謎の「ろくまいそー」。
2003年10月14日 その他 子どものころ、ガールスカウトに入っていた。
なんで入っていたか、入っていてどうだったかは置くとして。
あれからずっと、謎として抱えていることがある。
今はどうだか知らないが、当時のわたしがいたガールスカウトでは、すべてが「口伝」だった。
教科書なんてないし、紙に書いてあるものもなかった。
規則も方法もちょっとしたことも、なにもかも、先輩から耳で聞いておぼえるのだ。
もしくは、「見て覚えろ」てなもんで、みんながやっているのを見て、聞いて、自発的に自分で学ぶのだ。誰も先に教えてなんかくれない。「先輩から盗め」てなもんだ。
昔の職人さんとか丁稚奉公とか、そんな感じ? わりと封建社会だった。規律とかいろいろ厳しかったしな。
そして謎は、「口伝」ゆえに生まれた。
ガールスカウトはキリスト教が根っこにある。
わたしが聖書を読んだのも賛美歌を歌ったのも教会に入ったのも、みんなガールスカウトになってからだ。
神と国家、なんて、八百万の神と同居している日本人の小学生が考えたこともない概念と向き合わさせられたりもした。
今でも「約束」(誓いの言葉だな。活動のとき必ず声に出して宣誓するんだわ)を空で言えるけど、そこで「神と国」という言葉があることが、当時も理解できずにいたが、根っこにある宗教がちがったせいなんだよなー。
さて、その異世界文化を根底に持つ団体において、子どもだったわたしはいろんな「歌」を習った。
賛美歌も多かった。とーぜん、歌詞は現代語ではない。文語体だし、敬いまくった言い回しだから、なにを言っているのかさっぱりわからない。
それらは「口伝」であったがゆえに、さらに呪文めいてくる。
文字で書いてあってもきっと、なんのことかわからないだろうに、それを耳で聞いて覚えるんだ。
さーっぱりだ。
でもまあ、賛美歌はメロディが美しかったので、わけのわからない呪文を音だけなぞって、なんとなくいい気分にはなっていたっけ。
賛美歌はすでに「呪文」の域にまで達していた。ので、謎にはならない。だってそもそも全部、わけがわからなかったもの。
問題は、レクリエーションのときに歌う歌だ。
これが、中途半端にわからないんだ。
誰か、『ろくまいそー』という歌を知りませんか?
キャンプなどで必ず歌ったのだけど、最後まで意味がわからなかった歌。
そもそも、「ろくまいそー」って、ナニ?
口伝だから、どんな字を書くのかわからない。
ひとが歌っているのを聞いて、自分もまねて歌う。
さすがに「ろくまいそー」と歌われる部分の意味がわからなくて、先輩に聞いたのだが、
「なにって、『ろくまいそー』は『ろくまいそー』よ。そう歌えばいいの」
としか答えてくれなかった。先輩もたぶん、知らなかったのだ。先輩ったって、同じ小学生さ。理屈なんかなくても生きていける世代。
なんせ口伝。耳で覚えて、後輩に伝えていく文化。
元ネタなんか、わかるはずがない。
『ろくまいそー』は三重奏で、主旋律パートが、
高くてのぼれない 低くてくぐれない
広くて泳げない 狭くてすすめない
おお ろくまいそー
と、歌う。細部はチガウかもしれんが、とにかく反対の概念が同時に存在するのが「ろくまいそー」というものらしい。
主旋律を歌うグループは、振り付けがあるので踊らなければならない。
第2のパートは、
ろーくまーいそー
ろーくまーいそー
と、スローテンポで最初から最後まで同じ歌詞を歌う。
第3のパートは、
ろっくまいそっ、ろっくまいそっ
と、アップテンポで最初から最後まで同じ歌詞を歌う。
3つのメロディが重なり合ってはじめて、『ろくまいそー』という歌なのだ。
……なんなんですか、コレ?
「ろくまいそー」部分は、もともとは英語かなんかじゃなかったのかな、と、今になって思うんだが。
だけど口伝だし小学生なので、意味も発音も関係なく「ろくまいそー」と伝えられていった。
ああ、謎だ。
なまじ、他の部分がわかるだけに、肝心要の「ろくまいそー」だけわからないのが、気持ち悪いのよ、引っかかるのよ。
あと、「しらかば林」ではじまる歌。
これも中途半端に覚えていて、半端に謎で、気持ち悪いの。
しらかば林ウーラのすみか
大鹿の群 彷徨う
(途中失念)……いつか
うんばらいーやだ うんぱっぱ
うんばらいーやだ うんぱっぱ
ウーラってナニ?
