Be-Puちゃんおすすめの店が、いつのまにか宝塚にできていた。
 その名も『もち吉』
 楽屋口そばの交差点を、踏切の方へ行ったところ。あのみょーちくりんな鼻水噴水のある角の向かい。

 おせんべいの店だ。

 この店を見つけるなりBe-Puちゃんは奇声を発し、駆け寄っていきました。
「九州ではものすごく有名な店なのよっ」
 九州人のBe-Puちゃんは、福岡にいたころ高頻度でここのせんべいを食べていたそうです。

 Be-Puちゃんの鼻息はすごいし、WHITEちゃんは無類のおかき好き。ふたりがお買い物する横で、わたしひとりぼーっとしてるのもなんだし。
 とりあえず、買ってみた。

 「激辛せんべい」とやらを。

 いろんなところで「激辛」と名の付いたせんべいを買ってきたが、どれもどーってことのないものだったので、期待はなし。
 ふつーに考えて、「食べられない辛さ」のものを、企業が販売するはずがないのだから、仕方ない。

 まったく期待なく、自宅でかじり……。

 驚愕。
 か、辛い……っ。


 『暴君ハバネロ』なんか、足元にもおよばない。
 なんじゃこの辛さは。

 ……やーん、辛いー、すごいー、汗かいちゃうー。顔、にやけるー。

 わたしはもともと消化器系が弱く、辛すぎるものを食べるとおなかが痛くなるんだなー。
 『ハバネロ』は2袋一気に食べたら、なんとなく腹の調子が悪くなった。

 しかし、もち吉の激辛せんべいは、2枚食べただけで、腹が痛くなった。

 すげえ。
 こんなにダイレクトにカラダに変調きたすなんて。

 あまりに愉快な辛さだったので、家族にすすめてみた。

「おなかが痛くなるようなモノ、食べたくないわ」
「不愉快な味をわざわざ食べて、なんでカラダをこわさなきゃならないんだ?」
「唐辛子でも舐めてろ」
「それはすでに、せんべいである必要性があるのか?

 けんもほろろ。
 誰も、ひとかけらさえ食べてくれない。

 なんでー?
 激辛、って言われたら、とりあえず食べてみたくなるだろう? わたしならそうだぞ?
 なんで味見すらしてくんないのよー。

 ホラーゲームをひとにすすめたときの反応と似ているわ。
 どんなにこわいかを切々と訴えると、みんな口をそろえて
「そんなにこわいなら、絶対やらない」
 って言うのよ。

 ものすごくこわいなら、プレイしてみたくなるだろ?
 ものすごく辛いなら、食べてみたくなるだろ?

 ……どうしてみんな、わたしがすすめるものは、逆の反応とるのよー。
 セールスポイント(こわいとか辛いとか)を、拒絶ポイントにするのよー。

 
 とにかく、感動の辛さです、もち吉の激辛せんべい。
 辛いモノ好きな人はチャレンジよろしく。

 わたしは腹痛をなだめながら、それでもよろこんで食ってます。ああ、癖になる辛さだわ……。うっとり。

       

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