映画、『13階段』。
 主演、反町隆史、山崎努。

 過失で人を殺した過去のある男・反町と、死刑執行を行ったことのある刑務官・山崎が、無実の死刑囚を救うために真犯人を捜すことになった。
 10年前に起きた保護司夫婦惨殺事件の真犯人と、その動機は? 成功報酬3000万の真犯人探しの依頼人の真意は? 事件を調べるうちに、反町の隠された過去が明らかになってくる。彼と事件との関係は……?
 殺人とはなにか。償いとはなにか。罰とはなんなのか、死刑の是非は。重ーいテーマのヒューマン・サスペンス。

 いやあ、美親父たちが乱舞する、親父好きにはたまらない映画です(笑)。
 反町はどーでもいいです、努です、山崎努!! わたしとWHITEちゃんの合い言葉は「努は見なきゃな!」ですから。
 いい男だ、山崎努。
 とくに、若い男と組んだときに、そのいい男ぶりが発揮される。竹之内しかり、窪塚しかり。

 テーマはとても重い。殺人と報復と罰と償い。これはもー、答えのない世界ですな。
 「死刑」とは、国家の名の下に行われる「殺人」である。この是非を問う物語でもあるわけだから、ほんとにドツボ。底のない泥沼であがきつづける。

 それぞれ「殺人者」であるふたりの主人公が、罪と向き合い、どう生きるか。
 ややこしいプロットとともに、なかなか感慨深い物語。テーマの痛さは好みです。
 ただ、それを「死刑制度」に結びつけちゃってるから、「社会派」の枠の中におさまっちゃって「それで?(首かしげ)」とつぶやくところで終わっちゃってる気がする。
 社会派にしなければ、もっともっとどす黒い、わたし好みの暗くて深くて痛い世界が展開されただろーに。
 社会派にすることで一般性を持たせてるから、その分薄いんだよなー。でもま、そーでないと映画になんかならないか。スポンサーがつかないよなー。

 心配なのは、それでこの映画、誰が見に行くんだろ、ってこと。
 「死刑制度の是非」だぜ? そんなテーマで親父しか出てこない映画作って、興行的に成り立つのか? 余計なお世話だろうが、考えちゃったよ。
 若い子はまず、見ないだろ。重いモノがきらいな親父層も見ないだろ。
 ……反町隆史っつーのは、それほど集客力のある役者なのかね?

 わたしは親父好きで、なおかつ腐女子なので、たのしみましたとも!!
 腐女子のみなさん、この映画は愉快ですよ!(笑)

 山崎努×反町隆史です。
 もー、わっかりやすく、えらいことになってます。

 刑務官だった山崎、受刑中の反町にラヴラヴです。毎日視線送りまくり。なにがあっても、彼だけを見つめています。
 そして出所した反町を追いかけていきます。自分のアルバイト、死刑囚の無実をはらすのに3000万円!に、相棒としてスカウトしにきます。
 で、反町とふたりでアパート借りて住みます。ふたりで並んで台所に立ったりします。新婚さんです。
 いつの間にか、山崎は反町のことをファーストネームで呼び捨てにしています。
 前科者の反町を、「こいつを仕事から降ろせというなら、俺も降りる」と言ってかばいまくります。ふたりは一心同体、引き離すことはできません。
 反町はどーも、山崎の愛情に引きずられているよーです。彼はクールでなにを考えているのかわからない、銀縁眼鏡のおとなしい青年です。自分の気持ちを表現しないまま、山崎の言われるがままになっています。

 ……すごいです。親父、濃すぎます(笑)。
 そうか努よ、そんなに反町が好きかー。

 あと出てくるのが、天下一品の誘い受親父、大杉漣、暑苦しさいちばん井川比佐志ですよー。愉快すぎ。

 努の夢は、刑務官を退官して、パン屋を開業すること。その夢を反町に語ります。
「プロポーズしてんのかと思って、あせった」
 とWHITEちゃん。
 ええ、わたしも思いました。まさか親父、「パン屋のかみさんになってくれ」って反町のこと口説いてるのかと思ったよ……。そっか、奥さんとやり直すんだね、よかったわ。

 とにかく、濃くアツい映画でした。

 最後にひとこと。
 大杉漣はいいなあ。

 

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