6日のきんどーさんとデートは映画2本立て。
 夕方からは『バトル・ロワイアル2』を見ました。

 わはは。
 すごかったよ、これ。
 ツッコミどころ多すぎて、誘い受もここまできたらお手上げって感じ。

 わたしは映画の『バトロワ1』のファン。
 メディアミックスしまくりのこのタイトル、実際に自分で味わったのは映画と原作小説だけです。

 原作小説はねー、爆笑させていただきました。
 あのときはなー、長坂秀佳と立て続けに読んだもんだから、破壊力すごいのなんのって。長坂おぢさんのセンス劣悪さに笑いながらも疲労し、そのうえ『バトロワ』で同質のセンス皆無っぷりを見せつけられ……爆笑したけど、ものすごーく脱力した。

 長坂おぢさんのすごさは、現代文化を知らないおぢさんであるにも関わらず、聞きかじりのまちがった情報で「ナウでヤングな世界」を展開させること。携帯電話もメールも使ったことないなら、書かなきゃいいのに。まちがった事実を「オレってイケてる♪」と自信満々に書かれるうすら寒さ。
 それと同質のものを感じたんだよな、小説『バトロワ』。
 わたし、『バトロワ』の作者って、長坂おぢさんみたいな若者ぶった年寄りか、あるいは10代の男の子だと思ったの。
 感覚が、少年ジャンプを通り越して「コロコロコミック」だったから。
 それか、わたしが子どものころに見ていたロボットアニメとかの世界。シートベルトひとつない操縦席に坐って、必殺兵器の名前を叫びながらボタン押すような。子どもが真似をしてヒーローごっこをするような。あーゆー年代のセンス。
 少なくとも、現代社会の第一線で仕事したり恋をしたりしている年代ではないよな、って。
 ……作者の年齢を知っておどろいたさ……。

 映画の『バトロワ1』は、原作小説の寒い部分をオシャレに料理してくれていて、「メディアミックスはこうあるべきだよな」と感動した。
 あの長坂おぢさん系のセンスの悪さを、こう昇華させますか……。監督、センスいい人なんだなあ。センスってのは年齢じゃないんだなあ。見習いたいよ。

 その深作欣二監督が死去し、息子が引き継いだという、『バトロワ2』。
 小説を書いた人が映画『2』には関与していないことは、人づてに聞いていた。だからまったくのオリジナル続編なんだよね。

 欣二監督が生きていたら、どうなっていたのかな? 映画制作というものをよくわかっていないわたしには、見当もつかない。

 しかし。

 わたしには、最初から最後まで、わからなかった。
 主人公たちがなにを考えて、なにをしているのか。

 ここまで「?」なままだった映画は、はじめてだー。

 前作の主人公でもあった七原秋也@藤原竜也。
 アンタそれで結局、なにがしたいの? で、なにをしてるの?
 わかんないよー。

 中学生同士を殺し合わせるBR法。そーゆー法律が存在してしまうまちがった社会に対して、BRの生き残り七原秋也は戦いを挑む。
 ここまではわかる。映画『1』のラストがこうだな。
 しかし……それで秋也が映画『2』でやることは、無差別テロときたもんだ。
 え、えっと?
 テロ組織「ワイルドセブン」のリーダーとなった七原秋也のアジトを襲い、彼を抹殺する命令を受けたのが、新しいBR法によって無理矢理戦争をさせられちゃう今回の中学生たち。たくさん出てくるけど、個性薄いので誰が誰やら。
 壮絶な戦いの末、生き残った中学生たちは秋也たちに同調、一緒になって逃げたり戦ったり。
 結局なんの解決もないまま、「主人公生きてんだから、ハッピーエンドだよな?」的ラストへ。

