見てはいけないモノを。@宙組新人公演ファントム
2004年6月1日 タカラヅカ 見てはいけないモノを、見てしまった……!!
宙組新人公演『ファントム』。
見てはいけないモノを見てしまった。
うろたえ。
あの肖像画はどうなのよ??
本役さんと新公役さんで同じ顔だと、肖像画の使い回しができていいわね。だから本公演の肖像画はエリック・ママではなく、もろクリスティーヌの顔に描いてあったんだわ。
……そう納得していたのに。
何故、写真切り貼り?!
肖像画の顔の部分だけ、わざわざ写真を貼り付けてあるって、なんだそりゃ。
そんな小細工をする必要があるのか??
笑わせたいのか? 脱力させたいのか?
意図がわからん。
ファントム@七帆くんに「顔を見せて」と愛を歌うクリスティーヌ@アリスちゃん。ああ、美しい歌声、ひろがる慈愛。
しかし。
クリスティーヌの後ろには、お笑い肖像画が。
上手席にいたもんで、クリスティーヌを見ようとすると、どーしても彼女の後ろに肖像画が見えてしまう。
……笑わせたいのか? 笑わせたいのか、演出家!! しかもドリフのコント系の笑いだぞ?! 涙。
見てはいけないモノを見てしまった。
うろたえ。
路線男役の、鼻水。
名前は出しません。彼の今後の人生に響くといやだから(笑)。
しかし、舞台であそこまで本格的な鼻水を見たのははじめてだ……。
鼻の下に垂れてる程度のなら、何度も見たけど。そんなレベルじゃなかった……。
そーだよなー、鼻水ってのは、垂れるもんなんだよなー。
たらーっと、線になって空を切り、床に落ちました。涙ではありません。粘度の高い液体でした。だから長ーくのびて、ゆっくりと落ちた。
いや、舞台でなくても見るのはじめてだ……地面に落ちるほどの大量の鼻水……。
そこまで大量に鼻水を床に垂らしながらも、彼は洟をぬぐおうとはしませんでした。そのまま、演技を続けていました。
鼻血を吹いた顔を観客にさらした、姫川亜弓を見る思いでした……!
ビバ役者魂!!
彼を応援しようと、心に誓いました(笑)。
肖像画については演出家を問いつめたいところですが、それ以外の演出はすげーよかったです。
てゆーか。
ラストはアレでいいのか??
おどろいた。
心底おどろいた。
やっていいのか、あんなこと。
ラストシーンが、本公とは別物になってました。
本公演、というか、『ファントム』という作品について、わたしは言いたいことが山ほどあります(笑)。もー、不満だらけ(笑)。キャリパパ×エリック萌え!!ってことで帳消しにしてたのしんではいますが、作品的には「どうよ?」がありすぎ。
萌えばかり語って、作品についての感想をまだちゃんと書いてないっすが。(だって花バウに萌えちゃったんだもん……)
その数多い不満点の最大級の箇所が、ラストシーンでした。
『エリザベート』じゃないんだからさ……。ファントムとクリスティーヌが寄り添って昇天してくみたいなラストは、どうなのよ。
死んだ男と、生きている女が、どーして「そしてふたりは天国で結ばれました。めでたしめでたし」みたいな、ヅカでよくあるワンパターン・ラストで終わるの??
こんなわけわかんねーラストシーン、いらない。
あの死の瞬間、ファントム・エリックは最高に幸福だった。これ以上のしあわせはないっちゅーぐらい、すばらしい最期だった。
……それで終わってくれよ。なんで、せっかくの感動をぶちこわすのよ。
と、怒りすら感じていたラストシーン。
それが、新公では別物になっていた。
ファントム・エリックと、クリスティーヌが抱き合って昇天(?)するのは同じ。
しかしそのふたりの下に、エリック・ママ@和音ちゃんとちびエリックが!!
ええっ?!
あ、あの、そこで母子を出すと、ラストシーンの意味が変わってしまいます。
エリックとクリスティーヌは男女の恋愛、という本公演の趣旨を、エリックが求めたのは、母の愛という答えに変換してしまいますが??!
