がんばれタカオくん!!@傭兵ピエールin宙組
2003年2月21日 タカラヅカ すっかり忘れていた宙組初日。
とりあえず行ってきました。仕事が切羽詰まっているので、仕事目的でもありました。家にいると誘惑が多くてはかどらないけど、電車の中とかだと他にすることがないからはかどるのよ。
往復の電車と、客席で仕事する気満々で、出掛けました。
……仕事できたの、往きの電車だけだった……。
早く客席に坐って仕事しようと、大して選り好みもせず、てきとーなチケットを買った。
にもかかわらず。
たまたま、隣席のサバキを同時に買った人がいて、なんかなりゆきでその人と同行。ずっとお喋りしてました……なんのために早く行ったの、なんのためにあんなどーでもいい席を早々に買ったの。
その方は、サバキには慣れていらっしゃらないのか、とっても純なことをいろいろとおっしゃっていました……。
「初日なのにサバキがあるなんて、ラッキー」
あの、初日は大抵サバキの嵐です。
「この間の星組の初日がサバキだらけだったから、トップサヨナラでもなんでもない宙組も、サバキあるかもと推理してみたの! 当たってたわ!」
星組初日はすごかったらしいですね。1000円あれば観られたと報告を受けていました。
「しかも、こんないい席を安く買えるなんて! なんて幸運なのかしら!」
2階S席が4000円なんて、ぜんぜんすごくないっす……。今まではもっと……。
「**のときとか、**のときとか、当日券に並んで、やっと取れたのよ。B席の端っこだったけど」
……サバキでならその公演、ふつーに1階S席取れたと思います……。しかも、安く……。
とまあ、全部この調子で。
なんだかわたし、自分がとってもヨゴレた人間のように思えました。
もっと謙虚にならなきゃだわ。そうよね、前売りを押さえていない身でふらりと劇場に行って、S席を4000円で買えたんですから、もっと感謝しなきゃいけませんね。どこでもいーや、早く席に着きたいから、と適当に買っただけだなんて……罰当たりな。
なんかいろいろ、心洗われる想いで、その方とお喋りしていました。
また「学生さん?」と聞かれた。いやその、たぶんわたし、あなたと似たよーな年齢だと思います……。
んでもって帰りは、大劇場勤務のワゴンねーちゃんとばったり会う。
そのまま、おねーちゃんと一緒に帰った。おねーちゃんちとわたしんちは、駅2つしか離れてないのよ。つまり電車の中で仕事をする予定は、崩れ去った……。
なんのためにわざわざ今日行ったんだーっ。仕事するためだろーっ?!
純粋に観劇だけなら、来月でも良かったのに……めそめそ。
すべて、流されやすいわたしが悪いのよ……。
で。宙組公演。
最近とんと本を読まなくなったわたし。
そーいや、本業でひどいめに遭ってから、小説ってほとんど読まなくなってるんだよなあ。昔は活字中毒の小説中毒だったんだけど。今じゃさっぱりさ。……まだ立ち直ってないのかな、わたし? あれから8年くらい経ってると思うんだが。
いやとにかくわたし、原作読んでないんだわ。読んでないどころか、存在も知らなかった。昔のわたしからは、考えられないことに。
原作なんかなーんにも知らないまま、なんの予備知識もないままに観る。
『傭兵ピエール』。
いちばん「こまった……」と途方に暮れたことは。
ピエールがかっこよく見えない。
ってことですなー。
わたしはたかこファンなので、たかこがやっているってだけで、ピエールには好感を持っています。持っているけど……こまった。この男、どーでもいー。
感情移入できない……どこを観ればいいんだ、この芝居?
荒くれ傭兵部隊の隊長ピエールは、ジャンヌ・ダルクという少女と出会う。略奪者とその被害者として。「神の声」に導かれ、フランスを救おうとしているジャンヌは、「使命を果たしたあとに純潔を捧げるから、今は見逃してくれ」と懇願し、ピエールはそれを受ける。
ジャンヌはそののち「救世主」として有名人に。ピエールと再会してすったらもんだら、戦争しながら純潔をどーするのなんのと大騒ぎ。ならず者と聖女の恋はどーなるの?!てか。
そのままの勢いで走ってくれればいいのに、途中でピエールはただののんだくれになるわ、時は流れるわ、たるいっす……。
個人的に、クライマックスが最大の引っかかりなんだが、あれはいいのか? 原作がああなのか?
