6月6日、Be-Puちゃんのお誕生日。その日、わたしは宙『ファントム』観劇で、WHITEちゃんとBe-Puちゃんは花『NAKED CITY』観劇。それぞれ見終わったあとは落ち合って遅めのランチの予定。
 『NAKED CITY』初観劇のBe-Puちゃんは言う。

「あのキャシーって役をやった子、男役?」

 Be-Puちゃん……。きほちゃんは新公ヒロインやっちゃう新進気鋭の娘役ですが。

「花組観るの、すっごいひさしぶりなんだもん。知らない顔ばっかでとまどったよ」

 花組ファンだったくせに……。
 愛するチャー様が卒業し、大嫌いなオサがトップになってからは、見事に花組を見捨てている模様。まあそれも正しいヅカファンの姿でしょう。
 みわっちの学年以上しか生徒さんの見分けがつかないと言うBe-Puちゃん。作品的にはすっごく気に入ったし、大好きなゆみこちゃんが素敵だったので満足だが、上級生の使い方にはいろいろ不満があるそうだ。うまい人たちの出番があれっぽっちだなんて、もったいない、と。

「でも、五峰亜季さんのエロ尻を見られたから、それでいいわ」

 エロ尻。

「やっぱエロいねええ、あの人の尻」

 どこを見てるんですか。

「あの尻を見て、『ああ、五峰さんだわ』って、すっごくなつかしかったよ」

 五峰亜季の、エロ尻。
 そう、あれは何年か前の雪組公演だった。
 タイトルは忘れたが(調べるのめんどくせー)、あるショーで、スター娘役が尻たぶを半分見せて踊るという、すばらしいシーンがあった。
 尻を披露するスターのひとりは、星奈優里ちゃん。くるりと後ろを向いた途端見える、キュートなお尻にどきどき。きゅっと引き締まった小振りなヒップ。女の目から見て「美しい」と思える、まさしく美尻。
 そしてもうひとりが、五峰おねーさまだった。くるりと後ろを向いた途端見える、セクシーな尻にはらはら。肉感的というか、熟れてますっていうか。ダンサー五峰姐さんだからもちろん、その尻は鍛えられた実用的な尻なんだが……なんであんなにエロいの?!
 星奈ちゃんの尻はうっとり眺めていたい美尻だが、五峰姐さんの尻は目のやり場に困る、まさしくエロ尻だった。
 いいのか、あんないやらしー姿でがんがん踊ってて!

 もっとも、このふたりの美女の尻の印象は、さらなる尻の持ち主の登場によって、ぶっ飛んだ。記憶から消えてしまった。
 さて、尻見せ美女の3人目、トリを飾るのは真打ち登場、ディスコ・クイーン、タータンだった。
 くるりと後ろを向いた途端見える尻に、客席は阿鼻叫喚。

 タータンの持ち味は、なんといっても「渋いおやぢ」だ。包容力と男らしさ、青二才には真似できない大人の男の色気ってやつだ。
 その中年男の、まさかの女装。
 ショーの一場面だから、当然顔は男のまま、衣装だけ女物。
 その女装オヤジの、まさかの尻見せ。

 きゃあああぁぁぁああっ!!
 なななななんてこと、させんですかぁぁああっ。

 のりのりで腰を振るタータンに、涙。
 おぢさん……ごついです……こわいです……。

 タータンのすさまじい尻のインパクトで、他の尻の印象がぶっ飛んでしまった。
 
 あー……忘れてたよ、五峰姐さんの尻……エロエロだっつーんで当時、盛り上がったねええ。あのシーンはわたし、古代みず希さんばっか見てたよーな気もするが……。Be-Puちゃんは五峰姐さんの尻に釘付けだったのよね。

 そしてBe-Puちゃんにはもちろん、「バーナード×ビリー」も、「みわっち、マワされてたよね?」も、すっぱり否定されました。
「そんなふうに見える緑野が、腐ってる」と。

 
 腐っていようがいまいが。
 作品が気に入ったわたしは、いそいそとその翌日、つまり今日もムラにでかけました。
 花組バウ『NAKED CITY』千秋楽。
 適度にチケットが流通している公演は、ほんとありがたいっす。念願の段上がりセンターで、じっくり作品全体をたのしみました。
 

 演技をしているときだけが生きているときだという、女。
 ファインダーをのぞいているときだけが生きているときだという、男。

 こいつら、同じこと言ってんだよなあ。

 女は、撮られることで。
 男は、撮ることで。
 レンズを通してだけ、「世界」と関わることができる。

 何故ならば、「自分をキライ」だから。

 
 とりあえずわたし、ビリー好きだなー。

 わざと悪ぶって「恋人の居場所を教えて欲しかったら、一晩つきあえ」と言い、そのくせあっさり教えちゃって、「一晩」はなかったことに。
 んじゃ口だけのヘタレ野郎かと思えば、嫌がる女を強引に抱き寄せることはする。

 ビリーとデイジー、鏡に映った自分自身みたいな男と女。
 このふたりが向き合うことになったきっかけは、やっぱり「1枚の写真」なんだなとしみじみ思った。
 デイジーの「あたし、あなたの写真好きよ」→「あなたに会いたかったのかもしれない」→ビリー、デイジーが去っていこうとするのを止める、までの流れにめーっちゃときめくんですが(笑)。

 なんか、すいこまれるように、ビリーはデイジーの腕を取るんだよね。
 アレ、無意識だよね?
 今までビリーは、無意識に女を追ったことなんかなかったよね?
 だから自分でもおどろいてるんだよね。

 他の男のもとへ行こうとする女の腕を、無意識に掴む。
 ビリーの目は、ずっとデイジーの顔に注がれたままだもん。視線は一切動かさず、手だけ動くの。
 思わず、引き留めちゃったんだよね。行くな、って。
 台詞はないけど。

「せめて一曲だけ」
 って、強引に抱き寄せて、踊って。
 ……これがまた、泣けてくるくらい、拒絶されまくりだし(笑)。
 嫌がる女を何度も引き戻し、「時よ止まれ」てなせつない情熱で踊る。

 「あなたの写真、好きよ」→「あなたに会いたかったのかもしれない」は、殺し文句だわ……。

 写真でしか「現実」と関われない「自分自身をキライ」な男が、これを言われたらそりゃ墜ちるって。
 魂の共鳴を感じてしまうって……。

 アムロとララァみたいなもんだねえ。
 アムロには「突然」、ララァには「遅すぎた」。
 ララァはもう、シャアを愛している……。

 
 なんにせよ、大好きだったわ、『NAKED CITY』。
 恋愛至上主義以外の物語も大好きなわたしは、とってもたのしめました。

 段上がり席のおかげで、念願の兄貴の死体も見られたし。
 顔が隠れていたなんて、マジ知らなかったって……前方席は舞台と目線が高さ一緒なんだもん。

 
 ところで、前述のBe-Puちゃん。
 夏恒例の伊藤園チケットプレゼントにわたしが応募するつもりでバーコードを集めていると言ったら。
「なんならワタシの住所使ってくれてもいいよ」
 とのこと。
 ありがとう、んじゃ、当たったら一緒に行きましょうね、と言ったのに。

「いらない。チケット全部あげる」
 だそうだ。

 …………ほんっとーに、オサがキライなんだな(笑)。
 
    

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