『HERO』見てきたよ、けっこーツボだった(笑)。
明日は「1万人の第九」のレッスン初日だね、がんばってね。
てなメールをWHITEちゃんに送信したわずか数分後に自宅の電話が鳴った。
「『第九』のレッスンって、明日?!」
WHITEちゃんからだった。
明日だよ、9/4。ちゃんと前もってメールしてあったでしょ? ひみつ日記帰ってきてたから、読んでるはずだよね?
「たしかに読んだし、確認した。でも、9/4と明日がイコールでつながってなかった」
うなるWHITEちゃん。明日は明日で用事があったらしい。
でもなあ、老婆心から言うと、レッスンの初日は出ておいた方がいいと思うよ。わたしなんか、まずドイツ語さっぱりわかんねーから、発音から苦労したし。
「んじゃ緑野、あたしのかわりに試写会行く?」
WHITEちゃんの予定とは、試写会だったらしい。
タイトルも聞かずに、とりあえずOKする(笑)。映画ならなんでも見るぞー。
つーことで、急遽ピンチヒッターで試写会へ。
試写会場はわたしの家の近く。いつも行っている映画館の半分以下の距離。自転車で映画を見に行けるのって、楽でいいなあ。つーか、これくらいの距離に映画館があればいいのになあ。
『サハラに舞う羽根』、監督シェカール・カプール、出演ヒース・レジャー、ウェス・ベントリー、ケイト・ハドソン。
タイトルとチラシしか予備知識なし。
チラシを見てずっと、恋愛映画だと思っていた。
愛し合う恋人同士だろう若い男女が額を寄せ合うアップの下に、戦争らしきシーン。コピーは「この羽根に誓って、必ず君のもとへ。」ときたら、そう思っても仕方ないだろう。
きれいだからチラシは手に入れていたが、裏面の解説には一切目を通していなかった。
つーかわたし、チラシの解説なんか映画を見たあとぐらいしか読まないし(予備知識ナシで見るのが好きだから)。
うーん、これは……本国でも「恋愛映画」のふりをした予告や宣伝展開をしていたの?
それともまたしても、「恋愛映画ってことにしておかないと日本では売れないから、恋愛映画ってことにしておこうぜ」ってこと?
それくらい、男女の「恋愛」はどーでもいい位置づけでしたが?
1884年、イギリスは侵略戦争で元気いっぱい。主人公の若き将校ハリー@ヒース・レジャーはそのことに疑問を抱き、軍を除隊する。
戦争が正義であるこの時代、領地拡大侵略上等!を否定するハリーは親友や恋人から「臆病者」という意味の「白い羽根」を送りつけられる。
侵略戦争は嫌だ。でも、愛する者を救うためなら戦える。軍とも国とも無関係に、単身戦場であるアフリカへ渡ったハリーは、仲間たちの部隊を助けるために孤軍奮闘する。
男男男、とにかく男。
なんせ、戦争モノですから。
敵も味方も、男男男。
ひたすら、男しか出てこねえ。
男の面子と生き方と、男同士の友情の物語でした。
ふと周りを見ると、爆睡率高し。
そーいや「タイタニック以来の恋愛映画」と謳っていた、あの大嘘つき局地的歴史映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』もまさにこんな感じだったなあ。みなさん気持ちよさそうに爆睡。
そりゃそーよね、広告と本編が乖離してたら、つらいわなあ。
それにしても、『ギャング・オブ・ニューヨーク』と似てるなあ。
・恋愛至上主義のよーな広告(予告編を見たWHITEちゃんも、「恋愛映画だと思っていた」そうだ)。
・じつは男と男の物語。
・戦争シーンがメイン。殺し合いの描写に力入ってます。
・日本人にはあまり馴染みのない他国の歴史大作
・恋愛部分はおまけ。なくてもかまわない。
ヒロインのエスネ@ケイト・ハドソン(菅野美穂に似てる……めちゃくちゃ似てる……)は、極端な話、いなくてもかまわない役だった。
たとえば手紙だけとか、存在を匂わすだけでも十分だ。
主人公のハリーは、自分に「白い羽根」を送ってきた4人の親しい人間たちへ、そして自分自身へ勇気を示す必要があったわけだから、ヒロインは「白い羽根を送った4人のうちの1人」の意味しかないんだよね。
ヒロインが「4分の1」の重要さじゃあ、恋愛映画になるはずがないよ。
戦闘と戦友たちとの友情をここまで描くならば、ヒロインと恋愛は縮小してもかまわなかったのに。
下手にハリーとエスネの恋愛話を入れるより、「同じ女を愛してしまった」親友ジャック@ウェス・ペントリーとの話をもっと深めた方が良かったんじゃないのか?
