海を目指すクラゲ。@アカルイミライ
2003年11月22日 映画 「よみうりテレビ開局45年記念 ICOCAスペシャル CINEMA DAISUKI 映画祭2003」……という、やたらめったら長いタイトルのイベントに行って来ました。
よーするに、映画がいっぱい見られるのだ。3日間で21本上映。つっても、全部見るのは時間的に不可能。いくつかの会場で一気に上映しているからな。
希望者は前もってネットやハガキで応募しておく。抽選で招待券をGETして、さあ会場へ。
……もちろん、応募したのはわたしじゃない。わたしにそんなマメさはない。
マメさNo.1のWHITEちゃんが応募していたのだ。
全部で何タイトル当たったのかな? アニメとかは当たっても行く気はなく、そのまま招待券捨ててたもんなあ。
とりあえず、わたしが「一緒に行こうね」と誘われたのが、5タイトル。
22日 『アカルイミライ』『ラスト・ライフ・イン・ザ・ユニバース』
24日 『私立探偵濱マイク』『きょうのできごと』『スティール』
間の23日は宙東宝の発売日だし(笑)、24日は星青年館の発売日だし(笑)、と、とっても多忙な3連休。
ICOCAが協賛だとかなんだとかで、会場にICOCAカードを持っていくとプレゼントに応募できるというので、わたしもまず最寄り駅でICOCAカードを買いました。ICOCAデビウっすよ。ICOCAはなんの割引もないから、回数券愛用者のわたしは、あまり使うことがないんだが。
あー、ICOCAというのは、東京で言うところのSuicaカードのことです。チャージすることによっていつまでも使える、改札機にタッチするだけで通れるICカード。
ICOCAを持って、いざ会場へ。
1本目の映画。
『アカルイミライ〜カンヌ映画祭バージョン〜』
監督、脚本、編集・黒沢清、出演・オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也。
日本劇場公開は、2002年だから、去年ですな。
それを23分短縮して字幕をつけた、カンヌ国際映画祭正式出品作品、だそうだ。
わたしはその日本公開バージョンを見てません。
今回が初見。
イライラ青年オダギリジョーと、彼を見守る穏やかな大人青年浅野忠信。すぐにキレてなにもかもぶちこわすイライラ青年のことを、大人青年がとてもやさしく見守っている。
が。
実際に殺人犯になったのは、やさしく穏やかで大人っぽかった青年の方だった。
判決を待たずに自殺した大人青年から譲り受けたクラゲを飼うイライラ青年は、大人青年の父、藤竜也と出会う。
超えられない壁を有したままも、イライラ青年と死んだ青年の父は共に生活をはじめるが……。
こーゆー純文学作家の頭の中ってのは、わたしとはいろいろチガウんだろうなあ、というのが正直なところ。
考える、というより、感じるための映画。
答えを出すのではなく、聞くのではなく、ひとりずつが自分の中で「感じ」ればそれでいいのだと思う。
それは、いい。
いいんだが、わたしはこの映画を見ながら、とってももどかしくなったんだ。
この映画に限らず、このテの純文系作品を見るたびに、いつも感じること。
わたしなら、もっとおもしろくするのに。
とりあえず、映画館の半数が爆睡するよーな映画は作らない(笑)。
ミニシアター系の作品なんだから、客を選ぶのが前提。客が映画を選ぶのではなく、映画が客を選ぶ。
わかる人だけわかればいい。わからない人はイラナイ、見なくていいよ。
そういうスタンスで作られた映画。
だからこそ、「わかる」人にはとてつもなくウレシイ作品。
そーゆージャンルであり、スタンスであるのはわかる。
わかるけど、わたしならそーゆーモノは創らない。
誰が見てもふつーにおもしろくて、なにも知らずにタダだからって試写会にやってきたおじさんおばさんにもある程度たのしく見られて、だけどなおかつ、「わかる人にだけはわかる」サインもちりばめる。
力不足でどれかが欠けたとしても、目標はそこに置く。
まず、ふつーの人たちをたのしませたい。
「わかる」一部の人たちだけを、たのしませるのではなくて。
エンタメが好きなんだよなあ。
純文を低く考えるのではなくて、純文で扱うようなテーマも、エンタメのなかで表現したいと思うんだ。
ただ、自分がその方が好きだから。
だから、もどかしい。
