『呪怨2』を見ました。
 監督・清水崇、出演・酒井法子、新山千春、堀江慶、市川由衣、葛山信吾。

 前作が「物語」としてあんまりなデキだったため、かえって興味があった。
 あの話を、続編ではどうするつもりなんだろう?
 まさか、2作続けてアレなことをするはずないよね? いくらなんでも、そんなバカなことしないよね?
 という、興味半分、へぼい作品見たいハート半分。

 うわー。

 感想をひとことで言うと。

「この監督は、映画を撮るより、お化け屋敷の監督をした方がいい」

 『1』の感想で書いたことすべてが、まんま『2』の感想です。
 あ、『1』の感想は今年の2月7日の日記ね。

 シチュエーションだけで、ストーリーのない物語なんか、物語じゃない。
 「映画」として成り立ってない。
 お化け屋敷を作るべきだよ。この監督の作品なら、絶対こわいよー。ストーリーもいらないしさ。入場者をシーンごとにびっくりさせればいいんだから。
 映画はもう、いいよ……。

 今回もまた、いつもの自爆霊屋敷に関わった人たちが、全員呪われて死にました。おしまい。

 ストーリー紹介はこれだけっす。
 10数分に1回主人公が変わるので、ほんとーにただ、そのときの主人公が俊雄くんや伽耶子に追いかけられて死んでいくだけ。その繰り返し。
 時系列をわざと乱して、どのエピソードがどのエピソードにつながる、という仕掛けをしている以外はなにもナシ。
 なんせひとり10数分だから、主人公たちの人格も人生もなにも描かれず、ただきゃーきゃー叫んで恐怖に顔をゆがめて死んでいくのさ。
 感情移入もなにもない。

 『1』を見たときに、ストーリーがない「物語」がどれほどつまらないかを目の当たりにして驚いた。
 たしかに目で見てこわいのに、心になにも届かないため、心では恐怖を感じなかった。そーゆーことってあるんだ、と、その体験に瞠目したさ。
 繰り返される無限ループ。
 シチュエーションだけを作り続ける情熱。
 ストーリーを動かすキャラクターの出現を切望した。

 だから『2』をどうするつもりなのか、確かめたかった。
 1本は「シチュエーションだけ」でもいいかもしれない。だが、無限ループをシリーズ化しても意味がないだろう。
 何故なら観客は「あきる」からだ。
 現にわたしは、『1』の後半はすでにあきていた。
 後ろから「わっ」と驚かされればたしかに驚くけど、何度もたてつづけに「わっ」とやられていたら、すぐにあきる。
 人間ならわかりきったこと。
 ではスタッフは、『2』をどうするつもりなのだろうか。『1』と同じと見せかけて、なにか仕掛けをして盛り上げるはずだ。観客の慣れを裏切る新鮮な驚きがあるはずだ。
 と、思ってはいたんだよ。……その反面、まったく変わっていないんじゃないか、とあきらめながらも。

 ええ、変わってなどいなかったさ。

 無限ループ再び。
 同じことを繰り返すのみ。

 『1』よりグレードアップしているのは、後ろから「わっ」と驚かす、その声が大きくなったことぐらいかしらね。
 『1』ではあまり姿を見せなかった(だからこわかった)伽耶子が大盤振る舞いで出まくりです! ……って、コレだけかよ、アップしたことって!! ほんとに「わっ」の声が大きくなった程度のことかよ。

 「同じこと」を繰り返すのは、テクニックが必要だ。監督はたしかに才能のある人でしょう。でもそれは、「物語を作る」才能とは別のもののよーな気がするよ。
 誰か他の、人間や物語を作るふつーの映画監督の、ホラー部分だけをこの清水氏が担当する、とかしたら、たのしいホラー映画が作られるんじゃないかな?

 『呪怨2』を見てみたいと思っている人へ。
 前もって『1』を見たりしなくていいです。前作のビデオシリーズもべつに、見なくていいでしょう。ストーリーはなかった、との証言があるので。
 むしろ、なにも見ないで知らないで見るのがいちばん、たのしめると思います。
 映画館に入ったとき、すでに映画がはじまっていても大丈夫。どっから見ても同じです。好きなところから見てヨシ。

 それと。
 酒井法子、最悪っす(笑)。
 この女優をホラーに出してはいけない。リアリティもなんもあったもんじゃねえ。
 テレビで等身大のかわいい女性を演じていてください。演技が必要な役は、やらせないでください(笑)。懇願。

 

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