でもって、最後の「うんぱらいーやだ うんぱっぱ」ってナニ?!
当時、誰に聞いても正しい歌詞なんかわからず、音だけで「うんばらいーやだ うんぱっぱ」って歌えって言われてたんだもん。
謎。
ずーっと、謎。
ガールスカウト活動当時も、そして退団したのちもずーっと謎のまま。
わたしが一生抱えていく謎なのかしら。
同時期にボーイスカウト(正確にはカブスカウト)に属していた弟に聞いたんだが、彼もまったく知らないと言う。
ボーイとガールでは、まったく活動内容がちがったしなあ。当時は子どもの数が多かったからか、ボーイとガールはまったくの別組織別活動だったし。今たまに、男女入り交じっているボーイスカウトらしき人々とか目にして、違和感持つくらいに。
「カブスカウトのおかげで、当時キリスト教にはものすごい苦手意識を植え付けられたよ」
と、弟は苦笑しつつ言う。
なんの予備知識もない、神も仏もごった煮感覚のふつーのガキに、突然キリスト様はきつかったらしい。
公立の小学校に入学したつもりが、実はそこはばりばりのミッション・スクールで、朝から教会で礼拝しなければならない世界だった、てなカルチャーショック。周囲には洗礼名を持った人たちがごろごろ。
わたしも、アレにはおどろいた……宗教なんてそれまで意識したことなかったからなあ(笑)。
よっぽど肌に合わなかったのか、弟はすぐに退団してしまったんだ。
わたしはなんとなーく、ずるずると数年いたけど(洗礼は受けなかったっす)。
制服はよりによってワンピースにベレー帽でねえ……。
成長のいいわたしは、制服がすぐに小さくなって大変だったよ。ワンピースはお直ししにくいんだってば。
膝丈が規則なのに、折り返し部分を全部出してなお、パンツがぎりぎり見えないくらいの超ミニになってしまった制服で、活動してたなー、わたし。
またしても弟と近所のレストランでメシ食ってたんですが。
どっからそうなったのか、本日の話題はガールスカウト時代のことだったりしました。
ああ……。
「ろくまいそー」って、ナニ〜〜っ?!
なんで入っていたか、入っていてどうだったかは置くとして。
あれからずっと、謎として抱えていることがある。
今はどうだか知らないが、当時のわたしがいたガールスカウトでは、すべてが「口伝」だった。
教科書なんてないし、紙に書いてあるものもなかった。
規則も方法もちょっとしたことも、なにもかも、先輩から耳で聞いておぼえるのだ。
もしくは、「見て覚えろ」てなもんで、みんながやっているのを見て、聞いて、自発的に自分で学ぶのだ。誰も先に教えてなんかくれない。「先輩から盗め」てなもんだ。
昔の職人さんとか丁稚奉公とか、そんな感じ? わりと封建社会だった。規律とかいろいろ厳しかったしな。
そして謎は、「口伝」ゆえに生まれた。
ガールスカウトはキリスト教が根っこにある。
わたしが聖書を読んだのも賛美歌を歌ったのも教会に入ったのも、みんなガールスカウトになってからだ。
神と国家、なんて、八百万の神と同居している日本人の小学生が考えたこともない概念と向き合わさせられたりもした。
今でも「約束」(誓いの言葉だな。活動のとき必ず声に出して宣誓するんだわ)を空で言えるけど、そこで「神と国」という言葉があることが、当時も理解できずにいたが、根っこにある宗教がちがったせいなんだよなー。
さて、その異世界文化を根底に持つ団体において、子どもだったわたしはいろんな「歌」を習った。
賛美歌も多かった。とーぜん、歌詞は現代語ではない。文語体だし、敬いまくった言い回しだから、なにを言っているのかさっぱりわからない。
それらは「口伝」であったがゆえに、さらに呪文めいてくる。
文字で書いてあってもきっと、なんのことかわからないだろうに、それを耳で聞いて覚えるんだ。
さーっぱりだ。
でもまあ、賛美歌はメロディが美しかったので、わけのわからない呪文を音だけなぞって、なんとなくいい気分にはなっていたっけ。
賛美歌はすでに「呪文」の域にまで達していた。ので、謎にはならない。だってそもそも全部、わけがわからなかったもの。
問題は、レクリエーションのときに歌う歌だ。
これが、中途半端にわからないんだ。
誰か、『ろくまいそー』という歌を知りませんか?
