さて、ヅカの感想ばかりにかまけて(萌えて・笑)、映画の感想が溜まっています。今で6本かな〜。ゲームの話も最近書いてないしなー。テレビドラマの感想も、いろいろ書きたいことあったのになー。やっぱ『澪つくし』はおもしろいよなー。かをるの結婚式でマジ泣きしちゃったよ。照れ。『新選組!』は抱腹絶倒のすばらしいドラマですよねえ。とりあえず佐藤浩市受派のヒトには、これほど美味な作品もないでしょう。
 と、改行ナシにだらだらしたあとで。

 
 アホ映画の『ヒューマン・キャッチャー』を見ました。

 なんでこんな映画、見るかなわたし(笑)。
 自分でつっこみつつも、誘われたらけっこーなんでも見ちゃうもんで。
 試写会じゃないよー、ちゃんとお金払って見たんだよー。350円だったけど。
 なんせ350円、ビデオのレンタル代と変わらない金額だったんで、たぶん点数かなり甘いと思う。定価払って見たら怒り心頭でも、この値段なら「脱力系とはいえ、笑えたからまあいいか」と思っちゃうからなー。

 ジャンルは、ホラーです。……笑えるけど。脱力するけど。

 監督・脚本ヴィクター・サルヴァ、出演レイ・ワイズ、エリック・ネニンジャー。
 2001年に公開された『ジーパーズ・クリーパーズ』の続編。原題は『ジーパーズ・クリーパーズ2』なのに、何故かまったく無関係な邦題がつけられた。

 邦題の意味がまたすごいんだ。
 人間を食料にする、謎のクリーパー。そいつは自在に空を飛び、地上を逃げまどう人間を襲う。
 そう、獲物である人間のアタマをひょいっと掴み、空に連れ去るんだ。
 まるでUFOキャッチャーのように。

 UFOキャッチャーって……固有の商標だったよーな気がするんだが。一般にはクレーンゲームっていうのかな。SONYのウォークマンと同じで、商標が一人歩きしちゃってるんだろうけど。

 それにしても、UFOキャッチャーみたいに人間を連れ去るから、ヒューマン・キャッチャーって……。
 タイトルからしてすでに、相当アホっぽいんですけど。

 まあきっと、すべてわかったうえで宣伝しているんだろうなあ。

 わたしもさすがに、マジなホラーだとは思わずに見に行ったので、気持ちよくとほほな笑いを堪能しました。

 1作目を見ていないんで、クリーパーの正体とかさっぱりわかりません。
 とにかくヤツは存在していて、とにかく人間を襲う。理屈はないし、理由も知らない。
 化物といっても、翼があるだけで基本は「人間の男」に近い姿をしているし。

  
 それにしても。
 素直に笑えるところと素直に疑問なところはまったく同じ。

 ねえねえ、ホラーっていうとやっぱ、主人公は女性であるべきだよねえ?
 美女が恐怖に顔を歪め、逃げまどってこそ華というか。
 かよわきものが襲われるからこそ、感情移入もしやすいっていうか。

 しかしこの作品。

 狙われるのは、ムキムキのマッチョ・ボーイズなんだわ……。

 笑えるところと、疑問なところはまったく同じ。

 なんで女じゃないの?! なんで筋肉男たちなのっ?!

 こんなに漢くさいホラーって、どうよ……。

 狙われたのは、高校のバケットボール部員たち。
 なんせアメリカ人だから、日本の高校生とはワケがチガウ。でかいわごついわ筋肉だわ。腹筋きれーに割れてます、てゆーかこいつら露出度高すぎ、みんな一度は脱いで肉体美を披露、いちいち脱ぐなよ、誰が誰だか余計わかんなくなるよ。

 なんか、臭ってきそうな男臭い画面……。

 そこへ襲いかかるクリーパー!!
 カラダはムキムキでも、まだ高校生だ、みんなパニックを起こして逃げまどう!

 次から次へと殺されるんだが、クリーパーには好みも趣味もあって、わざわざ選り好みしてるんだよねー。いやあ、クリーパーくんの趣味ってわかんないわぁ。
 わかったのは男が好きなんだなってことぐらいだ。

 バスケ部員には、マネージャーの女の子も数名まじってたんだけど、彼女たちには見向きもしない。
 監督とかバスの運転手とかの「中年」というくくりの生き物は好みではないらしく、かなりおざなりに捕獲。若者たちを孤立させるためだけに中年たちを先に殺したのねー。本命はぴちぴちの筋肉野郎どもなのよねー。

 ものすっげーたのしそーに襲いかかるクリーパーと、逃げまどう筋肉野郎ども。
 どすこい悲鳴が轟き渡る。

 なんか、チガウ意図の映画を見ている気分に……。


 
 へんなところでツボに入って、笑えて仕方なかった。
 
 ホモでおちゃめなクリーパーくんは、手作りの武器なんか使っちゃうしなっ。
 お気に入りの獲物の「カラダ」で作った武器。
 骨と皮でできてるのー。
 とくにお気に入りだったのが、カラダのあちこちにタトゥを入れた少年。
 わざわざ少年の「タトゥ入りのへそ」の皮を使って、手裏剣作って愛用してんだよ……。
 愛した少年のカラダを使って、身の回りのモノを作るんだね……すごいね……マメだね……。

 なんか思わず、『スサノオ』を思い出しちゃったよ……。
 スサノオの死体から、月読様は笛を作ったんだよねええ。
 ホモスキー仲間のかねすき嬢は、そのシチュエーションにやばいくらいハァハァしてたなあ。
 月読様が、弟の死体から服を脱がせ、裸のカラダを撫で回し舐め回し、いろいろなさったあとに笛を作ったのだと。
 彼女のあまりの煩悩の深さに、さすがのわたしも両手を挙げて降参したっけ。

 それを思い出した……。

 クリーパーくんも、お気に入りの筋肉少年を裸に剥いて、撫で回し舐め回ししてたのしんでるのかしらー。
 殺して食べて、残った骨やら皮やらで工作しちゃうんだー。ほえー。

 
 それにしても、クライマックスが納得いかない。
 息子の仇としてクリーパー退治に燃えた戦うお父さん@レイ・ワイズが、あんな始末の仕方をするなんて、あまりにご都合主義。あわよくば続編を、てなハートですか?
 それまではアホ・ホラー映画だと割り切ってたのしんで見ていたのに、展開の「ずるさ」に見ていていらいらした。

 仇を討つなら、なんでそこでガソリンぶっかけて火を付けないんだよー? あそこでやっていれば、時間内に殺せたのに。
 時間切れしたって、どこぞの処理場の硫酸のプールにでも自らの手で沈めてしまえよ。それでこそ復讐だろーに。

 嘘を嘘だとわかったうえで笑えていただけに、ラストで制作側のせこさが見えたことに水を差され、一気に現実に戻ってしまった。
 おかげで、後味悪いぞ。

 まあ、最後までしょぼかったし、そのしょぼさを笑うには、いい温度なんだけど。

  
 臭いそうなぴちぴちの筋肉男たちが逃げまどう、サバイバル・ホラー。
 いちお、クリーパーくんが若い筋肉男を狙う理由を、ひとから聞きました。獲物の皮をかぶって新しい肉体になりかわったりするんで、元気な筋肉男を好むそうです。
 でもソレ、ただの言い訳にしか思えないなあ(笑)。

       

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