 監督脚本・深作欣二、深作健太。出演・藤原竜也、前田愛、忍成修吾。

 テロの必要性を教えてください。
 ツッコミはいろいろありすぎるんだが、いちばんはコレかなあ。
 なんで高層ビル爆破なの?
 それにはなんの意味があって、どうやってその行為にたどりついたの?
 BR法がひどいのも、社会がまちがっているのもわかってる。
 だからといって、高層ビルを爆破しなければならない理由はどこ?
 それを描いてくれないと、わかんないよ。
 これは映画であり、「フィクション」だ。倫理観でどうこう言ってるわけじゃない。現実のテロがどうじゃなくて、この映画の中で「納得させてくれる理由」さえあれば、わたしはちゃんとテロリスト主役の物語としてたのしんだよ。
 でも、理由は描かれず「社会が悪い。だからテロなんだ」ってことで、戦争されても理解できない。なまじ前作で「本人の責任とは関係なく、無造作に殺される生命の理不尽さ」に憤慨していた秋也を見ているだけにな。
 彼は何故、『1』で憎んでいた「悪い大人たち」と同じことをするようになったの? 理由を教えて。

 全体的に感じたのは、物語としての方法論のまちがい。
 ストーリーがあって、それによって物語が進んでるというより、「言いたいこと」があって、それを言うためにストーリーを無理矢理ねつ造している感じ。
 Aくんがどれだけ善人であるかを言いたいために、隣にいるBくんの悪いところを書き立てているような。いや、Bくんが悪い人だってのはわかったから、Aくんがどうすばらしい人なのかを語ってくれよ。いくらBくんの悪口を書いたって、Aくんがすばらしいってことにはならないよ、それは別の問題だってば。
 「言いたいこと」を観客に押しつけるために、ストーリーはかなり変。なんでそうなるの? どうしてそこでそうハナシが曲がるの? の連続。
 わからないことだらけで、途方に暮れる。

 結局やりたかったのは「アメリカなんか大嫌い!!」と「銃撃戦」?

 なんで空爆しないのか、不思議でしょーがなかったんだが。
 中学生たちを兵士として送り込むのは、わざとだってわかるけど(しかし無理矢理すぎるよなこの新BR法。やめときゃいいのに)、そのあとの大人のプロ兵士たちがわざわざ徒歩で攻撃に行くのは何故? 味方に被害を出す意味がわからん。
 ミサイル一発で終わりじゃん。

 てなふーに、「言いたいこと」「やりたいこと」が最初にあって、あとは全部こじつけ? ストーリーなんかどーでもいいじゃーん、てか?
 とにかく人を殺せば観客は泣くし、自由とか愛とか言わせておけば感動するしってか?
 ひでーなー。

 アメリカ嫌いでもテロOKでもなんでもいいから、壊れていないおもしろいものを見せてくれよー。
 「映画」だから「フィクション」だから、おもしろければそれでかまわないんだからさ。
 そのうえで、好き嫌いがあって、「その考え方はわたしはどうかと思う」とか「その意見に同意だわ!」とかってのが出てくるんだよ。
 いくら「言いたいこと」ばっか鼻息荒く説教されても、作品が壊れてるんじゃ、評価対象にすらならないよ。

 ところで藤原竜也くんがずーっとずーっと、ゆーひくんに見えてしょーがなかった……(笑)。

 だってさー、テロリストくんたちってば全員、国籍無視のアラブ系ゲリラみたいな格好してるんだもん。わたしたちが「ゲリラ」というと想像する、あのまんまの格好。ここ、日本だよねえ? 彼ら日本人だよねえ?(笑)
 んで竜也くんは白のロングドレスのよーな、「カリスマ・リーダー」らしいファッションでキメてますのよ。さらに、ゲリラらしく髪はロン毛。

 プルミタス……。

 丸いフェイスラインとあらいぐま系の顔立ち。長身でスタイルよくて、そして黒い長めの髪。

 あー、ゆーひだー。
 やたら苦悩してて、美しいですなあ。
 いや、ゆーひより演技力はあると思いますが(失礼な)。

 プルミタス藤原竜也を見るぶんにはいいか。


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