タイトル勝ち。@しあわせな孤独
2004年2月25日 映画 もし、
あなたが孤独を感じているなら、
すでに
しあわせも知っているはず。
とゆーコピーにつられて、はるばるミニシアターまで行って来ました、『しあわせな孤独』。
監督・原案スザンネ・ピエール、出演ソニア・リクター、マッツ・ミケルセン、ニコライ・リー・カース。えーと、デンマーク映画っす。
結婚間近のしあわせカップル、セシリ@ソニア・リクターとヨアヒム@ニコライ・リー・カース。ところがある日突然、ヨアヒムが交通事故で全身不随になってしまった。絶望したヨアヒムは心を閉ざし、セシリをも拒絶する。
どん底のセシリは、事故の加害者の夫、ニルス@マッツ・ミケルセンに心のよりどころを求める……。
某映画祭に行ったときに、5回連続で予告編を見せられ、刷り込みされてしまった作品(笑)。
誰が悪いわけでもない、日常に起こりえる悲劇と、リアルゆえにせつない愛の物語。
とりあえず、眼鏡男萌えで見に行きました。
ニルス@マッツ・ミケルセンの眼鏡っこぶりがヨシ。洋画の主人公格で眼鏡かけた男って、ほとんどいないんだもの。外国には眼鏡萌えがないのかしらね。
なにしろ数ヶ月も前に、連続5回予告を見せられたもので、わたしのなかでイメージが先にできあがってしまってました。
この予告編がまた、よくできてるんだわ。わたしの好きな痛い系のにおいがぷんぷんして。
あんなに愛してあっていたのに、突然恋人が、全身不随になってしまった。一生寝たきり。しかも彼は、ヒロイン・セシリに「病室を出て行け。二度と来るな」と言う。
苦しくて、寂しくて仕方ないセシリは、「できることがあれば、なんでも言ってくれ」と言ってくれた、加害者の夫ニルスに連絡する。
夜中の電話。「今すぐ来て。そしてわたしを抱きしめて」
ニルスは同衾している妻に「セシリのところへ行く」と言う。妻も、「気の毒なセシリを支えてあげて」と言う。奥さんにしてみれば、ただなぐさめてあげて、ぐらいの気持ちなんだけど。
セシリとニルスは、一線を越えてしまう。
被害者の恋人と、加害者の夫。
そして、その事実を知り取り乱す妻。
……という設定を説明しきってくれた予告を見て、わたしはより痛い方へ想像していたわけだ。
つまり、ニルスは妻と家庭を愛している。
だけど罪を償うために仕方なくセシリを抱く。罪悪感と、葛藤と。もちろん、セシリを魅力的だと思うし、同情もしているけれど、あくまでも、妻への愛が強い。
妻は、夫の不倫を知り、夫を責めると同時に自分をも責める。わたしが罪を犯したから……!と。
セシリは今でもヨアヒムを愛している。だけど、どうしたらいいのかわからない。ひとりでは立っていられなくて、ニルスとの愛欲におぼれる。ニルスが自分を愛していないことを知りながら。
てな話をな。
真ん中にあるのは、「罪」。
過失による、取り返しのつかないもの。
罪を中心に、贖罪と苦しみと悲しみが、身動き取れず絡まっている感じ。
そーゆーものを、勝手に期待していたからさー。
ちょっと、拍子抜け。
もちろん、痛くてせつない愛の物語だったけどさ。
微妙にツボをはずしてたんだよねえ。
てか、「罪」が存在しなかった。
すごいよなあ、たしかに仕方のない事故であったにしろ、警察も裁判所も太鼓判押すくらい、妻に責任がなかったにしろ、妻の運転していた車が若いヨアヒムの人生を奪ったのに、誰もそのことを責めないの。
てっきりわたし、ヨアヒムにしろセシリにしろ、妻を責めると思ったのね。恨むと思ったの。
そりゃ飛び出したヨアヒムが悪いけど、轢いたのはそっちじゃん。そっちが気をつけていれば、こんなことにはならなかったのでは? って、逆恨みしちゃうと思うのよ、わたしなんかは心が弱いから。
警察がなんと言おうが、あんたのせいでヨアヒムはなにもかも失ったのよ! って、泣いて責めると思う。
なのにソレ、誰も言わないし。
ヨアヒムを轢いたその夜に、妻たちはパーティやってるし。
このへん、国民性のちがい? 日本人って、ウエットだから? たとえ自分が悪くなくても、自分のせいで誰かひどい目に遭っていたら、とてもパーティなんかできないよねえ。予定されていても、中止にするよねえ。
だからセシリがニルスを呼び出してセックスしちゃうのも、べつに彼が加害者の夫だから、てわけじゃないのよね。そのときやさしくしてくれる男なら、誰でもよかった感じ。
ニルスも、妻の罪を償っている、というより、若い女の子にすがりつかれてよろめいたよーに見えるし、夫の浮気を責める妻も、自分の罪なんかきれーに忘れてるっぽい。
映画の中の男女はたしかに、突然の不幸に翻弄され、よるべない愛の名の下に悩み苦しみ、人生を泳いでいるんだけど。泣きながら見たけれど。
ニルスの白衣(医者なのだ!)と眼鏡は美しかったけど!!
わたしには、かなり消化不良。
もっともっと、痛いものを見せてくれ〜〜!!
これじゃもの足りーん!!