クライマックスというのは、物質的な盛り上がりと、精神的な盛り上がりが必要でしょう。
物質的っちゅーのは、「動き」、アクションとしての派手さ。戦争だったり人の生き死にだったり、とにかく見た目に派手に盛り上げる、「動いている出来事」。
精神的っちゅーのは、「成長」、主人公の心が、物語の最初とはちがったところへ変化すること。悪人が改心したりとか、劣等感を乗り越えたりとか、そういうやつね。
このふたつを派手にぶちかましてこその、クライマックス。
『傭兵ピエール』のクライマックス、アレは……。
物質的には、修道院襲撃とそのあとの宮廷のシーンだってわかる。
んじゃ、精神的には?
……ヅカに精神を求めるなってか? まあ、そりゃそーなんだが。
精神的クライマックス(=目に見えないものの盛り上がり)をヅカでは無理だとあきらめたとしても、わたしはあのクライマックスが納得できない。
だって主人公、なにもしてないじゃんよ?
すべてお釈迦様の掌の上、かよ。
わたしの逆ツボのひとつなのよー、「お釈迦様の掌の上」ってやつ。
我ながら逆ツボ多いとは思うけどさー。
タカオくんは内気な男の子です。ある日タカオくんは、クラスのいじめっ子が子犬をいじめているところを見つけました。タカオくんは内気です。いじめっ子と戦うなんてこと、到底できません。ああ、でも、子犬が可哀想です。タカオくんはついに、勇気を振り絞って、いじめっ子の前に出ました。
「弱いものいじめはやめろ!」
そこに現れたのは、学校の先生や、タカオくんのお母さんです。いじめっ子も一緒になってタカオくんに拍手を送ります。
「すごいわ、タカオ! なんてやさしくて、勇気のある行動なんでしょう。お母さんは内気なタカオが勇気を出すことができるように、お芝居を頼んだのよ」
「嘘ついててごめんな、タカオ。お前が勇敢な男の子になれるように、わざといじめっ子のふりをしていたんだ」
勇敢なタカオくん! やさしいタカオくん!
よかったね!!
……てな話が、大嫌いなのよーっ。
タカオくん、それでほんとにいいのか? アンタそれ、操られてるだけじゃん。
「タカオのため」だからって、嘘ついていいのか、お母さん。だましていいのか、クラスメイト。
この場合、お膳立てがすべて嘘でも、そこでタカオが勇気を出したことは本当だから、ってことで、すべての嘘が正当化されるのよね。
嘘は嘘。罪は罪。
なのになんで、ぜんぶ「善」になるの? 「すばらしいこと」になるの?
それ、「偽善」って言わないか?
タカオが勇気を出さずに逃げ帰った場合は、どうなるんだ? いじめられていた子犬の立場は?
ママというお釈迦様のお膳立てなしに、タカオが自分で悩んで傷ついて、それでも勇気を振り絞って立ち向かうこと。
それでなきゃ、いやだ。
主人公が、強大なものに都合良く操られて、それゆえに都合良くハッピーエンドなんて、いやだ。
クライマックスならば主人公よ、自分で動け。他人の掌の上で棚ぼたの幸福で終わらせるな。
ピエールがかっこよく見えない……。
クライマックスでなにもしてない、他人に操られ、流されるだけの幸福をうれしそーに恭順する男なんか、ちっともかっこよくないよー。
お花様のジャンヌは、とってもかわいかったです。さすがだなー。
『聖なる星の奇蹟』の日記では文字数制限で書きそびれていたが、あの超絶駄作をそれでもなんとか支えていたのは、ひとえにお花様の踏ん張りがあったからだ。あのときのお花様は、痛々しいほどがんばっていたよ。ひとりで舞台全部背負ってたよ……涙。
今回の役も、お花様だからこその清涼感がある。さすがだ。
たかちゃんはなー、もう少しはじけてくれ。たのむ。
みずしぇん(こう呼ぶとWHITEちゃんが嫌がるので、呼ぶ・笑)はかっこいー。女を使ってどんどん出世、が納得できる色男ぶり。
かなみちゃん、いい女だ。うまい。
アリスちゃんはお花様の二役かと思った。声で区別するしかない……。
あいり、とても美しい……が、何故に退団公演で女役?