キャンプなどで必ず歌ったのだけど、最後まで意味がわからなかった歌。
そもそも、「ろくまいそー」って、ナニ?
口伝だから、どんな字を書くのかわからない。
ひとが歌っているのを聞いて、自分もまねて歌う。
さすがに「ろくまいそー」と歌われる部分の意味がわからなくて、先輩に聞いたのだが、
「なにって、『ろくまいそー』は『ろくまいそー』よ。そう歌えばいいの」
としか答えてくれなかった。先輩もたぶん、知らなかったのだ。先輩ったって、同じ小学生さ。理屈なんかなくても生きていける世代。
なんせ口伝。耳で覚えて、後輩に伝えていく文化。
元ネタなんか、わかるはずがない。
『ろくまいそー』は三重奏で、主旋律パートが、
高くてのぼれない 低くてくぐれない
広くて泳げない 狭くてすすめない
おお ろくまいそー
と、歌う。細部はチガウかもしれんが、とにかく反対の概念が同時に存在するのが「ろくまいそー」というものらしい。
主旋律を歌うグループは、振り付けがあるので踊らなければならない。
第2のパートは、
ろーくまーいそー
ろーくまーいそー
と、スローテンポで最初から最後まで同じ歌詞を歌う。
第3のパートは、
ろっくまいそっ、ろっくまいそっ
と、アップテンポで最初から最後まで同じ歌詞を歌う。
3つのメロディが重なり合ってはじめて、『ろくまいそー』という歌なのだ。
……なんなんですか、コレ?
「ろくまいそー」部分は、もともとは英語かなんかじゃなかったのかな、と、今になって思うんだが。
だけど口伝だし小学生なので、意味も発音も関係なく「ろくまいそー」と伝えられていった。
ああ、謎だ。
なまじ、他の部分がわかるだけに、肝心要の「ろくまいそー」だけわからないのが、気持ち悪いのよ、引っかかるのよ。
あと、「しらかば林」ではじまる歌。
これも中途半端に覚えていて、半端に謎で、気持ち悪いの。
しらかば林ウーラのすみか
大鹿の群 彷徨う
(途中失念)……いつか
うんばらいーやだ うんぱっぱ
うんばらいーやだ うんぱっぱ
ウーラってナニ?
でもって、最後の「うんぱらいーやだ うんぱっぱ」ってナニ?!
当時、誰に聞いても正しい歌詞なんかわからず、音だけで「うんばらいーやだ うんぱっぱ」って歌えって言われてたんだもん。
謎。
ずーっと、謎。
ガールスカウト活動当時も、そして退団したのちもずーっと謎のまま。
わたしが一生抱えていく謎なのかしら。
同時期にボーイスカウト(正確にはカブスカウト)に属していた弟に聞いたんだが、彼もまったく知らないと言う。
ボーイとガールでは、まったく活動内容がちがったしなあ。当時は子どもの数が多かったからか、ボーイとガールはまったくの別組織別活動だったし。今たまに、男女入り交じっているボーイスカウトらしき人々とか目にして、違和感持つくらいに。
「カブスカウトのおかげで、当時キリスト教にはものすごい苦手意識を植え付けられたよ」
と、弟は苦笑しつつ言う。
なんの予備知識もない、神も仏もごった煮感覚のふつーのガキに、突然キリスト様はきつかったらしい。
公立の小学校に入学したつもりが、実はそこはばりばりのミッション・スクールで、朝から教会で礼拝しなければならない世界だった、てなカルチャーショック。周囲には洗礼名を持った人たちがごろごろ。
わたしも、アレにはおどろいた……宗教なんてそれまで意識したことなかったからなあ(笑)。
よっぽど肌に合わなかったのか、弟はすぐに退団してしまったんだ。
わたしはなんとなーく、ずるずると数年いたけど(洗礼は受けなかったっす)。
制服はよりによってワンピースにベレー帽でねえ……。
成長のいいわたしは、制服がすぐに小さくなって大変だったよ。ワンピースはお直ししにくいんだってば。
膝丈が規則なのに、折り返し部分を全部出してなお、パンツがぎりぎり見えないくらいの超ミニになってしまった制服で、活動してたなー、わたし。
またしても弟と近所のレストランでメシ食ってたんですが。
どっからそうなったのか、本日の話題はガールスカウト時代のことだったりしました。
ああ……。
「ろくまいそー」って、ナニ〜〜っ?!
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