ふつーの意味で「おもしろくする」なんて、この映画がはじめから目指していないことは承知の上で。
純文系だからこそのせつなさや美しさがあることを承知で。
それでも、もっとおもしろくする可能性を、はじめから捨てていることが、もどかしい。
いやあ、寒い会場でした。
もともと人が少ない上に(そりゃそーだ。このタイトルじゃ、タダでも人は集まらないよ)、みなさん気持ちよく爆睡(そりゃそーだ。この内容じゃ、タダだから、ってやってきた人たちの多くにはつまんないよ)。
でもとりあえず、浅野くんファンのわたしには、とってもたのしかったっす。
いーよなー、浅野くん。
こういう役、ハマりすぎ。彼ならではの透明感がツボ。
わたしは腐女子ですが、このいかにも「ホモ萌えしてください」と差し出された男3人の愛情物語にはいっさい萌えていません(笑)。
せつないものが好きだから。
恋愛より、このカタチや名前のない関係や距離が、なおいっそうせつないから。
ホモになんかしませんとも(笑)。
海でしか生きられないはずのクラゲたち。
少しずつ真水に慣れて、下水や川で、それでも生きて。
それでも、生きて。
すべての川は、海に続いている。
「日本公開バージョンは、もっと浅野くんとオダジョーがいちゃいちゃしてたのに」
と、WHITEちゃん。
カットされていたシーンの多くは、ふたりのデートシーン(笑)だとかだったらしい。
あと、血まみれ惨殺現場とか。
いい男ふたりのいちゃいちゃシーンは見たかった気もするが、本質に関係ないなら別にいいや。
ことさらに残虐なシーンも見たくないし。
「クラゲって、ほんとに刺すもんなの?」
と、WHITEちゃん。
「刺すよ。つーか、刺されたことあるし」
お盆を過ぎた海で泳ぐと、刺される可能性大。
「海なんか行かないから知らない」
「あたし、クラゲさわったことある、子どものとき。網ですくったの」
「ええ、どうよソレ?」
「気持ちいいもんでも、かわいいものでもなかったなあ。こう、べしゃっと平たいゴミ袋みたいになってて……」
お昼ごはん食べながら、何故かクラゲ談義(笑)。
つーこで、1本目終了。
わずか1時間おいて、2本目の試写会に参加したわけなんだが。
しかし、行数が足りないので明日へつづく。
よーするに、映画がいっぱい見られるのだ。3日間で21本上映。つっても、全部見るのは時間的に不可能。いくつかの会場で一気に上映しているからな。
希望者は前もってネットやハガキで応募しておく。抽選で招待券をGETして、さあ会場へ。
……もちろん、応募したのはわたしじゃない。わたしにそんなマメさはない。
マメさNo.1のWHITEちゃんが応募していたのだ。
全部で何タイトル当たったのかな? アニメとかは当たっても行く気はなく、そのまま招待券捨ててたもんなあ。
とりあえず、わたしが「一緒に行こうね」と誘われたのが、5タイトル。
22日 『アカルイミライ』『ラスト・ライフ・イン・ザ・ユニバース』
24日 『私立探偵濱マイク』『きょうのできごと』『スティール』
間の23日は宙東宝の発売日だし(笑)、24日は星青年館の発売日だし(笑)、と、とっても多忙な3連休。
ICOCAが協賛だとかなんだとかで、会場にICOCAカードを持っていくとプレゼントに応募できるというので、わたしもまず最寄り駅でICOCAカードを買いました。ICOCAデビウっすよ。ICOCAはなんの割引もないから、回数券愛用者のわたしは、あまり使うことがないんだが。
あー、ICOCAというのは、東京で言うところのSuicaカードのことです。チャージすることによっていつまでも使える、改札機にタッチするだけで通れるICカード。
ICOCAを持って、いざ会場へ。
1本目の映画。
『アカルイミライ〜カンヌ映画祭バージョン〜』
監督、脚本、編集・黒沢清、出演・オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也。
日本劇場公開は、2002年だから、去年ですな。
それを23分短縮して字幕をつけた、カンヌ国際映画祭正式出品作品、だそうだ。
わたしはその日本公開バージョンを見てません。
今回が初見。
イライラ青年オダギリジョーと、彼を見守る穏やかな大人青年浅野忠信。すぐにキレてなにもかもぶちこわすイライラ青年のことを、大人青年がとてもやさしく見守っている。
