「生桔平を観に行こう!」

 ということで、椎名桔平主演の舞台を観てきました。パルコ劇場で上演されていた『ベント』

 そもそもの原動力は、

「トウコちゃんのおヒゲを観に行こう!」

 だったもんで、「どーせ東京行くなら、ついでになにか観るべ」「なにかって、なにやってんだ? なんか観たいものあるか?」と見回したところ、

「そうだ、桔平がある!!」

 でした。

 わたしもWHITEちゃんも、桔平ファンですから!
 テレビ俳優を生で見られる機会は、そうそうないですから。

 ナマ桔平なら、べつになんでもよかったわけで。
 芝居の内容なんか、二の次でした。ほんと。
 予備知識はほとんどなし。

 スポーツ新聞愛読者なので、制作発表インタビューを目にしたくらいっす。

 そこで、桔平がホモの役だと知りました。
 ええ、それだけです。
 ホモ役だから観に行こうと思ったわけじゃないのよ、桔平だから観に行こうと思ったら、ホモだったのよ。
 それだけなのよ。

「スカート穿こうかと思ったんだけど、思いとどまったわ。はっ、そーだアタシ、むだ毛処理してないんだった、すね毛剃ってないから、スカートはダメだわっ、と思って、ズボンにしたの」

 と、WHITEちゃん。
 お互い忙しくて、同じバスに乗って旅立ったのに、会話したのは東京に着いてから。
 いや、寒いんだから、ズボンでいいじゃん。むだ毛はどうかと思うが。

 チケットを手に入れ損ねていたので、当日券に並びに行ったよ。
 ……たぶん、下手に前売り買うよりいい席が手に入った。

 1930年代のナチス政権下。強制収容所に送られたのは、ユダヤ人だけじゃない。同性愛者もまた、収容所送りだった。しかも、扱いはユダヤ人より下。
 そんな「究極の状況」において芽生える、男たちの「究極の愛」の物語。

 作・マーティン・シャーマン、演出・鈴木勝秀、出演・椎名桔平、遠藤憲一、高岡蒼佑、篠井英介。

 とりあえず、思ったことは。

 篠井英介サマ、すてき〜〜っっ。

 篠井さんは、オカマバーのマドンナ役と、ナチス将校の2役でした。
 これがもお、両方ともすごいのよ。うっひゃー、って感じ。

 オカマ役のときは、これまた違和感なくゴージャスで美しいし、ナチス将校ときたら、生唾もんのクールビューティ(笑)。
 さすがですわねえ。

 桔平ですか?
 桔平は……。
 桔平でした。
 テレビで見るまんま。

 ああ、かっこいー……。

 でも、舞台俳優としては、どうかしら。
 わたし的には、微妙。

 作品の問題かなあ。
 なんつーかあまり、感情移入できなかったってゆーか。

 会話のテンポや言葉遣いに、いちいちズレみたいな、もどかしいものを感じたわ。
 もっと盛り上げられそーなもんなのに。
 舞台をやたら「広く」感じてしまった。

 たんにわたしが、うまく世界に入れなかっただけなのかもしれん。

 人間であることを否定され、虐げられ、意味もなく虐待され虐殺される収容所の人々。
 ただただ残虐な、ナチスたち。
 触れあうことも見つめ合うことも許されないというのに、マックス@椎名桔平とホルスト@遠藤憲一は愛し合う。
 どれだけ人間性を否定されても、極限の中でも、人間は愛し合うことができる……。

 ストーリーは、悪くない。
 マックスのいーかげん男ぶりと、彼の恋人ルディ@高岡蒼佑の可憐少年ぶり、そしてホルストの真摯さはいいコントラストとなって、効果を上げている。
 ヤクザでちんぴらで軽薄なマックスが、真の愛……自分自身の真の姿を認め受け止めるまで、というストーリーラインもいい。
 彼の弱さとずるさ、そしてたどりつく強さは、感動的だ。

 しかし。
 いまいち、ノれなかったんだ……。

 かゆいところに手が届かないむずがゆさで、終始してしまった。
 テンポかなあ。
 会話が……とくに桔平がダメだったよーな気がする……。大味……。

 あ、あくまでも、わたしは。
 世間様の評価は知りません。

 もっとねちこい演出だったら、またちがっていたかもな。
 とてもさばさばしてたからなあ。

 とはいえ、きっぺーはかっこよかったっす。
 髪がふつーにあるときも違和感なかったし、2幕目の坊主頭もセクシーでした。
 金髪の坊主頭。剃ってるわけじゃなくて、超ショートヘアですな。
 わたしは思わず、

「ゾロのコスプレしてくれ……」

 と、思いました。
 腹巻きして、日本刀持ってくれえ。
 よかった、これからリアル・ゾロはきっぺーのイメージでいられるわ。押尾っちのイメージ@クニミツの政を払拭できるわ。

 桔平もそれなりに脱いでました。
 なんせ、ゲイたちの物語ですから。肉体美は必然。
 マックスとホルストは、舞台正面を向いたまま、互いに触ることも見ることもないまま「互いの声だけで」セックスするんですが、ふたりともいいカラダしてますよ。
 つーか桔平、乳首ちっちぇえ(笑)。
 遠藤さんが大きすぎるのか? 彼の乳首は乳輪がやたら黒くて大きかった。
 それに対してきっぺーちゃんの乳首は小さくて色が薄かったです……って、なにを見ているんだ(笑)。つーか、見るだろ、エロシーンなんだから。
「俺の指を感じるか」
「ああ、感じる」
「舌」
「ああ……」
 とかいう、ヴァーチャルセックスで、ちゃんとイくとこまで演じてくれます。役者はすごいな。

 それにしても、ほんとーに男しか出てこない舞台で、出てくる男、全部ホモでした……。

 オカマバーのショータイムでは、思わず口が開きました。
 みなさん、すばらしい脱ぎっぷりです……。
 まさか、生ケツとか見られるとは思ってなかったからさー……はー、そーゆー舞台でしたか……。

 男優さんたち、むだ毛処理は完璧です。
 篠井さんをはじめ、太股もすねもつるつる。
 もちろん、ケツもつるつるさー。
 ブーメランパンツもヒモパンツも、なんでもこい! Tバックもまぶしい筋肉美。尻にはちゃんと筋肉のくぼみがありますぜ、と。

 見終わったあとに、思わず言っちゃったもんな。

「WHITEちゃんアンタ、負けてるよ……」

 すね毛処理では、オカマさんたちの勝ち〜〜。

 

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