気分は『バイオハザード』。@ホテルビーナス
2004年4月7日 映画
『バイオハザード』というゲームがある。
前評判も宣伝もほとんどなく発売され、口コミで人気爆発、一世を風靡したゲームだ。
その『バイオ』は、日本制作でありながら、舞台はアメリカであり、登場人物もアメリカ人だ。当然彼らは、英語を喋る。日本語は字幕が出るのみ。
スタッフは語る。
「日本語吹き替え版も作ったんですよ。でも、日本語でやると、ダメなんです。危機に陥った仲間が『先に行け!』と言うからって、『じゃ、先に行くわ!』と言ってくるりと背を向けられてしまっては、身も蓋もない。英語でやりとりして、日本語字幕だから、多少やりとりや展開に無理があっても雰囲気で流せるんです」(記憶のみの記述っす)
このコメントを読んで、爆笑した。
英語だからOK、ってのある。わかる。
あいつら言動強引で大雑把でつっこみどころ満載だもの。日本語でやってたらついていけなかったろうな。でも英語で会話されちゃうとなんか納得してしまう。字幕ってのはそもそも情報量が極端に少ないわけだから、大雑把でも気にならないし。
この映画を見ながら、『バイオハザード』のことを、思い出していた。
言葉というファンタジー。
日本人って、自分に理解不能な言葉に、幻想持つよねえ。
洋画にはそーゆー意味でのフィルターかかってること、わりとあるよねえ。字幕主義で、吹き替えは劣悪唾棄すべき存在とか、言う人は言うしねえ。生で英語を理解できるわけでもないのにさぁ。
字幕で見ると、日本語で見るよりなんとなく、いい映画に見えたりするんだわ。
少ない情報を、脳内で補完するせいでしょう。
『ホテルビーナス』鑑賞。
相変わらず、予備知識ナシ。
この映画を見た理由は、
1・邦画らしい。
2・今週で終了。
3・映画館に着いたとき、ちょうどあと少しではじまる時間だった。
……ので、主演者さえ知りませんでした。
草なぎ剛主演だったのか!!
てゆーか、「なぎ」って漢字、出ないんだ! 今はじめて知った。
しかも、全編韓国語だし!
モノクロ映像だし!
なにも知らないで見ると、けっこーびっくりするぞ!(笑)
監督・タカハタ秀太、出演・草なぎ剛、中谷美紀。
どこかの国のどこかの街。
オカマのビーナス@市村正親が経営するホテルビーナスの住人たちは、みんな心に傷を持つ人たち。恋人を失ったチョナン@草なぎ剛、飲んだくれの元医者ドクター@香川照之、その妻ワイフ@中谷美紀、花屋を持つ夢を追うソーダ@チョ・ウンジ、捨て子で全身トゲいっぱいの少年ボウイ@イ・ジュンギは殺し屋希望、というよーに。
そこにワケありの男ガイ@パク・ジョンウが、幼い娘サイ@コ・ドヒを連れて現れ、新しく住人になった。それをきっかけに、住人たちの事情が少しずつ変化をはじめ……。
どこなのかよくわからない、異国情緒あふれる街並み。とりあえずアジアではないらしい。
しかし、ホテルビーナスの住人たちは全員アジア人で、ついでに韓国語を話す。生活感のない、ちと浮世離れした人たち。
彼らがやたらめったらオシャレできれーな映像の中で、悩んだり泣いたりハートウォーミングしたりする。
過去を抱えて傷を抱えて、でもそれを克服して成長して、「やっぱり人間っていいな」という結論に達して終わったりする。
とてつもなく「お約束」の物語。
わたしは「お約束」好きなんで、たのしんで見ました。
でも、いちばん盛り上がるクライマックスだとか、ビーナスばあさん(じいさん?)が「いいこと言ってますよ」なあたりは、しみじみ、「韓国語だから救われた」と思った。
日本語だったら少々引くかもなー。
あまりにも「お約束」まんまで。
『バイオハザード』が、英語だから許されたように。
「お約束」をたのしめる人には、いい映画だと思う。
いちばん泣かせるシーンに子どもを使ってみたり、いちばん泣かせることを「台詞で表現」してみたり。
ここまでやるかってくらい、「お約束」。
あざといくらい、「お約束」。
べったべたに、「お約束」。
ああ、日本語映画でなくてよかった……!!
字幕マジックでよかった……!!