が。
実際に殺人犯になったのは、やさしく穏やかで大人っぽかった青年の方だった。
判決を待たずに自殺した大人青年から譲り受けたクラゲを飼うイライラ青年は、大人青年の父、藤竜也と出会う。
超えられない壁を有したままも、イライラ青年と死んだ青年の父は共に生活をはじめるが……。
こーゆー純文学作家の頭の中ってのは、わたしとはいろいろチガウんだろうなあ、というのが正直なところ。
考える、というより、感じるための映画。
答えを出すのではなく、聞くのではなく、ひとりずつが自分の中で「感じ」ればそれでいいのだと思う。
それは、いい。
いいんだが、わたしはこの映画を見ながら、とってももどかしくなったんだ。
この映画に限らず、このテの純文系作品を見るたびに、いつも感じること。
わたしなら、もっとおもしろくするのに。
とりあえず、映画館の半数が爆睡するよーな映画は作らない(笑)。
ミニシアター系の作品なんだから、客を選ぶのが前提。客が映画を選ぶのではなく、映画が客を選ぶ。
わかる人だけわかればいい。わからない人はイラナイ、見なくていいよ。
そういうスタンスで作られた映画。
だからこそ、「わかる」人にはとてつもなくウレシイ作品。
そーゆージャンルであり、スタンスであるのはわかる。
わかるけど、わたしならそーゆーモノは創らない。
誰が見てもふつーにおもしろくて、なにも知らずにタダだからって試写会にやってきたおじさんおばさんにもある程度たのしく見られて、だけどなおかつ、「わかる人にだけはわかる」サインもちりばめる。
力不足でどれかが欠けたとしても、目標はそこに置く。
まず、ふつーの人たちをたのしませたい。
「わかる」一部の人たちだけを、たのしませるのではなくて。
エンタメが好きなんだよなあ。
純文を低く考えるのではなくて、純文で扱うようなテーマも、エンタメのなかで表現したいと思うんだ。
ただ、自分がその方が好きだから。
だから、もどかしい。
ふつーの意味で「おもしろくする」なんて、この映画がはじめから目指していないことは承知の上で。
純文系だからこそのせつなさや美しさがあることを承知で。
それでも、もっとおもしろくする可能性を、はじめから捨てていることが、もどかしい。
いやあ、寒い会場でした。
もともと人が少ない上に(そりゃそーだ。このタイトルじゃ、タダでも人は集まらないよ)、みなさん気持ちよく爆睡(そりゃそーだ。この内容じゃ、タダだから、ってやってきた人たちの多くにはつまんないよ)。
でもとりあえず、浅野くんファンのわたしには、とってもたのしかったっす。
いーよなー、浅野くん。
こういう役、ハマりすぎ。彼ならではの透明感がツボ。
わたしは腐女子ですが、このいかにも「ホモ萌えしてください」と差し出された男3人の愛情物語にはいっさい萌えていません(笑)。
せつないものが好きだから。
恋愛より、このカタチや名前のない関係や距離が、なおいっそうせつないから。
ホモになんかしませんとも(笑)。
海でしか生きられないはずのクラゲたち。
少しずつ真水に慣れて、下水や川で、それでも生きて。
それでも、生きて。
すべての川は、海に続いている。
「日本公開バージョンは、もっと浅野くんとオダジョーがいちゃいちゃしてたのに」
と、WHITEちゃん。
カットされていたシーンの多くは、ふたりのデートシーン(笑)だとかだったらしい。
あと、血まみれ惨殺現場とか。
いい男ふたりのいちゃいちゃシーンは見たかった気もするが、本質に関係ないなら別にいいや。
ことさらに残虐なシーンも見たくないし。
「クラゲって、ほんとに刺すもんなの?」
と、WHITEちゃん。
「刺すよ。つーか、刺されたことあるし」
お盆を過ぎた海で泳ぐと、刺される可能性大。
「海なんか行かないから知らない」
「あたし、クラゲさわったことある、子どものとき。網ですくったの」
「ええ、どうよソレ?」
「気持ちいいもんでも、かわいいものでもなかったなあ。こう、べしゃっと平たいゴミ袋みたいになってて……」
お昼ごはん食べながら、何故かクラゲ談義(笑)。
つーこで、1本目終了。
わずか1時間おいて、2本目の試写会に参加したわけなんだが。
しかし、行数が足りないので明日へつづく。
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