わたしを殺してくれますか?@半落ち+ビギナー(笑)
2003年12月18日 映画 わたしとWHITEちゃんには、「見なければならない」俳優が何人かいる。
椎名桔平がそうだし、渡辺謙がそうだ。
そしてもうひとり、「田辺誠一」がいる。
わたしとWHITEちゃんは、田辺誠一を「王子」と呼んでいる。
そりゃ、及川光博や藤木直人も「王子」と呼んでるけれど、それとはまったく別の意味で田辺誠一は「王子」なのだ。
だって、ファンなんだもん(笑)。
田辺誠一は、好きだから「王子様」なの。
ミッチー王子はミッチー王子、藤木直人は(笑)付きで王子なの。
ただひとり、田辺誠一だけは、心から「王子様」なのよ。
反論はいらないわ。趣味の問題だから。田辺誠一は、わたしの大好きな王子様キャラなのー(目に星)。
だってだって、マンガのキャラをまんま演じることのできる人よ?
『ガラスの仮面』の真澄様よ? 紫の薔薇の人よ? 毎回笑いに悶絶しながら見たわよ。
『月下の棋士』の滝川さんよ? この眼鏡クール総受男のコスプレだけで、このドラマの価値が天までのぼったわ。
田辺誠一は、ヅカのフリルブラウスを素で着られる希有なリアル男性(しかも三十路)よ。
てことで、わたしは田辺誠一ファン。
今はまた二枚目キャラが定着してきたけど、一時期は佐野史郎系一直線だったもんなあ。脇役として出てきても、「あ、こいつ絶対犯人(もしくは変質者)」とわかってしまう系俳優(笑)。
とまあ、前置きが長いが、仕方がない。
WHITEちゃんが、
「田辺誠一の映画、見に行く?」
ってメールしてきたのがはじまりなんだもの。
映画『半落ち』。
監督・佐々部清。出演・寺尾聡、柴田恭兵、原田美枝子。
現役の警部が殺人を犯した。
「妻を殺した」と自首してきた梶@寺尾聡に、県警は震撼する。とんでもないスキャンダルだ。取り調べに当たった刑事の志木@柴田恭兵は上からの命令で、梶の供述をねつ造するための誘導尋問をする。アルツハイマーの妻から乞われた嘱託殺人、お涙頂戴系に持っていって、市民の不信をかわそうというたくらみ。
県警と検察の慣れ合い、体面を最重要視する警察に葬り去られようとする梶の真実とはなにか? 「守ろうとするもの」とはなにか? 一度は死を決意した男が思いとどまったのは何故か。
志木の他に、検事の佐瀬@伊原剛志、新聞記者の中尾@鶴田真由、弁護士の植村@國村隼はそれぞれの立場で、沈黙を守る梶の真実を追いはじめる。
田辺誠一、端役です。つーか、田辺誠一でなくてもいいし、いなくてもいいような役だったよーな。
むさくるしい画面だから、お花が必要だったってこと?(笑) きれい系の男は彼ひとりだもんよ。
てか、主演が寺尾聡って段階で、キャストの美しさなんか求めていない作品だってことがわかるよな。
しかし。
大泣きしました。
こーゆー作品に弱いのよ。
生きる痛みに充ちた物語。
梶を中心に、彼の真実を探す人々の心の傷が浮かび上がってくるの。
誰もが痛いものを心に秘めている。誰もが生きるかなしみや、つらさを知っている。そして、よろこびや愛しさを知っている。
だからみんな、痛い痛いとつぶやきながら、涙をこぼしながら、懸命に生きている。
彼は何故、最愛の妻を殺したのか?
その謎をめぐるミステリ。
アルツハイマーを嘆く妻に「殺して」と懇願されたから、殺した。
事実はたしかに、その通り。
誠実な梶は、嘘をつけない。真実のみを口にする。
それでは、妻を殺し自首するまでの間、2日間もどこでなにをしていたのか。
梶は口をつぐむ。沈黙する。
嘘のつけない男は、ただ黙る。
その2日間の謎を解くことで、梶の人生と事件の真実が浮かび上がってくる……。
「あなたは、わたしが殺してって頼んだら、殺してくれる?」
記者の中尾は恋人に問う。恋人(田辺誠一だ)は一笑に付して、取り合わない。
わたしには、わたしを殺してくれる人がいるだろうか?
わたしのために、殺人犯になってくれる人が、いるだろうか?
「わたしを殺してください」
と言うのは、「わたしと死んでください」と言うことと同じだ。
殺人を犯せば、社会的に未来を失う。ある意味一度死ぬようなもの。
あるいは、責任を取って自殺するか。
どちらにせよそれは、心中だ。
愛のために死ねるのか。
そーゆーことだろう?
壊れていく愛する者を、ただ見守るしかできない者たち。その慟哭。
妻を殺した梶に、妻の姉@樹木希林は泣きながら叫ぶ。
「わたしは妹を殺してやることができなかった」
と。「ごめんなさい」と。
愛していたのに、殺してやれなかった。
そして、彼女をいちばん愛していた梶が、彼女の望みを叶えた。
彼女を、殺した。
「私は、妻を殺しました」
梶の言葉は、とてつもない愛の言葉だ。
愛の告白だ。
もちろんそれは、殺人だ。罪だ。
病気だからって、本人の望みだからって、人間が人間の命を奪うのは傲慢だ。
まちがってるさ。
神様じゃ、ないんだから。
でもさ。
神様じゃないからこそ、人間はこんなに美しいんだよね?