画面はエピローグ部分でカラーになるのだけど、ホテルビーナスは色がものすごくきれい。てゆーか、こんなにきれいなら、カラーで見たかったわ……てなくらい。
たのしんで見たのはたしかなんだが、他のこともいろいろ考えたわ。
『バイオハザード』もだけど、幻のドラマ『ランデヴー』のこと。
ホテルビーナスのコンセプトが、なーんか『ランデヴー』とかぶるもんで(笑)。
異国情緒つーか無国籍な、安ホテル。住んでいるのは心優しき異邦人たち。そこで出会った人のたちのハートウォーミング物語。
……テンプレ的な設定なんだろうな、きっと。
設定が同じだから雰囲気も似ちゃうのかもな。
そしてわたしは、『ランデヴー』が好き。
『ホテルビーナス』もファンタジーだけど、同じファンタジーなら『ランデヴー』の方が好きだなあ。
あ、でもこの映画って、韓国の人たちの目にはどう映るのかしらね。
わたしたちには韓国語のうまい下手やリアリティはわからないから、素直に「字幕マジック」に酔っていられるけど。
日本人が『キル・ビル』を見てなまあたたかーい気持ちになるような感じかしらね。
前評判も宣伝もほとんどなく発売され、口コミで人気爆発、一世を風靡したゲームだ。
その『バイオ』は、日本制作でありながら、舞台はアメリカであり、登場人物もアメリカ人だ。当然彼らは、英語を喋る。日本語は字幕が出るのみ。
スタッフは語る。
「日本語吹き替え版も作ったんですよ。でも、日本語でやると、ダメなんです。危機に陥った仲間が『先に行け!』と言うからって、『じゃ、先に行くわ!』と言ってくるりと背を向けられてしまっては、身も蓋もない。英語でやりとりして、日本語字幕だから、多少やりとりや展開に無理があっても雰囲気で流せるんです」(記憶のみの記述っす)
このコメントを読んで、爆笑した。
英語だからOK、ってのある。わかる。
あいつら言動強引で大雑把でつっこみどころ満載だもの。日本語でやってたらついていけなかったろうな。でも英語で会話されちゃうとなんか納得してしまう。字幕ってのはそもそも情報量が極端に少ないわけだから、大雑把でも気にならないし。
この映画を見ながら、『バイオハザード』のことを、思い出していた。
言葉というファンタジー。
日本人って、自分に理解不能な言葉に、幻想持つよねえ。
洋画にはそーゆー意味でのフィルターかかってること、わりとあるよねえ。字幕主義で、吹き替えは劣悪唾棄すべき存在とか、言う人は言うしねえ。生で英語を理解できるわけでもないのにさぁ。
字幕で見ると、日本語で見るよりなんとなく、いい映画に見えたりするんだわ。
少ない情報を、脳内で補完するせいでしょう。
『ホテルビーナス』鑑賞。
相変わらず、予備知識ナシ。
この映画を見た理由は、
1・邦画らしい。
2・今週で終了。
3・映画館に着いたとき、ちょうどあと少しではじまる時間だった。
……ので、主演者さえ知りませんでした。
草なぎ剛主演だったのか!!
てゆーか、「なぎ」って漢字、出ないんだ! 今はじめて知った。
しかも、全編韓国語だし!
モノクロ映像だし!
なにも知らないで見ると、けっこーびっくりするぞ!(笑)
監督・タカハタ秀太、出演・草なぎ剛、中谷美紀。
どこかの国のどこかの街。
オカマのビーナス@市村正親が経営するホテルビーナスの住人たちは、みんな心に傷を持つ人たち。恋人を失ったチョナン@草なぎ剛、飲んだくれの元医者ドクター@香川照之、その妻ワイフ@中谷美紀、花屋を持つ夢を追うソーダ@チョ・ウンジ、捨て子で全身トゲいっぱいの少年ボウイ@イ・ジュンギは殺し屋希望、というよーに。
そこにワケありの男ガイ@パク・ジョンウが、幼い娘サイ@コ・ドヒを連れて現れ、新しく住人になった。それをきっかけに、住人たちの事情が少しずつ変化をはじめ……。
どこなのかよくわからない、異国情緒あふれる街並み。とりあえずアジアではないらしい。
しかし、ホテルビーナスの住人たちは全員アジア人で、ついでに韓国語を話す。生活感のない、ちと浮世離れした人たち。
彼らがやたらめったらオシャレできれーな映像の中で、悩んだり泣いたりハートウォーミングしたりする。
過去を抱えて傷を抱えて、でもそれを克服して成長して、「やっぱり人間っていいな」という結論に達して終わったりする。
とてつもなく「お約束」の物語。
わたしは「お約束」好きなんで、たのしんで見ました。
でも、いちばん盛り上がるクライマックスだとか、ビーナスばあさん(じいさん?)が「いいこと言ってますよ」なあたりは、しみじみ、「韓国語だから救われた」と思った。
日本語だったら少々引くかもなー。
あまりにも「お約束」まんまで。
『バイオハザード』が、英語だから許されたように。
「お約束」をたのしめる人には、いい映画だと思う。
いちばん泣かせるシーンに子どもを使ってみたり、いちばん泣かせることを「台詞で表現」してみたり。
ここまでやるかってくらい、「お約束」。
あざといくらい、「お約束」。
べったべたに、「お約束」。
ああ、日本語映画でなくてよかった……!!
字幕マジックでよかった……!!
画面はエピローグ部分でカラーになるのだけど、ホテルビーナスは色がものすごくきれい。てゆーか、こんなにきれいなら、カラーで見たかったわ……てなくらい。
たのしんで見たのはたしかなんだが、他のこともいろいろ考えたわ。
『バイオハザード』もだけど、幻のドラマ『ランデヴー』のこと。
ホテルビーナスのコンセプトが、なーんか『ランデヴー』とかぶるもんで(笑)。
異国情緒つーか無国籍な、安ホテル。住んでいるのは心優しき異邦人たち。そこで出会った人のたちのハートウォーミング物語。
……テンプレ的な設定なんだろうな、きっと。
設定が同じだから雰囲気も似ちゃうのかもな。
そしてわたしは、『ランデヴー』が好き。
『ホテルビーナス』もファンタジーだけど、同じファンタジーなら『ランデヴー』の方が好きだなあ。
あ、でもこの映画って、韓国の人たちの目にはどう映るのかしらね。
わたしたちには韓国語のうまい下手やリアリティはわからないから、素直に「字幕マジック」に酔っていられるけど。
日本人が『キル・ビル』を見てなまあたたかーい気持ちになるような感じかしらね。
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