リッキー、また悪役ですか……(笑)。健康的な丸い顔に貼り付けた悪の表情が、いかにも小物っぽくてよし(笑)。
右京くん……あなたまたそんな役ですか……。脛が美しいけどさ……。
コメディなんで、もっと日が経った方がたのしめるだろーなー。初日の喜劇はきついわ。
とゆーあたりでもう、文字数がない。
とりあえず行ってきました。仕事が切羽詰まっているので、仕事目的でもありました。家にいると誘惑が多くてはかどらないけど、電車の中とかだと他にすることがないからはかどるのよ。
往復の電車と、客席で仕事する気満々で、出掛けました。
……仕事できたの、往きの電車だけだった……。
早く客席に坐って仕事しようと、大して選り好みもせず、てきとーなチケットを買った。
にもかかわらず。
たまたま、隣席のサバキを同時に買った人がいて、なんかなりゆきでその人と同行。ずっとお喋りしてました……なんのために早く行ったの、なんのためにあんなどーでもいい席を早々に買ったの。
その方は、サバキには慣れていらっしゃらないのか、とっても純なことをいろいろとおっしゃっていました……。
「初日なのにサバキがあるなんて、ラッキー」
あの、初日は大抵サバキの嵐です。
「この間の星組の初日がサバキだらけだったから、トップサヨナラでもなんでもない宙組も、サバキあるかもと推理してみたの! 当たってたわ!」
星組初日はすごかったらしいですね。1000円あれば観られたと報告を受けていました。
「しかも、こんないい席を安く買えるなんて! なんて幸運なのかしら!」
2階S席が4000円なんて、ぜんぜんすごくないっす……。今まではもっと……。
「**のときとか、**のときとか、当日券に並んで、やっと取れたのよ。B席の端っこだったけど」
……サバキでならその公演、ふつーに1階S席取れたと思います……。しかも、安く……。
とまあ、全部この調子で。
なんだかわたし、自分がとってもヨゴレた人間のように思えました。
もっと謙虚にならなきゃだわ。そうよね、前売りを押さえていない身でふらりと劇場に行って、S席を4000円で買えたんですから、もっと感謝しなきゃいけませんね。どこでもいーや、早く席に着きたいから、と適当に買っただけだなんて……罰当たりな。
なんかいろいろ、心洗われる想いで、その方とお喋りしていました。
また「学生さん?」と聞かれた。いやその、たぶんわたし、あなたと似たよーな年齢だと思います……。
んでもって帰りは、大劇場勤務のワゴンねーちゃんとばったり会う。
そのまま、おねーちゃんと一緒に帰った。おねーちゃんちとわたしんちは、駅2つしか離れてないのよ。つまり電車の中で仕事をする予定は、崩れ去った……。
なんのためにわざわざ今日行ったんだーっ。仕事するためだろーっ?!
純粋に観劇だけなら、来月でも良かったのに……めそめそ。
すべて、流されやすいわたしが悪いのよ……。
で。宙組公演。
最近とんと本を読まなくなったわたし。
そーいや、本業でひどいめに遭ってから、小説ってほとんど読まなくなってるんだよなあ。昔は活字中毒の小説中毒だったんだけど。今じゃさっぱりさ。……まだ立ち直ってないのかな、わたし? あれから8年くらい経ってると思うんだが。
いやとにかくわたし、原作読んでないんだわ。読んでないどころか、存在も知らなかった。昔のわたしからは、考えられないことに。
原作なんかなーんにも知らないまま、なんの予備知識もないままに観る。
『傭兵ピエール』。
いちばん「こまった……」と途方に暮れたことは。
ピエールがかっこよく見えない。
ってことですなー。
わたしはたかこファンなので、たかこがやっているってだけで、ピエールには好感を持っています。持っているけど……こまった。この男、どーでもいー。
感情移入できない……どこを観ればいいんだ、この芝居?
荒くれ傭兵部隊の隊長ピエールは、ジャンヌ・ダルクという少女と出会う。略奪者とその被害者として。「神の声」に導かれ、フランスを救おうとしているジャンヌは、「使命を果たしたあとに純潔を捧げるから、今は見逃してくれ」と懇願し、ピエールはそれを受ける。
ジャンヌはそののち「救世主」として有名人に。ピエールと再会してすったらもんだら、戦争しながら純潔をどーするのなんのと大騒ぎ。ならず者と聖女の恋はどーなるの?!てか。
そのままの勢いで走ってくれればいいのに、途中でピエールはただののんだくれになるわ、時は流れるわ、たるいっす……。
個人的に、クライマックスが最大の引っかかりなんだが、あれはいいのか? 原作がああなのか?
