お約束のアクション映画。@ゴシカ Gothika
2004年2月16日 映画
あれ?
「レビュー選択」したところ、『ゴシカ』の解説文には
>『チョコレート』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたハル・ベリーが挑むサイコ・サスペンス。
とあった。
変だな?
試写会の招待ハガキにも、会場でもらったちらしにも、「サスペンス」だなんてまったく書いてないよ?
この映画のあおり(ジャンル)は、ホラーじゃないんですか?
なんせ宣伝文句が、
『リング』『呪怨』…怨念のD.N.A.は世界で増殖する
だよ?
>『リング』『呪怨』が産み落とした日本型恐怖のD.N.A.を併せもつ、初めてのハリウッド・オリジナル脚本作
だよ?
配給会社は、この作品をホラー映画として売る気満々ですが。
わたしも、ホラーだと思ったから見に行きました。
監督マシュー・カソビッツ、主演ハル・ベリー、ペネロペ・クルス、ロバート・ダウニーJr.
タイトルの『ゴシカ』は、Gothicからきています。
あの中世ゴシック様式、ダークでデコラティブな素敵世界、Gothic。
舞台は「森の奥深く、古城のようにそびえたつ女子刑務所の精神科病棟」。
精神科医ミランダ博士@ハル・ベリーは、職場であるその刑務所からの帰り道、謎の少女に出会う。そこで彼女の意識はブラックアウト。
気がついたときは、彼女自身が「精神科の囚人」になっていた。記憶の混乱。ミランダは「夫殺しの凶悪犯」「分裂症」として収容されていた。
彼女に取り憑いて夫を殺させたのはあのときの少女、つまり悪霊の仕業だ……しかし、精神異常者として扱われる彼女の言葉を信じる者はいない。
霊からのメッセージ、「Not Alone−ひとりではない−」の意味は?
夫殺しの真相は? そして浮かび上がってくるもうひとつの事件とは……?
えーと。
ゴシック・ホラー、っていうんで、期待したんですよ、わたし。
おお、舞台は「古城」ですかー。いいですなー。ゴシック・ホラーはそうでなくちゃねえ。ってな具合にさ。
弟と見に行ったんですが、終わるなりふたりして、
「なんか、『バイオハザード』見てるみたいだった……」
と、つぶやいてしまったよ。
映画の『バイオハザード』じゃなく、ゲームね。
「どこがゴシック・ホラー? ホラーじゃなくてただのアクション映画だろコレ」
「舞台はアンブレラ(『バイオ』に出てくる巨大企業)の研究所にしか見えなかったねえ」
「あちこちデジャヴが……ゲームのバイオをプレイしてるみたい」
「あんなに必死になって病院を脱出する必要があったのか? ていうか、作品のいちばん必死に作られているシーンが、ホラーじゃなくアクションシーンだってのはどうよ」
「アクションにカーチェイスときたもんだー」
はい。
ホラーじゃなかったっす。
たしかに悪霊は出てきたけどな。
そんなの、小道具のひとつにしか過ぎず、話は別物だったよ。
簡単に言うと、
冤罪を着せられたヒロインが刑務所を脱出し、自分で謎を解き、真犯人を捕まえる物語。
という、お約束のアクション映画でした。恐怖よりもスリルに満ちておりました。
「ホラー」ということにした方が売れるから、ホラーだって嘘ついてんだな……溜息。
しかも、ゴシック・ホラー……。
舞台は超近代的な、コンピュータ管理された場所。SFと言っても通る。なんせ、ゲームの研究所だとか秘密基地にクリソツなわけだからな。
どこがゴシックなんだか。せっかくの古城を、ここまで役立たずな使い方をしなくても……。
ま、「気味の悪い暴力的な事件を扱ったフィクション」を、「ゴシック」と呼ぶそうだから、それでいいのかね。
わたし的には「それだけ」をわざわざ「ゴシック」とは呼びたくないですが。
んなこといったら猟奇血まみれバカアクションは全部ゴシックになるわ。
「ゴシック・ホラー」でないとわかって見るならば、それなりにおもしろい映画です。
ヒロインがどうやって冤罪をはらすのか、真犯人は誰かを推理する、つー意味でな。まあ、わりとわかりやすいオチなんで、推理するまでもないけどさー。理詰めで考えたら、他の答えはないもんなあ。
ただ、つっこみたいことがありすぎて、うずうずするぞ(笑)。
いちばんの疑問は、アメリカっちゅー国では、悪人ならば殺してもぜんぜんOKなんすかね? てことだわ。
えーと、逮捕されれば死刑確実の超悪人がいたとする。
そいつはとにかく悪人だからってことで、たとえばわたしがそいつを殺しても、わたしは無実なの?