文字数足りないので、次の欄につづく。
椎名桔平がそうだし、渡辺謙がそうだ。
そしてもうひとり、「田辺誠一」がいる。
わたしとWHITEちゃんは、田辺誠一を「王子」と呼んでいる。
そりゃ、及川光博や藤木直人も「王子」と呼んでるけれど、それとはまったく別の意味で田辺誠一は「王子」なのだ。
だって、ファンなんだもん(笑)。
田辺誠一は、好きだから「王子様」なの。
ミッチー王子はミッチー王子、藤木直人は(笑)付きで王子なの。
ただひとり、田辺誠一だけは、心から「王子様」なのよ。
反論はいらないわ。趣味の問題だから。田辺誠一は、わたしの大好きな王子様キャラなのー(目に星)。
だってだって、マンガのキャラをまんま演じることのできる人よ?
『ガラスの仮面』の真澄様よ? 紫の薔薇の人よ? 毎回笑いに悶絶しながら見たわよ。
『月下の棋士』の滝川さんよ? この眼鏡クール総受男のコスプレだけで、このドラマの価値が天までのぼったわ。
田辺誠一は、ヅカのフリルブラウスを素で着られる希有なリアル男性(しかも三十路)よ。
てことで、わたしは田辺誠一ファン。
今はまた二枚目キャラが定着してきたけど、一時期は佐野史郎系一直線だったもんなあ。脇役として出てきても、「あ、こいつ絶対犯人(もしくは変質者)」とわかってしまう系俳優(笑)。
とまあ、前置きが長いが、仕方がない。
WHITEちゃんが、
「田辺誠一の映画、見に行く?」
ってメールしてきたのがはじまりなんだもの。
映画『半落ち』。
監督・佐々部清。出演・寺尾聡、柴田恭兵、原田美枝子。
現役の警部が殺人を犯した。
「妻を殺した」と自首してきた梶@寺尾聡に、県警は震撼する。とんでもないスキャンダルだ。取り調べに当たった刑事の志木@柴田恭兵は上からの命令で、梶の供述をねつ造するための誘導尋問をする。アルツハイマーの妻から乞われた嘱託殺人、お涙頂戴系に持っていって、市民の不信をかわそうというたくらみ。
県警と検察の慣れ合い、体面を最重要視する警察に葬り去られようとする梶の真実とはなにか? 「守ろうとするもの」とはなにか? 一度は死を決意した男が思いとどまったのは何故か。
志木の他に、検事の佐瀬@伊原剛志、新聞記者の中尾@鶴田真由、弁護士の植村@國村隼はそれぞれの立場で、沈黙を守る梶の真実を追いはじめる。
田辺誠一、端役です。つーか、田辺誠一でなくてもいいし、いなくてもいいような役だったよーな。
むさくるしい画面だから、お花が必要だったってこと?(笑) きれい系の男は彼ひとりだもんよ。
てか、主演が寺尾聡って段階で、キャストの美しさなんか求めていない作品だってことがわかるよな。
しかし。
大泣きしました。
こーゆー作品に弱いのよ。
生きる痛みに充ちた物語。
梶を中心に、彼の真実を探す人々の心の傷が浮かび上がってくるの。
誰もが痛いものを心に秘めている。誰もが生きるかなしみや、つらさを知っている。そして、よろこびや愛しさを知っている。
だからみんな、痛い痛いとつぶやきながら、涙をこぼしながら、懸命に生きている。
彼は何故、最愛の妻を殺したのか?
その謎をめぐるミステリ。
アルツハイマーを嘆く妻に「殺して」と懇願されたから、殺した。
事実はたしかに、その通り。
誠実な梶は、嘘をつけない。真実のみを口にする。
それでは、妻を殺し自首するまでの間、2日間もどこでなにをしていたのか。
梶は口をつぐむ。沈黙する。
嘘のつけない男は、ただ黙る。
その2日間の謎を解くことで、梶の人生と事件の真実が浮かび上がってくる……。
「あなたは、わたしが殺してって頼んだら、殺してくれる?」
記者の中尾は恋人に問う。恋人(田辺誠一だ)は一笑に付して、取り合わない。
わたしには、わたしを殺してくれる人がいるだろうか?
わたしのために、殺人犯になってくれる人が、いるだろうか?
「わたしを殺してください」
と言うのは、「わたしと死んでください」と言うことと同じだ。
殺人を犯せば、社会的に未来を失う。ある意味一度死ぬようなもの。
あるいは、責任を取って自殺するか。
どちらにせよそれは、心中だ。
愛のために死ねるのか。
そーゆーことだろう?
壊れていく愛する者を、ただ見守るしかできない者たち。その慟哭。
妻を殺した梶に、妻の姉@樹木希林は泣きながら叫ぶ。
「わたしは妹を殺してやることができなかった」
と。「ごめんなさい」と。
愛していたのに、殺してやれなかった。
そして、彼女をいちばん愛していた梶が、彼女の望みを叶えた。
彼女を、殺した。
「私は、妻を殺しました」
梶の言葉は、とてつもない愛の言葉だ。
愛の告白だ。
もちろんそれは、殺人だ。罪だ。
病気だからって、本人の望みだからって、人間が人間の命を奪うのは傲慢だ。
まちがってるさ。
神様じゃ、ないんだから。
でもさ。
神様じゃないからこそ、人間はこんなに美しいんだよね?
文字数足りないので、次の欄につづく。
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