クライマックスというのは、物質的な盛り上がりと、精神的な盛り上がりが必要でしょう。
物質的っちゅーのは、「動き」、アクションとしての派手さ。戦争だったり人の生き死にだったり、とにかく見た目に派手に盛り上げる、「動いている出来事」。
精神的っちゅーのは、「成長」、主人公の心が、物語の最初とはちがったところへ変化すること。悪人が改心したりとか、劣等感を乗り越えたりとか、そういうやつね。
このふたつを派手にぶちかましてこその、クライマックス。
『傭兵ピエール』のクライマックス、アレは……。
物質的には、修道院襲撃とそのあとの宮廷のシーンだってわかる。
んじゃ、精神的には?
……ヅカに精神を求めるなってか? まあ、そりゃそーなんだが。
精神的クライマックス(=目に見えないものの盛り上がり)をヅカでは無理だとあきらめたとしても、わたしはあのクライマックスが納得できない。
だって主人公、なにもしてないじゃんよ?
すべてお釈迦様の掌の上、かよ。
わたしの逆ツボのひとつなのよー、「お釈迦様の掌の上」ってやつ。
我ながら逆ツボ多いとは思うけどさー。
タカオくんは内気な男の子です。ある日タカオくんは、クラスのいじめっ子が子犬をいじめているところを見つけました。タカオくんは内気です。いじめっ子と戦うなんてこと、到底できません。ああ、でも、子犬が可哀想です。タカオくんはついに、勇気を振り絞って、いじめっ子の前に出ました。
「弱いものいじめはやめろ!」
そこに現れたのは、学校の先生や、タカオくんのお母さんです。いじめっ子も一緒になってタカオくんに拍手を送ります。
「すごいわ、タカオ! なんてやさしくて、勇気のある行動なんでしょう。お母さんは内気なタカオが勇気を出すことができるように、お芝居を頼んだのよ」
「嘘ついててごめんな、タカオ。お前が勇敢な男の子になれるように、わざといじめっ子のふりをしていたんだ」
勇敢なタカオくん! やさしいタカオくん!
よかったね!!
……てな話が、大嫌いなのよーっ。
タカオくん、それでほんとにいいのか? アンタそれ、操られてるだけじゃん。
「タカオのため」だからって、嘘ついていいのか、お母さん。だましていいのか、クラスメイト。
この場合、お膳立てがすべて嘘でも、そこでタカオが勇気を出したことは本当だから、ってことで、すべての嘘が正当化されるのよね。
嘘は嘘。罪は罪。
なのになんで、ぜんぶ「善」になるの? 「すばらしいこと」になるの?
それ、「偽善」って言わないか?
タカオが勇気を出さずに逃げ帰った場合は、どうなるんだ? いじめられていた子犬の立場は?
ママというお釈迦様のお膳立てなしに、タカオが自分で悩んで傷ついて、それでも勇気を振り絞って立ち向かうこと。
それでなきゃ、いやだ。
主人公が、強大なものに都合良く操られて、それゆえに都合良くハッピーエンドなんて、いやだ。
クライマックスならば主人公よ、自分で動け。他人の掌の上で棚ぼたの幸福で終わらせるな。
ピエールがかっこよく見えない……。
クライマックスでなにもしてない、他人に操られ、流されるだけの幸福をうれしそーに恭順する男なんか、ちっともかっこよくないよー。
お花様のジャンヌは、とってもかわいかったです。さすがだなー。
『聖なる星の奇蹟』の日記では文字数制限で書きそびれていたが、あの超絶駄作をそれでもなんとか支えていたのは、ひとえにお花様の踏ん張りがあったからだ。あのときのお花様は、痛々しいほどがんばっていたよ。ひとりで舞台全部背負ってたよ……涙。
今回の役も、お花様だからこその清涼感がある。さすがだ。
たかちゃんはなー、もう少しはじけてくれ。たのむ。
みずしぇん(こう呼ぶとWHITEちゃんが嫌がるので、呼ぶ・笑)はかっこいー。女を使ってどんどん出世、が納得できる色男ぶり。
かなみちゃん、いい女だ。うまい。
アリスちゃんはお花様の二役かと思った。声で区別するしかない……。
あいり、とても美しい……が、何故に退団公演で女役?
リッキー、また悪役ですか……(笑)。健康的な丸い顔に貼り付けた悪の表情が、いかにも小物っぽくてよし(笑)。
右京くん……あなたまたそんな役ですか……。脛が美しいけどさ……。
コメディなんで、もっと日が経った方がたのしめるだろーなー。初日の喜劇はきついわ。
とゆーあたりでもう、文字数がない。
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