わたしのしたことは「殺人」にはならないの?
少なくとも日本では、指名手配中の凶悪犯だからって、わたしがそいつを殺した場合、わたしは殺人犯になりますなあ。
悪人だからって、殺していいわけじゃないから。
動機も関係もナニもないし、正当防衛でもなんでもなく、「あ、悪人だ、殺しちゃえ」てな感じに殺した場合、それは罪だよねえ。
わたしには、そいつを裁く権利なんぞありませんから。
悪人だから殺してヨシ! 正義の名前さえあればなにやってもヨシ!
という感覚に、違和感ありまくり。
もちろん、これが変身ヒーローものだとかアニメだとかなら、そんな無粋なことは言わないよ。「正義は勝つ」でいいさ。
しかし、なまじリアルに映画やってるだけにねー。
ずさんな正義感には納得できないわ。
あともう少しがんばればおもしろくなるのに、いろんなところで感覚のズレを感じ、もどかしさに終始した。
わたしならこうする、が山積み(笑)。
うん、勉強になったよ、いろいろと。
なんにせよ、カテゴリは元通り
>『チョコレート』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたハル・ベリーが挑むサイコ・サスペンス。
にしておいた方がいいよ、映画会社の宣伝の人。
コレ、ホラーちゃうし(笑)。
「レビュー選択」したところ、『ゴシカ』の解説文には
>『チョコレート』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたハル・ベリーが挑むサイコ・サスペンス。
とあった。
変だな?
試写会の招待ハガキにも、会場でもらったちらしにも、「サスペンス」だなんてまったく書いてないよ?
この映画のあおり(ジャンル)は、ホラーじゃないんですか?
なんせ宣伝文句が、
『リング』『呪怨』…怨念のD.N.A.は世界で増殖する
だよ?
>『リング』『呪怨』が産み落とした日本型恐怖のD.N.A.を併せもつ、初めてのハリウッド・オリジナル脚本作
だよ?
配給会社は、この作品をホラー映画として売る気満々ですが。
わたしも、ホラーだと思ったから見に行きました。
監督マシュー・カソビッツ、主演ハル・ベリー、ペネロペ・クルス、ロバート・ダウニーJr.
タイトルの『ゴシカ』は、Gothicからきています。
あの中世ゴシック様式、ダークでデコラティブな素敵世界、Gothic。
舞台は「森の奥深く、古城のようにそびえたつ女子刑務所の精神科病棟」。
精神科医ミランダ博士@ハル・ベリーは、職場であるその刑務所からの帰り道、謎の少女に出会う。そこで彼女の意識はブラックアウト。
気がついたときは、彼女自身が「精神科の囚人」になっていた。記憶の混乱。ミランダは「夫殺しの凶悪犯」「分裂症」として収容されていた。
彼女に取り憑いて夫を殺させたのはあのときの少女、つまり悪霊の仕業だ……しかし、精神異常者として扱われる彼女の言葉を信じる者はいない。
霊からのメッセージ、「Not Alone−ひとりではない−」の意味は?
夫殺しの真相は? そして浮かび上がってくるもうひとつの事件とは……?
