それは、運命の出会いだった。

 『暴君ハバネロ』という、きっつい名前とパッケージ。どーやら辛いスナック菓子らしい。
 たしか、東京駅でだったと思う。いつのことだっけかな? 東京にはしょっちゅー行ってるのでわからないが。
 WHITEちゃんが「なにコレ」とウケながら買っていた。

 たぶん彼女は、ふたりで一緒に食べるつもりで買ってくれたのだと思う。彼女もわたしも、辛いものが大好きだから。
 しかしわたしたちはその夜、大阪へ向かうバスの中で爆睡していて、お菓子を食べる余地などなかった。

 後日、

「あの『暴君ハバネロ』ってさ、めちゃくちゃ辛かったよ……3日に分けて、ようやく食べきった。緑野のいるときに開封するべきだった」

 と、WHITEちゃんが言っていたのが記憶に残っている。

 へええ、そんなに辛いのー?
 柿の種を心から愛する、辛党のWHITEちゃんがそう言うなら、ほんとに辛いんだろうな。
 WHITEちゃんはことあるごとに「『暴君ハバネロ』食べた?」とわたしに聞いてくるのだが、わたしはそのたび「あ、忘れてた」と答えていた。いや、ほんとにおぼえてなくてさ。
 つーか、売ってるところを見たことなかったし。
「東京限定のお菓子じゃないの?」
 と、まぬけたことを言っては、
「ふつーにコンビニで売ってたよ! なんで見てないの?」
 と、叱られておりました。……だってお菓子売り場行かないんだもん。

 そして、いつまで経っても自分で買って食べないわたしに、WHITEちゃんはついに業を煮やしたようです。
 先日の日曜日、某チケット購入のために早朝から並んでいたとき、買ってきてくれました!

 おお、『暴君ハバネロ』。
 手にするのははじめてだわ。

 WHITEちゃんが見守る中、おそるおそる食べてみる。

 辛い!

 辛いですよ、ほんとに。
 すっげー辛い。今まで食べた、どのお菓子より辛い。

 わたしは「辛い」というシンプルな台詞を連発しました!

 なのにWHITEちゃんは言うのです。

「……辛くないの?」

 いや、だから、「辛い」って言ってんじゃん!

「だって、ものすごい勢いで食べてるけど……」

 はっ。
 ごめん、買ってきたのはWHITEちゃんだったよね。

 ひとりでほとんど食べてしまった……。

「いや、いいけどね。そんなに気に入ったなら」

 うん、ものすっげー気に入った!
 ひさしぶりのヒットだわ、こんなにおいしいお菓子と出会えるなんて。目からウロコ。

 数分で1袋たいらげてしまったわたしは、チケット購入の帰り道、自分で2袋買って帰りました。

 猫の待つ家へ帰宅。

 そしてその5分後。
 わたしは、WHITEちゃんにメールを打った。

「やばい、もう1袋食べてしまった!」

 WHITEちゃんから帰ってきたメールは、

「早っ。2袋じゃ足りなかったんじゃない?」

 ……足りませんでしたとも。
 1袋食べるのに5分かからないんだもん。涙。
 てか、量少なすぎ。

 ……てか。
 太るだろ、スナック菓子なんぞバカ食いしてたら。涙。

 それは、運命の出会いだった。
 出会ってしまったのだから、それ以前のわたしには戻れない。

 愛しいヒトの名は、『暴君ハバネロ』。きっつい名前とパッケージ。
 食いたい……。

          ☆

 そーいや2月10日の日記で、『送られなかった手紙』のことをさんざん語った最後の最後に、

 『届かなかった手紙』

 と書いていることについて、指摘されました。

 「これってオチなんですか?」と。

 いやいやいや!(笑)
 ぜんっぜん、気づいてませんでした。

 『長い春の果てに』がわたしの中で勝手に『長すぎた春』になっているようなもんで、自動変換されとりました。

 そして、『長春』が『長すぎた春』でもぜんぜん内容的にまちがってねーじゃん、と思っているのと同様、『届かなかった手紙』でもいっかー、とか思ってしまいました。
 だって主人公である伯父様@ヒロさんからしてみれば、『届かなかった手紙』だもんねえ。えっ、あの芝居、主人公ってドミトリー@いっぽくんだったの?!

 つーことで。
 オチとするのもアリかと(笑)。

 

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