がない。
 これはとても狭い範囲の話だから、世間一般がどうだったのかは、わからない。友だちってのはそもそも、似た感覚の人がなるわけだから、わたしがキライなものをわたしの友だちがキライであっても、なんら不思議はないわけだからな。判断対象にはならんさ。

 ほんとのとこ、どうだったの? みんなあのショー、好きだった?
 わたしはタカラヅカを観たいのであって、えせキューバショーを観たいわけではなかったのよ。演出家の自己満足世界を観たいわけではなかったのよ。

 たんに、経費節減という目先の利益しか見えていないのなら、ほんとにバカだなー、と思う。
 商売下手過ぎ。

 
 というのが、実際に観に行くまでのわたしと周囲の反応。

 
 つーことで、実際に観てみて。

 感想。星組の『タカラヅカ絢爛』よりは、ずっとマシ。

 あくまでも、わたし個人の意見ね。
 星は「2度と観たくない」だったけど、月は「また観てもいいか」ぐらいだった。

 つーのもだ、月組の『タカラヅカ絢爛?』は、なんだかんだいってかなり「タカラヅカのラテンショー」だったんだ。

 舞台のレベルとか、キャストのクオリティの話ではなくて、作品のカラーがね、月組の方がより「タカラヅカ」だったの。
 わたしが見たいのは「タカラヅカ」よ。えせキューバショーじゃないわ。と立腹していたわけだから、「タカラヅカのラテンショー」になっていた月組は、OKだったわけよ。そりゃ、ものすごく好きだとは思えないけど、数あるどーでもいーショー作品のひとつくらいには、ふつーに観られる。星組のように「キライ! もう観に行かない!」と思うようなものではなかった。
 よかった……役替わりのために3回も観なきゃいけないショーが「キライ」レベルじゃなくって。ふつーでよかった。心底、胸を撫で下ろしたよー。

 さて、相変わらず予備知識なく観ているので、誰がなんの役でどこに出ているとか、なにが変更になったとか、まったく知らないまま観ました。
 月組ではわたし、不動のゆうひファンだし、特出のかしげファンでもあります。だもんで自然とこのふたり中心で観てるかな。

 
 今回おどろいたこと。
 我が愛するゆーひくんの扱いが、「歌手」だったこと!!

 かかかか歌手?!
 音痴のレッテルを貼られていたゆーひが、歌手ですか?!

 わたしはゆーひくんを音痴だとは思ってません。
 ファンの欲目もあるだろうけど「歌が苦手」なだけで音痴なんかじゃないと思ってるわ。周囲からはいろいろ言われたけどっ(笑)。
 ゆーひくんの得意分野は歌とかダンスとか演技とかいう技能系ではなく、「美しさ」や「スタイルの良さ」や「色気」だと思っているので、多少歌がアレでも演技できる役の幅が異様に狭くても開脚ができなくてもブレずにターンできなくてよろめいていてもウザそーに踊っていても、そんなのぜんぜん気にしないわっ。
 いいのよ、見ているだけでしあわせなんだから。わたしの愛するアライグマくんなんだから。

 愛ゆえに、実力の「?」部分を全部スルーして見守ってきたゆうひくん。
 まさかここで、「歌手」ですか……。
 今の月組って……。

 幕開きからゆーひくんのソロで、わたしゃびっくりしました。

 ……かっこいい……ぽっ。

 じつはわたし、ゆーひの黒塗り、好きなの。ぽっ。
 それに声も好きだったりするしね。「俺は男役」と根性据えた歌い方をしてくれると、すっごくすてきなのよー。
 なんかフェロモン垂れ流してるよね、1場のゆーひさん。歌もなんか、それなりにうまく聞こえたんですが、幻聴ですか?

 文字数足りないんでまた別の欄へつづく。

         

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