えーと。
ゴシック・ホラー、っていうんで、期待したんですよ、わたし。
おお、舞台は「古城」ですかー。いいですなー。ゴシック・ホラーはそうでなくちゃねえ。ってな具合にさ。
弟と見に行ったんですが、終わるなりふたりして、
「なんか、『バイオハザード』見てるみたいだった……」
と、つぶやいてしまったよ。
映画の『バイオハザード』じゃなく、ゲームね。
「どこがゴシック・ホラー? ホラーじゃなくてただのアクション映画だろコレ」
「舞台はアンブレラ(『バイオ』に出てくる巨大企業)の研究所にしか見えなかったねえ」
「あちこちデジャヴが……ゲームのバイオをプレイしてるみたい」
「あんなに必死になって病院を脱出する必要があったのか? ていうか、作品のいちばん必死に作られているシーンが、ホラーじゃなくアクションシーンだってのはどうよ」
「アクションにカーチェイスときたもんだー」
はい。
ホラーじゃなかったっす。
たしかに悪霊は出てきたけどな。
そんなの、小道具のひとつにしか過ぎず、話は別物だったよ。
簡単に言うと、
冤罪を着せられたヒロインが刑務所を脱出し、自分で謎を解き、真犯人を捕まえる物語。
という、お約束のアクション映画でした。恐怖よりもスリルに満ちておりました。
「ホラー」ということにした方が売れるから、ホラーだって嘘ついてんだな……溜息。
しかも、ゴシック・ホラー……。
舞台は超近代的な、コンピュータ管理された場所。SFと言っても通る。なんせ、ゲームの研究所だとか秘密基地にクリソツなわけだからな。
どこがゴシックなんだか。せっかくの古城を、ここまで役立たずな使い方をしなくても……。
ま、「気味の悪い暴力的な事件を扱ったフィクション」を、「ゴシック」と呼ぶそうだから、それでいいのかね。
わたし的には「それだけ」をわざわざ「ゴシック」とは呼びたくないですが。
んなこといったら猟奇血まみれバカアクションは全部ゴシックになるわ。
「ゴシック・ホラー」でないとわかって見るならば、それなりにおもしろい映画です。
ヒロインがどうやって冤罪をはらすのか、真犯人は誰かを推理する、つー意味でな。まあ、わりとわかりやすいオチなんで、推理するまでもないけどさー。理詰めで考えたら、他の答えはないもんなあ。
ただ、つっこみたいことがありすぎて、うずうずするぞ(笑)。
いちばんの疑問は、アメリカっちゅー国では、悪人ならば殺してもぜんぜんOKなんすかね? てことだわ。
えーと、逮捕されれば死刑確実の超悪人がいたとする。
そいつはとにかく悪人だからってことで、たとえばわたしがそいつを殺しても、わたしは無実なの?
わたしのしたことは「殺人」にはならないの?
少なくとも日本では、指名手配中の凶悪犯だからって、わたしがそいつを殺した場合、わたしは殺人犯になりますなあ。
悪人だからって、殺していいわけじゃないから。
動機も関係もナニもないし、正当防衛でもなんでもなく、「あ、悪人だ、殺しちゃえ」てな感じに殺した場合、それは罪だよねえ。
わたしには、そいつを裁く権利なんぞありませんから。
悪人だから殺してヨシ! 正義の名前さえあればなにやってもヨシ!
という感覚に、違和感ありまくり。
もちろん、これが変身ヒーローものだとかアニメだとかなら、そんな無粋なことは言わないよ。「正義は勝つ」でいいさ。
しかし、なまじリアルに映画やってるだけにねー。
ずさんな正義感には納得できないわ。
あともう少しがんばればおもしろくなるのに、いろんなところで感覚のズレを感じ、もどかしさに終始した。
わたしならこうする、が山積み(笑)。
うん、勉強になったよ、いろいろと。
なんにせよ、カテゴリは元通り
>『チョコレート』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたハル・ベリーが挑むサイコ・サスペンス。
にしておいた方がいいよ、映画会社の宣伝の人。
コレ、ホラーちゃうし(笑)。
コメント