最近忙しくて、映画の感想書くのすっかり忘れ続けてます。溜まっていく一方だわ……。

 とりあえず、映画館で見なきゃだめでしょう! とわかりきっている映画は、率先して見ておかねば。
 ってことで、『CASSHERN』を見てきました(いつ見たのか、日付はすでに忘却の彼方)。

 ええ、あの『キャシャーン』です。
 最初に実写映画になるって聞いたときは、正気か?!って思いましたけどねー。
 ほんとに作っちゃうんだもんねー。21世紀ってのはすごいよねー。

 監督・脚本・撮影・編集・紀里谷和明、出演・伊勢谷友介、麻生久美子、唐沢寿明。

 いつもの通り、なんの予備知識もなく見たもんで、顎は落ちたまんまというか、目が点のままというか。

 コレ、「キャシャーン」チガウし。

 
 わたしはもういいトシですが、実はアニメの『キャシャーン』のことは、よくおぼえていません。リアルタイム世代なんだがな。
 子ども心に、あのアニメはなんか暗くておもしろくなかったのだわ。
 ただ、「キャシャーンがやらねば、誰がやる。」というあおりと、スワニーという白鳥ロボットの目から光線が出て、月夜だけママに会えるとか、犬型ロボットのフレンダーがものすっげー変形をすることだとか(子どもの目にさえ「ありえねえ」と思えた。大きさとかなー)、ヒロインのルナのピンクのミニワンピのスカートが超絶短かったことや、キャシャーンの声が素敵に棒読みでイケてなかったことぐらいは、おぼえている。
 敵に関しては、同じカタチのロボットが行進しているあたり、『ヤッターマン』のミニメカたちと混同しているらしく、口々に単語をつぶやいていたとか、おだてブタがどーしたとか、どうも不明瞭だ。
 てゆーか、なんで世界があんなことになって、キャシャーンが戦っているのか理解できてなかった。
 外国にしか見えないのに、キャシャーンは日本人らしいし。
 人間の味方なのに、差別されてるし。

 アタマの悪いガキだったもんで、理解できなかったのよ。

 そして、いくつのときだったかな。
 たしか、再放送をちらりと見たことがある。もうすでにわたしは大人で、アニメを見る年齢ではなかった。
 なにかの拍子に、画面に映ったんだ。

 びびびびっくり。

 目が飛び出ました。
 いいの? コレ、いいの? と、ひとりでうろたえました。

 だってあまりに、いやらしくて。

 キャシャーンってさー、なんであんなコスチュームなの?
 全身白タイツだよ?
 なんかやたら丁寧に、カラダのラインが描いてあるんですが。

 裸(同然のカラダのラインばっちりのコスチューム)の男の子が、盛大に身をよじり、「あッ」だの「うッ」だの呻きながら戦ってました……。

 やややややんらすぃ。
 なんなの、あのお尻のラインはっ。胸のラインはっ。
 なにもあそこまで、忠実に描かなくていいんじゃないの?
 しかも、適度にアニメらしく丸みがあるあたり……さらにいやらしいというか……。
 少年AVでも見ている気になって、うろたえてチャンネルを変えました。

 びっくりしたなもー。
 キャシャーンってあんなにえっちくさいキャラで、あんなにえっちくさい戦い方してたんだ……子どものころはわかんなかったよ……。

 
 え?
 わたしだけですか? そんなふーに思ったすけべ野郎(女ですが)は?

 
 とまあ、わたしにとってのアニメ『キャシャーン』は、そんなもんです。
 だからアニメに比べてどうこうとか言う気はまったくありません。

 ただ、純粋に映画を見て、「キャシャーン」ちゃうやん(笑)。と思いました。

 
 「キャシャーン」というタイトルである必要性が、あまりなかったなと。
 だってまったく別物だし。
 ラストは『イデオン』だし(笑)。

 
 ストーリーはわけわかんないので、もういいです。早々に手放しました。
 いや、わかるけど、つっこみどころが多すぎて、もういいやって感じ。

 だからそんなことは全部置いておいて、ひたすら画面をたのしみました。

 「大亜細亜連邦共和国」という、スチームパンクな暗い(文字通り、画面が暗いの)未来社会を受け入れられたら、それでこの映画はもうOKでしょう。
 街並みとか服装とか小物とか、そーいった美術を眺めているだけで、わたしはとてもたのしかった。
 なんたって、街のあちこちに大滝秀治の顔(しかも立体)よ!! 愉快じゃないすか!

 この映画をたのしめるか否かは、映像の好みが合うか合わないかにつきる、気がする。
 この映像をたのしむことができたら、それだけで値打ちはあると思うよ。

 あくまでも、映像。
 映画としてのストーリーとか、演出は、問うな(笑)。

 そこに描かれている世界観も、軍事帝国の姿も、5万回は見たよーな垢まみれの独創性に欠けるモノなんだが、まあビジュアルが愉快だからヨシ!! 齋藤吉正作品が意味もなくナチスでハイル・ヒトラー!!なのと同じだよねー。
 叫んでいるテーマもかなりアレで、お尻がかゆくなる部分が大いにあるっていうか、結局こーゆーふうにするしかないのかとか、監督の情緒の限界なんだろうなとか、嘆息するよーなモノなんだけど。

 これはフィクションでエンタメなんだから、陳腐だろーと辻褄あってなかろーと、愉快ならばそれでいいのよ。
 画面がこだわりまくりの美しさにあふれていたので、すべて許します。

 わたし的にいちばんよかったのは、ミッチー王子。『白い巨塔』の弁護士といい、この人はうさんくさい役をやるとハマるんですよなぁ。うっとり。
 あと、要潤がかっこよかった……。この人はだんだんいい男になってるよなー。『新・愛の嵐』のときはどうしようかと(笑)。あえて『仮面ライダー』時代は語らない。

 残念ながらわたしは唐沢寿明が超絶苦手なので、彼が演じているというだけで、ブライ役はきつかったっす。

 
 エンドロールでつい笑ってしまったのは、監督の名前があちこちにしっかり出ていること。
 監督たるもの、最後に1回出るだけでいいじゃん。
 なのに、「撮影」の欄でも「編集」の欄でも、いちいち出まくり。
 わかったわかった、ほんとに創りたかった映画なのね。力入りまくってるのね。自分がやったって、いちいち声を大にして言わないと気が済まないのね。
 これだけ、何度も何度も何度も自分の名前を書かないと気が済まない監督の鼻息の荒さに、ひとりでウケてました。クリエイターとして愉快だけど、友だちにはなりたくない(笑)。

 
 ほんとに、映画館で見てよかった。
 わたしはたのしかった。

 でもさ。
 テレビで見たら、ただのつまんない映画だと思うよ。

         

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