金がないので、観劇にさっぱり行っていません。
 わたしも大人になったなあ。金がないのは今にはじまったことじゃないのに、一昨年も昨年もムラに通いまくってたもんなあ。自重できるようになったなんて、すごいわわたし。

 つーことで、わたしが星組公演を観たのは初日1回こっきりです。

 そのとき幕間にチェリさんに言いました。

「利助が目につきまくる……。どこにいても、利助を見てしまう……」

 チェリさんは素で、
「わたしは清十郎様ばっかり目につきますけど」
 と、返してくれました。おお、同志。

 わたしも清十郎様は目に入りますともさ。清十郎様がまだ清十郎様じゃなく、「ナチスのお稚児さん」だったときから、目に入りまくりですよ。
 清十郎様はその美貌でわたしを釘付けにしてくれているので、べつに不思議でもなんでもないのです。

 でも、利助はな……。
 べつに見る気もないし、見たいとも思ってないのに、とにかく目に入ってくるのよ……。

 一度おぼえてしまったが最後、忘れられない顔だよね、利助……。

 と、なんの話かというと、本日行ってきましたのよ、星組新人公演『1914/愛』

 利助こと、彩海早矢が2番手、カシゲの役をやっておりました。
 あー、利助だー。利助が二枚目役やってるー。ヒューヒュー。

 なんかね、どこにいてもなにをしていても、見てしまうわよ、利助。もー、無意識に探しているよーな気もするのよ、利助。
 ひょっとしてこれって……。

「まちかめぐる現象?」
「まちかめぐる現象ね」
 WHITEちゃんは断言する。
「緑野、アンタはまちかファンであるうえに、さらに利助ファンなのよ」

 そ、そうなのか、ひょっとして?
 そうなのかもしれない、たしかに。
 それならついでに、月組のマチオのことも愛しているのかもしれないな。
 とりあえず、ファンということにしてくれていてもいいさ。

 ただ。
 今回の新公を見ながら、腹の底から思った。

 アポリネール役は、利助ではなくみらんくんで見たかった……!!

 みらんくんは、ギョーム役でした。本役はケロ。
 ケロちゃんがやっているせいですかね、画商ギョーム氏のイメージは「大人」で「社会人」で「オヤジ」でした。
 若さ爆発破滅一本の芸術家たちの間で、唯一社会に適応している大人の男というか。頼りになる兄貴というか。

 でもみらんくん、きれいすぎるんだもんよ……。

 うわー、なんてさわやかな男前のギョームさんなんだろー、ギョームさんだと思えないー。
 いや、本役のケロがさわやかでないとか男前でないとか、言っているわけではありませんが。
 とにかく、みらんくん演ずるギョームさんはハンサムなにーちゃんでした。

 今までわたし、みらんくんを特別きれいだとか思ってなかったんだが……もちろん、男役としてふつーにきれいだが、ビジュアル面より実力の方が充実している人だと思っていた。
 なのに、あらびっくり。
 みらんくん、きれいだわ……端正だわ……。スーツが似合うわ……。

 みらんくんは好きな男役だけど、個人的に「真ん中向きではない」と思っている。たぶん、主役とかやるには地味さが目立っちゃうだろう。
 でもさ、華のある脇役をやると、ハマると思うの。2番手役ではなく、あくまでも脇役。たしかに脇なんだけど、オイシイ役っていうか、ファンが増えますぜ、的な役どころ。

 今回のアポリネール役が、その「華のある脇役」だと思うのね。

 ええ。
 真の2番手役はモディリアーニだと思ってるよ。モディリアーニは、「真ん中としての華」が必要な、スター男役がやるべき役。
 アポリネールは脇役。堅実な演技で、コメディ一直線な芝居を締める役割。色気のある上級生男役がやってもいい役。この役をただの脇役にしない、真ん中を邪魔しない華や色気が必要。

 本役のカシゲはとにかく薄いので、この条件に当てはまっているのかいないのかわたしには判断できないんだけど、「作品」だけを見てみたら、そーゆー役割だと思うの。アポリネールって。
 トド様トップ時代の雪組でこの作品を上演していたら、ハマったろうなと思う。
 アリスティド@トド、アポリネール@タータン、画家4人組@三兄弟+カシゲ、ごめんコウちゃんはどっか他の役をてきとーにやっていてくれ、と。
 てゆーか、アポリネールがタータンだったら、個人的にめちゃナイスキャスティングだ……。トド様とグンちゃんが真ん中で突っ走りコメディやってる横で、タータンひとりシリアス芝居で愛憎劇やってくれるとうれしい。芝居をびしりと締めてくれー。
 ……はっ。妄想キャスティングで脱線してるわ、わたし。

 あー、とにかく。
 アポリネールは、ある意味オイシイ役なのよ。
 地味だし、主役に絡まないしで、路線男役にはオイシくないかもしれんが、別格男役にはオイシイのだ。

 だからこそ、みらんくんで見たかった……。

 なまじ今回のみらんくん、すげーきれいだったからさー。
 このきれいさなら、アポリネール、ぜんぜんOKじゃん。
 主人公サイドの物語とまったく絡まない分、アポリネールは地味地味に真っ逆さまになりがちな役どころなんだから、見た目の美しさと色気が必要なのよ。
 みらんくんの端正さなら、生真面目地味なアポリネールを、オイシく彩ってくれただろうに……!

 と、歯がみしてしまうくらい。

 利助には、きれーさが欠けておりました……。
 色気が欠けておりました……。

 利助だもんなー……ビジュアル、きついよなあ。利助役のときも、美しさと色気がないことを口惜しく思ってたもんなあ。

 いや、うまいんだけどな、利助。利助役のときだって、すっげーうまかったけどな。
 でも美しさや色気とは、ぜんぜん関係ないとこにあるうまさだったからさ……。

 あー、残念だー。
 利助のアポリネールには、かなり不満なのだ……。
 カシゲだって薄くて埋没してるけどさ、とりあえず彼は「きれい」だからさ。美貌だけでなんとか形を作ってあるからさ、まだいいんだけど。
 きれいじゃないアポリネールなんて、ただの脇役だよ……。もったいない……。

 利助はがんばって色気を身につけてくれー。
 ビジュアルは、色気の有無でいくらでも底上げして見えるもんだから。美形でなくても色男にはなれるもん。
 あのやたら目立つ顔を、武器にしてくれよ。

 ああそして、みらんくん……。
 みらんくんがアポリネールなら、いろいろ萌えてたろうなあ。いや、警察の取り調べとか、いろいろとな(笑)。

 アポリネールの話だけで文字数ぎりぎりかよ……(笑)。
 つづきは明日欄へ。

 

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