とまあ、テーマが絞り切れていない気がして、散漫な印象。
どうせ友情モノをやるなら、徹底してほしかったさ。
仲間たちのキャラが薄いよー。目立ってたのはキャスルトン@クリス・マーシャルぐらい? しかもその目立ち方が「ああ、こいつもうすぐ戦死するぞ」と見え見えな目立ち方……。いやわたし、この子の顔はすごく好きなんだけど。
もっとひとりずつのキャラを立てて、深く掘り下げてくれたら、彼らに軽蔑されたハリーの絶望や、それでも立ち上がってひとりで前へ進む姿に感動できたのになー。
準主役のジャックにしろ、ちっともかっこよく見えない。あれじゃ親友の不在につけ込んで女を盗む、ただのヤな男だよ……。
神に導かれハリーを守ると言い張るアフリカの戦士アブー@ジャイモン・ハンスゥは不思議な存在感。
ハリーの守護天使を自認、ですか、そーですか。
あまりに唐突だったので「……ホモ?」と首を傾げてしまいましたよ(笑)。
いちばん感動的かつ、純粋ですばらしい友情は、ハリーとアブーの間に存在しました。
わたしのよーな腐った人間には「……ホモ?」にしか見えないんですけど。
試写前のナレーションで「CGを一切使っていない、迫力の戦闘シーンが見物です」とあり、感慨深かったよ。
そっかー、ひと昔前までは、「CGを使っている」ことが「売り」になったのに、今は逆なんだ……。
いちばん高いのは、人件費だよね。
結局この映画は、「友情はすばらしい!」ってことで、幕を閉じました。「アメリカ万歳!」で終わった『ギャング・オブ・ニューヨーク』よりは一般性があると思う。
英国軍の軍服が好きな人とか、うら若きにーちゃんたちがいちゃいちゃしたり戦争したりしているのが好きな人には、目に楽しい映画かもしれん。
戦闘機びゅんびゅんより、こーゆー原始的な戦いの方が、わたしは見る分には興味深かった。なんせチャンパラですから。
主役のヒース・レジャーは、美しい英国紳士のときより、小汚いアフリカの男のときの方が、かっこよかったす。わたしには。
明日は「1万人の第九」のレッスン初日だね、がんばってね。
てなメールをWHITEちゃんに送信したわずか数分後に自宅の電話が鳴った。
「『第九』のレッスンって、明日?!」
WHITEちゃんからだった。
明日だよ、9/4。ちゃんと前もってメールしてあったでしょ? ひみつ日記帰ってきてたから、読んでるはずだよね?
「たしかに読んだし、確認した。でも、9/4と明日がイコールでつながってなかった」
うなるWHITEちゃん。明日は明日で用事があったらしい。
でもなあ、老婆心から言うと、レッスンの初日は出ておいた方がいいと思うよ。わたしなんか、まずドイツ語さっぱりわかんねーから、発音から苦労したし。
「んじゃ緑野、あたしのかわりに試写会行く?」
WHITEちゃんの予定とは、試写会だったらしい。
タイトルも聞かずに、とりあえずOKする(笑)。映画ならなんでも見るぞー。
つーことで、急遽ピンチヒッターで試写会へ。
試写会場はわたしの家の近く。いつも行っている映画館の半分以下の距離。自転車で映画を見に行けるのって、楽でいいなあ。つーか、これくらいの距離に映画館があればいいのになあ。
『サハラに舞う羽根』、監督シェカール・カプール、出演ヒース・レジャー、ウェス・ベントリー、ケイト・ハドソン。
タイトルとチラシしか予備知識なし。
チラシを見てずっと、恋愛映画だと思っていた。
愛し合う恋人同士だろう若い男女が額を寄せ合うアップの下に、戦争らしきシーン。コピーは「この羽根に誓って、必ず君のもとへ。」ときたら、そう思っても仕方ないだろう。
きれいだからチラシは手に入れていたが、裏面の解説には一切目を通していなかった。
つーかわたし、チラシの解説なんか映画を見たあとぐらいしか読まないし(予備知識ナシで見るのが好きだから)。
うーん、これは……本国でも「恋愛映画」のふりをした予告や宣伝展開をしていたの?
それともまたしても、「恋愛映画ってことにしておかないと日本では売れないから、恋愛映画ってことにしておこうぜ」ってこと?
それくらい、男女の「恋愛」はどーでもいい位置づけでしたが?