もちろんわたしは、それでいいと思っている。エリックが真に求めていたものは母の愛だと。クリスティーヌを愛し、求めたのも、彼女がママに似ていたから。似てなかったら、どんなに歌がうまくても、興味持ってなかっただろーな、と。
本公演も、途中まではちゃんとそう描いていたと思う。だから、いちばん盛り上がるシーンが、エリックとキャリエールの銀橋なんだと。男女のラヴシーンより、父と息子の告白シーンなんだと。
死にゆくエリックを抱きしめたクリスティーヌが、唇ではなく彼の醜い顔にキスをするのだと。
テーマが恋愛ではないからでしょう? 恋愛以上、といっては語弊があるが、慈愛とかそーゆー部分にまで昇華した愛の姿を見せてくれていたでしょう?
だからこそ、ラストシーンの脈絡ない「男女の恋愛」めいた演出が、不快だった。
作品のテーマから思い切り逸れてるやん。今までやって来たこと、積み上げてきたもの、全部自分たちでぶちこわしてるやん。
観客をバカにしている? 「王子様はお姫様と結ばれました、めでたしめでたし」以外の内容を理解できないと思っている? だから、どんなにまちがっていても脈絡なくても、「とりあえず主役とヒロインくっつけとけや。客はソレで満足するからな(鼻ほじり)」ってか?
これだけ意味なくても、無理矢理「王子様はお姫様と結ばれました、めでたしめでたし」で終わっていたこの作品が。
正しいラストシーンになっていた。
微笑む美しい母。彼女に抱きしめられて、微笑む少年。その頬に醜い痣はなく、母がその愛ゆえに信じていた通りの、美しい顔。
愛が、そこにあった。
愛する父の手で望みを叶えられ、母に似た愛する少女の腕の中で息絶える、最高のしあわせのなかにいるエリック。
そのシーンをも超えた幸福を、みせてくれた。
新公って、ここまでやっていいもんなの? テーマまで変えていいのー?
うれしかった。
見たかった物語を、見ることができた。
気持ちよく、盛大に泣いた。
ああ、それにしても。
こんなすばらしいラストシーンを観てしまったら、本公の嘘っぱちラストシーンを観られないよ……。ただでさえ嫌なシーンだったのに。
見てはいけないモノを、見てしまった……!!
宙組新人公演『ファントム』。
見てはいけないモノを見てしまった。
うろたえ。
あの肖像画はどうなのよ??
本役さんと新公役さんで同じ顔だと、肖像画の使い回しができていいわね。だから本公演の肖像画はエリック・ママではなく、もろクリスティーヌの顔に描いてあったんだわ。
……そう納得していたのに。
何故、写真切り貼り?!
肖像画の顔の部分だけ、わざわざ写真を貼り付けてあるって、なんだそりゃ。
そんな小細工をする必要があるのか??
笑わせたいのか? 脱力させたいのか?
意図がわからん。
ファントム@七帆くんに「顔を見せて」と愛を歌うクリスティーヌ@アリスちゃん。ああ、美しい歌声、ひろがる慈愛。
しかし。
クリスティーヌの後ろには、お笑い肖像画が。
上手席にいたもんで、クリスティーヌを見ようとすると、どーしても彼女の後ろに肖像画が見えてしまう。
……笑わせたいのか? 笑わせたいのか、演出家!! しかもドリフのコント系の笑いだぞ?! 涙。
見てはいけないモノを見てしまった。
うろたえ。
路線男役の、鼻水。
名前は出しません。彼の今後の人生に響くといやだから(笑)。
しかし、舞台であそこまで本格的な鼻水を見たのははじめてだ……。
鼻の下に垂れてる程度のなら、何度も見たけど。そんなレベルじゃなかった……。
そーだよなー、鼻水ってのは、垂れるもんなんだよなー。
たらーっと、線になって空を切り、床に落ちました。涙ではありません。粘度の高い液体でした。だから長ーくのびて、ゆっくりと落ちた。
いや、舞台でなくても見るのはじめてだ……地面に落ちるほどの大量の鼻水……。
そこまで大量に鼻水を床に垂らしながらも、彼は洟をぬぐおうとはしませんでした。そのまま、演技を続けていました。
鼻血を吹いた顔を観客にさらした、姫川亜弓を見る思いでした……!
ビバ役者魂!!
