「ねえねえそれで結局、『烈火』のヒロインって誰よ?」
「……ニニアン、かなあ?」
「やっぱり? あたしはさあ、リンだと思ってたんだよね……リンがヒロインだって信じてプレイしてたわけよ。期待するじゃない、女ひとりに男ふたりが主役となれば、ラヴい話を! リンはどちらの男と恋に落ちるのかしら、ってわくわくしてたのにっ」
「あー……たしかに。女ひとりと男ふたりならふつー、そう思うよなあ」
「なのにリンってば、色気なさすぎるし。剣の腕のことしか考えてないし。てゆーかめちゃくちゃ強いし」
「強いかあ? ぼくはリンは使えなかったぞ、弱すぎて」
「強いよ。エリウッドより力が強くて速かったんだよ? 最前線に送っても、ひらりひらりと敵の攻撃かわして、必殺の一撃でヌッコロしまくってたよ」
「エリウッド強かったぞ? 力も強いし、防御力も高かったから最前線OKだったし」
「防御力はそこそこあったけど、最前線には向かなかったよ。うちのエリウッドはいつも後方で護衛つけられて、大切に守られてたもん。なかなかクラスチェンジできなかったから、レベル20のまま放置されててさ。女の子のリンが最前線にいるのに、男のエリウッドは後方でお姫様扱い」
「最強キャラは何気に光の魔導師だったな。とにかく魔力高くて、2回攻撃するから無敵」
「光の人は強かったねえ。レベルまだいくらかあるのに、パラメータはとっくにMAX振り切ってたよ。でも、それより強かったのは闇の魔導師」
「使ってねーよ、闇なんか」
「強いよー、闇の人。魔力と速さは光の人にかなわなかったけれどそこそこあったし、なにより防御力高いから、最前線にひとりで送り込んでぜんぜんOK。無傷で敵全員ヌッコロしまくる」
「ぼくはずっと、斧の人使ってたからなあ。あいつら最低。どんなに育てても、使いもんにならない。防御力シスター以下だし、攻撃当たらないし」
「なんでそんなキャラ育てるのよ。あんな地味で不細工な男たちを……」
「バーツは強かったなあ……」
「なつかしい名前を……」
「戦士系の使いにくさが不満だ、『烈火』」
「戦士なんか使ってないから知らない」
「なんで使わないんだ、ロマンだろう、戦士は。敵の攻撃をものともせず持ちこたえ、戦斧の一撃で敵を抹殺する」
「足が遅くて鈍重なキャラは嫌いなんだってば。おまけに戦士系って不細工ばっかだし」
「男を顔で選ぶな」
「選ぶよ。てか、足の速いキャラしか使わないもん。だから竜の人と赤と緑の人は重宝した」
「竜の人、弱くて使えなかった……。飛行系ユニットぜんぜん育ててなかったから、苦労したよ……」
「竜の人、強かったよ? 育てたらぐんぐん強くなった。あと、赤の人は身ぐるみ剥いで囮として利用したなあ」
「ひでえ」
「だって強いんだもの赤の人。手ぶらで最前線に送り込むと、敵がわらわら寄ってきて便利。で、その寄ってきた敵を他の育てたいキャラで殺していく。1MAPまるまる囮にしても、まったくの無傷なんだよ、赤の人。強すぎ」
「まあ、どのタイトルでも、赤と緑のナイトは強いけどさ。……あー、でもやっば最強はヘクトル?」
「ヘクトル。強いよねえ。強すぎてつまんなかった。ネルガル相手でもヘクトル、華麗に攻撃かわしてヌッコロしてたよ」
「……最終MAPは大変だったさ……みんな弱くてさ……」
「えー、うちのは強すぎてあっけなかったよう。全員レベル20ふりきってたし」
「クラスチェンジして?」
「クラスチェンジして。最終のいくつか前のMAPから育てるキャラがいなくなっちゃって、それまでスルーしてた脇キャラまで育てはじめたよ」
「どーゆープレイの仕方をしたんだ」
「生真面目だからねえ、あたしは。とにかく、主人公はヘクトル、リン、エリウッドの順番で強かったな。リンは女の子だけどヒロインというより立派にヒーローで……恋愛なんてありえねーくらい、漢らしい娘だった……。まあ、男たちふたり、エリウッドとヘクトルが愛し合ってるから、リンは恋愛しなくていいのか」
「男たちふたり……たしかに、愛しあってたなあ(苦笑)」

 同じゲームをして、盛り上がって喋ることはできても、弟には言えないことがいろいろある。

 「エリウッドとヘクトルが愛し合っていた」が最低ラインだわ、それ以上は言えないわ!!
 エリウッドとヘクトルに関しては、「友情」を「愛し合っていた」と言い換えるくらいのユーモアを含ませても大丈夫だと思うけど。

 レイヴァンとルセアまで行くと、もうとても腐女子以外には話題を振れない……。

 レイヴァンとルセアって、完璧BLだったよねえ?
 あまりにBLなんで萌える以前にびっくらこいたけど。
 ここまでやらんでもええやろうに……。
 幼なじみで主従で年上受で復讐ですれ違いで、そして最後はプロポーズだよ……。アゴ落ちた……。フルコースですかい……。

 『烈火』のキャラの「相性」って、いちばん上の人のことを、いちばん愛しているってことよね?
 エリウッドとヘクトルはお互いにお互いがいちばん上にきているから、しあわせ両想い。
 レイヴァンとルセアも、ジャファルとニノもそうよね。

 わたし的にツボだったのが、実直な赤の人ケントがいちばん愛しているのが主君のリン姫(姫という呼び方が似合わない娘だ……)で、彼の親友の緑の人セインがいちばん愛しているのが、そのケントだったりすること。
 セインは女好きで軽薄で、相性を見てもケントの他は女の名前しか並んでないのに……。
 並々ならぬ女たちの数を誇りながらも、セインがいちばん好きなのはケントなんだ……。そんでもって片想いなんだ……。ケントの実らぬ恋(主君に恋してもあきませんわな)を応援しちゃったりするんだ……。
 片想いが大好きなわたし的には、ラヴラヴ・カップルのヘクトル×エリウッドやレイヴァン×ルセアより、セイン×ケントに心惹かれましたわよ……。

 なんてことは、弟には言えないしなっ。
 くそー。
 なんで妹じゃないんだー、弟。

「妹だったとしても、オタクじゃなかったら意味ないよ?」

 と言ったのは、誰だっけ? オレンジさん?

 オタクの妹が欲しい(笑)。

 ヘクトルをケロ、エリウッドをトウコで観てみたいわ、とか言える、ヅカファン妹でもヨシ(笑)。

 

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