1884年、イギリスは侵略戦争で元気いっぱい。主人公の若き将校ハリー@ヒース・レジャーはそのことに疑問を抱き、軍を除隊する。
戦争が正義であるこの時代、領地拡大侵略上等!を否定するハリーは親友や恋人から「臆病者」という意味の「白い羽根」を送りつけられる。
侵略戦争は嫌だ。でも、愛する者を救うためなら戦える。軍とも国とも無関係に、単身戦場であるアフリカへ渡ったハリーは、仲間たちの部隊を助けるために孤軍奮闘する。
男男男、とにかく男。
なんせ、戦争モノですから。
敵も味方も、男男男。
ひたすら、男しか出てこねえ。
男の面子と生き方と、男同士の友情の物語でした。
ふと周りを見ると、爆睡率高し。
そーいや「タイタニック以来の恋愛映画」と謳っていた、あの大嘘つき局地的歴史映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』もまさにこんな感じだったなあ。みなさん気持ちよさそうに爆睡。
そりゃそーよね、広告と本編が乖離してたら、つらいわなあ。
それにしても、『ギャング・オブ・ニューヨーク』と似てるなあ。
・恋愛至上主義のよーな広告(予告編を見たWHITEちゃんも、「恋愛映画だと思っていた」そうだ)。
・じつは男と男の物語。
・戦争シーンがメイン。殺し合いの描写に力入ってます。
・日本人にはあまり馴染みのない他国の歴史大作
・恋愛部分はおまけ。なくてもかまわない。
ヒロインのエスネ@ケイト・ハドソン(菅野美穂に似てる……めちゃくちゃ似てる……)は、極端な話、いなくてもかまわない役だった。
たとえば手紙だけとか、存在を匂わすだけでも十分だ。
主人公のハリーは、自分に「白い羽根」を送ってきた4人の親しい人間たちへ、そして自分自身へ勇気を示す必要があったわけだから、ヒロインは「白い羽根を送った4人のうちの1人」の意味しかないんだよね。
ヒロインが「4分の1」の重要さじゃあ、恋愛映画になるはずがないよ。
戦闘と戦友たちとの友情をここまで描くならば、ヒロインと恋愛は縮小してもかまわなかったのに。
下手にハリーとエスネの恋愛話を入れるより、「同じ女を愛してしまった」親友ジャック@ウェス・ペントリーとの話をもっと深めた方が良かったんじゃないのか?
とまあ、テーマが絞り切れていない気がして、散漫な印象。
どうせ友情モノをやるなら、徹底してほしかったさ。
仲間たちのキャラが薄いよー。目立ってたのはキャスルトン@クリス・マーシャルぐらい? しかもその目立ち方が「ああ、こいつもうすぐ戦死するぞ」と見え見えな目立ち方……。いやわたし、この子の顔はすごく好きなんだけど。
もっとひとりずつのキャラを立てて、深く掘り下げてくれたら、彼らに軽蔑されたハリーの絶望や、それでも立ち上がってひとりで前へ進む姿に感動できたのになー。
準主役のジャックにしろ、ちっともかっこよく見えない。あれじゃ親友の不在につけ込んで女を盗む、ただのヤな男だよ……。
神に導かれハリーを守ると言い張るアフリカの戦士アブー@ジャイモン・ハンスゥは不思議な存在感。
ハリーの守護天使を自認、ですか、そーですか。
あまりに唐突だったので「……ホモ?」と首を傾げてしまいましたよ(笑)。
いちばん感動的かつ、純粋ですばらしい友情は、ハリーとアブーの間に存在しました。
わたしのよーな腐った人間には「……ホモ?」にしか見えないんですけど。
試写前のナレーションで「CGを一切使っていない、迫力の戦闘シーンが見物です」とあり、感慨深かったよ。
そっかー、ひと昔前までは、「CGを使っている」ことが「売り」になったのに、今は逆なんだ……。
いちばん高いのは、人件費だよね。
結局この映画は、「友情はすばらしい!」ってことで、幕を閉じました。「アメリカ万歳!」で終わった『ギャング・オブ・ニューヨーク』よりは一般性があると思う。
英国軍の軍服が好きな人とか、うら若きにーちゃんたちがいちゃいちゃしたり戦争したりしているのが好きな人には、目に楽しい映画かもしれん。
戦闘機びゅんびゅんより、こーゆー原始的な戦いの方が、わたしは見る分には興味深かった。なんせチャンパラですから。
主役のヒース・レジャーは、美しい英国紳士のときより、小汚いアフリカの男のときの方が、かっこよかったす。わたしには。
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