「でーぶいでーってなに?」
 と言っていた母に、『マトリックス』を見せた。いやたんに、手近にあったDVDソフトだったもんで。シリーズ1作目ね。

 ウチの母に、『マトリックス』が理解できるだろうか?
 はなはだアヤしいが、たんにわたしと弟が見たかったので、見ることにした。
 わたしはその昔試写会で1回見ただけだったので、ものすごーくひさしぶり、弟は全編通しで見るのははじめて、母に至っては「映画を見るのってひさしぶり!!」だ。

 『マトリックス』は、なんせ、話題だのブームだのになる前に試写会で見ただけだから。
 もう一度見ると、笑える映画だなあ。
 有名すぎるシーンが、今じゃあちこちでパロディされてるから、そっちを思い出してしまうんだ。

 心配だったのは、母。
 映画はおろかテレビドラマさえ見ない人に、こーゆー映画って理解できるもんなのか?
 つーか、顔の見分けついてる? 固有名詞は理解できてる?
 世話を焼く必要はないのに、つい、解説してしまったりする。
 わたしの解説に、母はちゃんと返事をする。どうやら理解しているらしい。

 時間がなくて、上映会は中断することになった。
 母は古いロボットなので、夜11時になるとスイッチが切れるのだ。タイムリミットがやってきたため、母は、
「もうこんな時間。電池が切れるわ。あんたたちだけで続きは見なさいよ」
 と言って就寝してしまった(眠くて起きていられないことを、母は「電池が切れる」と言う)。

 映画がわからなくて、眠かったのかな?

 ところが今日、屍人どもと必死に戦っているわたしのもとへ、母がやってきた。
「今、忙しい? 昨日のでーぶいでーの続きが見たいんだけど」
 DVDプレーヤーの操作方法がわからないので、教えてくれと言って、リモコンを差し出された。
 自分の家から、リモコンだけ握ってきたんかい。
 リモコンだけで操作方法を説明しても母が理解できないのはわかりきっているので、結局母の家まで行って、昨日母が見ていたところから再生してやった。

 そしてわたしは、再び屍人との戦いに戻る。

「おもしろかったわ!!」

 『マトリックス』を見終わった母は吠える。

「おぼえたわ! でーぶいでーはおもしろいわ! 他になにがあるの、なんでも見るわよ!」

 なんでもって……『踊る大捜査線』全話あるけど見る? BOXで買ったからさ。
 あと、『エリザベート』とか……。

「タダなら見てあげるわよ」

 母、吠える。
 ゴリラのよーに「うほっ、うほっ」と吠える。

「有名洋画なら、たぶんいろいろ持ってるよ? 探そうか?」
 と、弟。持ってるだけで見てないので、なにを持っているかどこにあるのか、わかっていない口調。

「母には『少林サッカー』とか見せたらウケるんじゃないか?」
「あー、たしかに母向きかも」
 こうして、母の「でーぶいでー」ライフははじまるのかしら。

          ☆

 屍人との戦闘日記。
 猟銃じじいのシナリオで、タイムトライアルがあったので、またしても絶望して電源を切った。
 このくそ難しいゲームで、タイムトライアルなんか、わたしにできるもんかっ。なんでEASYモードないのよ、難しすぎるよー。
 ……努力を重ねて、なんとかそのじじいシナリオ、クリア。二度とできないかも。

 ストーリーが錯綜しまくってるので、Excelでリンク表を作ってみました。
 医者と神父、3時間以上もふたりで歓談してたの? 看護婦妹が屍人に襲われたりしてるっちゅーのに?(笑)

 

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