「主役はたかちゃん。相手役は樹里ちゃん」
「はなちゃんは?」
「お衣装がすごかった」

 バウホールのトイレで手を洗いながら、見知らぬお嬢さんたちが話していました。
 ハラショー。
 ツボに入ったわ。わたしはひとり、笑いをかみ殺すのに必死。

 見知らぬお嬢さんたち……あなたたち、めいっぱい素で、なんてすてき会話をしているの(笑)。

 宙組『ファントム』の話もしたいが、ここはやはり、花組バウホール公演『NAKED CITY』の話が先でしょう!! せっかく初日だしなっ。

 作品よりなにより、萌えと腐女子語り行きます!! 鼻息!

 
 まっつまっつまっつ!!
 まっつファンのわたしは、客席で悶え狂ってました。
 まっつ、めちゃかわええ。

 言わせてください。

 バーナード@まっつ × ビリー@ゆみこ!!

 なんなのよー、かわいすぎるよー、うっきゃ〜っ。
 スーツ姿の男がふたり、手をつないで走り回って……た、たのしい。ハァハァ。
 

 単独初主演のゆみこちゃん、ちょいとスレてるカメラマン・ビリー役が、とてつもなく似合ってます。か、かっこいい……っ!
 実力派のゆみこちゃんだから、なんとも安定した姿。小さな劇場に響きわたる美声。はあ、うっとり。

 しかし。
 言わせてください。
 ゆみこちゃんは、バウホール主演は2回目です。わたしはもちろん、前回も観ています。そして前回も、思いました。

 主人公に女が絡まないって、ソレなにごとっ?!

 前回の主演作では、ゆみこちゃんは愛する男のために生きて死ぬクールな男を演じていました。もろ『バナナフィッシュ』のアッシュでした。ストーリーもキャラも。
 せっかくいい女が周囲にいるのに、彼が愛しているのはらんとむだけでした。

 そして今回。
 いちおー愛している女がいることにはなってますが、……あ、あの? えーと、いちばん大きなテーマっちゅーか盛り上がりは、女、関係ナシでは??

 2回連続、彼の主演作は、メインテーマが女との恋愛以外ですか。

 言わせてください。
 それはつまり。

 「男役・彩吹真央は、女と恋愛させるより男と絡めたい」というのが、全世界の共通認識と思っていいってことですか?


 すげー(笑)。
 女より男かー。いいなー、そーゆー持ち味。
 女との恋愛モノをほとんどやったことがない、という男役スターで有名なのが、かのトドロキ様だけど、彼は男が惚れる攻男として演出家に愛されてきた人なんで、ゆみこちゃんとは反対だよね。

 ゆみこちゃんはなんつっても、受男を演じるとハマるよねええ。はあぁ、うっとり。

 
 2番手みわっちは、えらいことになってます。
 マフィアの下っ端ニコラ役。色気がしたたり落ちてる色男です。
 その美貌にも舌を巻きましたが。

 今回、目が飛び出、顎が落ちたのは。

 みわっち、マフィアのボスたちに、マワされてます!!……くるくると(笑)。

 えー……。
 あれは、どうなんでしょうねえ。
 ある意味、すみれコードぶっちぎりだと思ったんですが……たんにわたしの目が腐っているだけですか?(笑)

 ニコラは組織を裏切ったので、追われております。
 その状況を説明するときに、イメージ映像が使われておりました。
 つまり、4人のマフィアのボスたちが、逃げようとするニコラを抱き留め、腕の中で転がし、タンゴのポーズめいたキメを使い(もちろん女役はニコラ)、ニコラを翻弄します。
 男たちの腕の中で、みわっち……失礼、ニコラは、うめき、泣き、あえぎ、悶えています。

 …………とてつもなく、いやらしいものを見せられているよーな?

「あれ、マワされてたよね?」
 と、終演後にわたしが言うと、
「うん。どー見てもヤられてた」
 と、同行のWHITEちゃんも溜息をついてました。

 すすすすすげえ。
 すげえもん見たよ、ありがとう!!

 いや、冷静に考えて、たんに暴力をふるわれていただけにしても、あのシーンはめちゃくちゃエロいです。
 あえぐみわっち……悶えるみわっち……。ハァハァ。

 
 しかし。
 主人公と準主役が、ふたりそろってってのは、どういうことですか、演出家(笑)。

 そりゃまあ、総攻の色男ちはる兄貴が出演してますから、大丈夫っちゃー大丈夫ですけどねえ。

 ニコラ@みわっちは、ウィリアム@ちはる兄貴の愛人のひとりだよね?
 ヒロインのデイジー@あすかちゃんがそうであるように。
 ウィリアムはオトコマエなボスなので、男も女もカモォン、問題ナシに愛せちゃうし囲えちゃうおぢさまなのー。
 そして、デイジーを平気で切り捨てられるように、ニコラのことも切り捨てたのね。
 ウィリアム×ニコラ……愛ナシ、金と欲だけの関係。も、萌え……。
 
 
 さて、われらがまっつは、真面目ぼっちゃん甘ちゃんバーナード。彼はなしくずしに「悪(ワル)」のビリー@ゆみこと行動を共にする。
 はじめは引き気味だったのに。
 一緒にいるうちに、どんどんビリーに惹かれていく。
 特筆すべきは、「踊るぜ今夜は!」とかゆー店でのバーナード。台詞はほとんどないまま、彼が恋に落ちていく様を見ることができます。

 だってバーナード、ビリーしか見てないし。

 自分の女上司が以前ビリーとつきあっていた? という疑問に最後までこだわっていたのも、恋のなせるわざ。だって、惚れた男の元カノが上司じゃ、やりにくいもんなあ。バーナードは裏表のない子で、心にわだかまりなんか持って仕事できないよー。
 よかったね、否定してもらえて。これで憂いなく上司のもとで仕事できるねっ。

 
 てっきり主人公とヒロインの恋愛モノだと思って見ていたら、そーではなくて、主人公の自分探し+成長モノだった。恋愛は彼がステップアップするためのスパイスのひとつ。
 物語の最後に、ひとつ成長したビリーがカメラを持って立つ姿は、等身大の青年としてのすがすがしい美しさにあふれている。
 脳内ナレーションが響くよ。
「こうして彼は、ひとつ大人になった……」

 そして、この物語をバーナード視点で見た場合の、ラストシーンの脳内ナレーションは。
「こうして彼は、恋に落ちた……」

 今現在、ビリーはバーナードのことなんか子犬程度にしか思っていない。
 がんばれバーナード。高嶺の花を落とすのだ。年上で世慣れた美人さんを落とすのだ。
 ヘタレ攻バーナード。行け行けバーナード、負けるなバーナード。

 このコンビで、続編希望。

 ……実際、いくらでも続けられそうな話だしな。あの刑事コンビにしろ。ビリーの家族にしろ。ネタはどんどん作れそう。
 
 
 とりあえず、佳作でした。
 ゆみこファン、みわっちファン、まっつファンは劇場へ行け! 握り拳っ。


          

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