デイジーちゃんは今ごろ東京です。

 金曜日から日曜日まで行くのだと言っていました。
 彼女の会社は休暇に厳しくて、なかなか休めないのだそうです。だから彼女は「月組のためにしか休まない!」と宣言していました。愛するゆーひくんのためだけに、数少ない休暇を捧げる所存でした。

 BUT。
 現在月組が公演しているのは、名古屋です。東京ではありません。
 では、なにゆえにデイジーちゃんは、「ゆーひのためだけにある有給」を消費してまで、東京にいるのでしょう。

 ええ。
 すべては、おさトート様のためです(笑)。

 彼女は今、おさトート様に夢中なのです。

「トート様はいかがでしたっ?!」
 と、東京から帰ったわたしに、デイジーちゃんからTELがありました。生のトート様情報が聞きたかった模様。

 わたしが見たとき、1日目は逆ギレ系の陽気トート、2日目はウエットな受トートだったと言ったら、とてもよろこんでいた。
「日替わりなんですよねっ。だから、前にわたしが見たときは……」
 と、トート様語り。

 そーいや去年の今ごろは、わたしたちえんえん、ゆーひ語りをしていたわねええ。
 わたしとデイジーちゃんは男の趣味が似ているようで。
 たかこアルフォンソにハマり、ゆーひプルミタスにハマり、今度はおさトートですか……。
 一目惚れ経歴が同じだなんて、イヤンですわ。

 もっとも、デイジーちゃんの方がドラマチック恋愛体質なので、わたしなんかより遙かに激しく恋に落ちるのですが。
 今も、彼女のトート様への恋の激しさには、とても勝てません。「わたしの分も、がんばってね」としか言えないよ……。

「ゆーひのこともべつに、忘れてませんよ」
 って嘘だアンタ。
 月組のチケット売り渡して、代わりに花組のチケット買ったくせにー。

「歌えなくてもなんでもいいから、ゆーひにトートやってほしいとか、ファンの子と話してたりするんですよ」
 ゆーひを忘れていない、という例として彼女はこう言う。……それでもトート様からは離れられない模様。
 ま、それはいいか。
 誰でも一度は思うよね。好きなジェンヌがトートだったら、と。
「ビジュアルだけなら、絶対似合いますよ」
 うんうん。
「そして、冷たさにかけては、歴代トートなんかメじゃないですね。冷酷っぷりはゆーひの武器ですから」
 うんうん、まったくだ。
「ただし。……エリザベートを愛している演技は、きっとぜんぜんできないと思います」
 …………。
「ただの冷たいだけのトートですね」
 デイジーちゃん、ちょっと質問。
 ゆーひってさ、今まで誰かを愛していた役、したことあったっけ? コメディとかじゃなくて、シリアスで。本気で。
「ありません」
 仮にも、新公主役をやったことのある、路線の端っこに引っかかっていた(過去形かい)美形男役が、「ない」……?
 恋愛したことが「ない」ってぇ?
「そーですよ、ないんですよーっ、ゆーひさん」
 そ、それはどうよ。愛が命の宝塚歌劇団の男役としてどうよ。
「あ、一個だけあります、『ウエストサイド』のトニー」
 それ、新公やん!! 本役ちがうやん!!
「『血と砂』。おにーちゃんのこと愛してました!」
 相手女ちがうやん!! つーかあれ、ケロじゃん!!
「……でも緑野さん。正直な話、ゆーひに人を愛する演技ができると思いますか?」

 思いません。

「でしょーっ?!」
 デイジーちゃん大ウケ。

 因果なキャラだな……ゆーひ。
 そこが好きなんだけどな。

「おさはあくまでも浮気です。……浮気ですってば」
 と言うデイジーちゃんは、ゆーひのために中日には行かないけど、おさのために東宝には行くのだ。貴重な有給を使ってまで。
 戻ってこいよ? な?(笑)

 わたしもおさトートにはめろめろだが、ゆーひへの愛は失ってはいないのだ(笑)。うん。

「緑野さん、『さらば月組。次から星ファン』って言ってたくせに」
 はっ。
 だだだだ大丈夫よ。月組だって忘れてないわ。ゆーひがいるんだもの、ちゃんと観に行くわ、応援するわ。
「わたしのことばっかり、言えませんよね」
 ……うわーん。デイジーちゃんが揚げ足とるー。

 大丈夫、わたしはケロトウコゆーひに萌えてるから!!(いろんな意味でな。にやり)

 

コメント

日記内を検索