それにしても、この邦題とコピー、すばらしいわ。
全編通してかなしくてせつない愛の物語に、「しあわせ」という言葉を使いますか。
邦題つけた人のセンスに脱帽。
予告の方が、おもしろかったっす……。
あなたが孤独を感じているなら、
すでに
しあわせも知っているはず。
とゆーコピーにつられて、はるばるミニシアターまで行って来ました、『しあわせな孤独』。
監督・原案スザンネ・ピエール、出演ソニア・リクター、マッツ・ミケルセン、ニコライ・リー・カース。えーと、デンマーク映画っす。
結婚間近のしあわせカップル、セシリ@ソニア・リクターとヨアヒム@ニコライ・リー・カース。ところがある日突然、ヨアヒムが交通事故で全身不随になってしまった。絶望したヨアヒムは心を閉ざし、セシリをも拒絶する。
どん底のセシリは、事故の加害者の夫、ニルス@マッツ・ミケルセンに心のよりどころを求める……。
某映画祭に行ったときに、5回連続で予告編を見せられ、刷り込みされてしまった作品(笑)。
誰が悪いわけでもない、日常に起こりえる悲劇と、リアルゆえにせつない愛の物語。
とりあえず、眼鏡男萌えで見に行きました。
ニルス@マッツ・ミケルセンの眼鏡っこぶりがヨシ。洋画の主人公格で眼鏡かけた男って、ほとんどいないんだもの。外国には眼鏡萌えがないのかしらね。
なにしろ数ヶ月も前に、連続5回予告を見せられたもので、わたしのなかでイメージが先にできあがってしまってました。
この予告編がまた、よくできてるんだわ。わたしの好きな痛い系のにおいがぷんぷんして。
あんなに愛してあっていたのに、突然恋人が、全身不随になってしまった。一生寝たきり。しかも彼は、ヒロイン・セシリに「病室を出て行け。二度と来るな」と言う。
苦しくて、寂しくて仕方ないセシリは、「できることがあれば、なんでも言ってくれ」と言ってくれた、加害者の夫ニルスに連絡する。
夜中の電話。「今すぐ来て。そしてわたしを抱きしめて」
ニルスは同衾している妻に「セシリのところへ行く」と言う。妻も、「気の毒なセシリを支えてあげて」と言う。奥さんにしてみれば、ただなぐさめてあげて、ぐらいの気持ちなんだけど。
セシリとニルスは、一線を越えてしまう。
被害者の恋人と、加害者の夫。
そして、その事実を知り取り乱す妻。
……という設定を説明しきってくれた予告を見て、わたしはより痛い方へ想像していたわけだ。
つまり、ニルスは妻と家庭を愛している。
だけど罪を償うために仕方なくセシリを抱く。罪悪感と、葛藤と。もちろん、セシリを魅力的だと思うし、同情もしているけれど、あくまでも、妻への愛が強い。
妻は、夫の不倫を知り、夫を責めると同時に自分をも責める。わたしが罪を犯したから……!と。
セシリは今でもヨアヒムを愛している。だけど、どうしたらいいのかわからない。ひとりでは立っていられなくて、ニルスとの愛欲におぼれる。ニルスが自分を愛していないことを知りながら。
てな話をな。
真ん中にあるのは、「罪」。
過失による、取り返しのつかないもの。
罪を中心に、贖罪と苦しみと悲しみが、身動き取れず絡まっている感じ。
そーゆーものを、勝手に期待していたからさー。
ちょっと、拍子抜け。
もちろん、痛くてせつない愛の物語だったけどさ。
微妙にツボをはずしてたんだよねえ。
てか、「罪」が存在しなかった。
すごいよなあ、たしかに仕方のない事故であったにしろ、警察も裁判所も太鼓判押すくらい、妻に責任がなかったにしろ、妻の運転していた車が若いヨアヒムの人生を奪ったのに、誰もそのことを責めないの。
てっきりわたし、ヨアヒムにしろセシリにしろ、妻を責めると思ったのね。恨むと思ったの。
そりゃ飛び出したヨアヒムが悪いけど、轢いたのはそっちじゃん。そっちが気をつけていれば、こんなことにはならなかったのでは? って、逆恨みしちゃうと思うのよ、わたしなんかは心が弱いから。
警察がなんと言おうが、あんたのせいでヨアヒムはなにもかも失ったのよ! って、泣いて責めると思う。
なのにソレ、誰も言わないし。
ヨアヒムを轢いたその夜に、妻たちはパーティやってるし。
このへん、国民性のちがい? 日本人って、ウエットだから? たとえ自分が悪くなくても、自分のせいで誰かひどい目に遭っていたら、とてもパーティなんかできないよねえ。予定されていても、中止にするよねえ。
だからセシリがニルスを呼び出してセックスしちゃうのも、べつに彼が加害者の夫だから、てわけじゃないのよね。そのときやさしくしてくれる男なら、誰でもよかった感じ。
ニルスも、妻の罪を償っている、というより、若い女の子にすがりつかれてよろめいたよーに見えるし、夫の浮気を責める妻も、自分の罪なんかきれーに忘れてるっぽい。
映画の中の男女はたしかに、突然の不幸に翻弄され、よるべない愛の名の下に悩み苦しみ、人生を泳いでいるんだけど。泣きながら見たけれど。
ニルスの白衣(医者なのだ!)と眼鏡は美しかったけど!!
わたしには、かなり消化不良。
もっともっと、痛いものを見せてくれ〜〜!!
これじゃもの足りーん!!
それにしても、この邦題とコピー、すばらしいわ。
全編通してかなしくてせつない愛の物語に、「しあわせ」という言葉を使いますか。
邦題つけた人のセンスに脱帽。
予告の方が、おもしろかったっす……。
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