彼を応援しようと、心に誓いました(笑)。
肖像画については演出家を問いつめたいところですが、それ以外の演出はすげーよかったです。
てゆーか。
ラストはアレでいいのか??
おどろいた。
心底おどろいた。
やっていいのか、あんなこと。
ラストシーンが、本公とは別物になってました。
本公演、というか、『ファントム』という作品について、わたしは言いたいことが山ほどあります(笑)。もー、不満だらけ(笑)。キャリパパ×エリック萌え!!ってことで帳消しにしてたのしんではいますが、作品的には「どうよ?」がありすぎ。
萌えばかり語って、作品についての感想をまだちゃんと書いてないっすが。(だって花バウに萌えちゃったんだもん……)
その数多い不満点の最大級の箇所が、ラストシーンでした。
『エリザベート』じゃないんだからさ……。ファントムとクリスティーヌが寄り添って昇天してくみたいなラストは、どうなのよ。
死んだ男と、生きている女が、どーして「そしてふたりは天国で結ばれました。めでたしめでたし」みたいな、ヅカでよくあるワンパターン・ラストで終わるの??
こんなわけわかんねーラストシーン、いらない。
あの死の瞬間、ファントム・エリックは最高に幸福だった。これ以上のしあわせはないっちゅーぐらい、すばらしい最期だった。
……それで終わってくれよ。なんで、せっかくの感動をぶちこわすのよ。
と、怒りすら感じていたラストシーン。
それが、新公では別物になっていた。
ファントム・エリックと、クリスティーヌが抱き合って昇天(?)するのは同じ。
しかしそのふたりの下に、エリック・ママ@和音ちゃんとちびエリックが!!
ええっ?!
あ、あの、そこで母子を出すと、ラストシーンの意味が変わってしまいます。
エリックとクリスティーヌは男女の恋愛、という本公演の趣旨を、エリックが求めたのは、母の愛という答えに変換してしまいますが??!
もちろんわたしは、それでいいと思っている。エリックが真に求めていたものは母の愛だと。クリスティーヌを愛し、求めたのも、彼女がママに似ていたから。似てなかったら、どんなに歌がうまくても、興味持ってなかっただろーな、と。
本公演も、途中まではちゃんとそう描いていたと思う。だから、いちばん盛り上がるシーンが、エリックとキャリエールの銀橋なんだと。男女のラヴシーンより、父と息子の告白シーンなんだと。
死にゆくエリックを抱きしめたクリスティーヌが、唇ではなく彼の醜い顔にキスをするのだと。
テーマが恋愛ではないからでしょう? 恋愛以上、といっては語弊があるが、慈愛とかそーゆー部分にまで昇華した愛の姿を見せてくれていたでしょう?
だからこそ、ラストシーンの脈絡ない「男女の恋愛」めいた演出が、不快だった。
作品のテーマから思い切り逸れてるやん。今までやって来たこと、積み上げてきたもの、全部自分たちでぶちこわしてるやん。
観客をバカにしている? 「王子様はお姫様と結ばれました、めでたしめでたし」以外の内容を理解できないと思っている? だから、どんなにまちがっていても脈絡なくても、「とりあえず主役とヒロインくっつけとけや。客はソレで満足するからな(鼻ほじり)」ってか?
これだけ意味なくても、無理矢理「王子様はお姫様と結ばれました、めでたしめでたし」で終わっていたこの作品が。
正しいラストシーンになっていた。
微笑む美しい母。彼女に抱きしめられて、微笑む少年。その頬に醜い痣はなく、母がその愛ゆえに信じていた通りの、美しい顔。
愛が、そこにあった。
愛する父の手で望みを叶えられ、母に似た愛する少女の腕の中で息絶える、最高のしあわせのなかにいるエリック。
そのシーンをも超えた幸福を、みせてくれた。
新公って、ここまでやっていいもんなの? テーマまで変えていいのー?
うれしかった。
見たかった物語を、見ることができた。
気持ちよく、盛大に泣いた。
ああ、それにしても。
こんなすばらしいラストシーンを観てしまったら、本公の嘘っぱちラストシーンを観られないよ……。ただでさえ嫌なシーンだったのに。
見てはいけないモノを、見てしまった……!!
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