今日はWHITEちゃんとデートでした。

 あぜんとしたのは、コムサカフェのランチメニュー。
 一度どんなもんか食べてみたかったので、今回チャレンジしました。
 オサレなお店でオサレなランチ。一汁三菜つきの鶏ごはん。ここのランチはすべて和風。
 運ばれてきたのは、黒塗りの盆に黒塗りの箱。
 知ってます、この箱の引き出しの中がお料理ですね。和風レストランでよく「**弁当」とかいう名前で使われている、重箱に似た箱。引き出しの数は3つありました。
 その横に黒塗りのお椀、こちらがお吸い物ですね。中は赤だしでした。
 さあ、一汁三菜の三菜はなにかしら、と期待を込めて、いちばん上の引き出しを開けてみます。

「!!」

 黒塗りの引き出しの中は、お約束の朱色でした。
 その朱色の正方形のなかに。
 500円玉より小さなおまんじゅうが1コと、野菜チップスが3枚入っていました。

 これは、なにかのまちがいでしょうか。
 料理名は「お膳『空』」です。時間限定ランチメニューです。
 なのに、3つある引き出しのうちひとつに入っていたのは、小さな小さなおまんじゅうと、チップス3枚。
 その小さな引き出しは、ほとんど空です。朱色の内塗りをむきだしにしています。
 そりゃそーです。いくら小さな引き出しとはいえ、500円玉より小さなおまんじゅう1コと、薄く小さなチップス3枚で、うまるはずがありません。
 ……これは、どっから見ても「ただのお茶請け」だよな? お茶を出したときに、受け皿に添える程度のささやかなお菓子だよな?
 まちがっても、「1食のおかず」ではないよな??

 気を取り直して、2つめの引き出しを開けました。今度こそ、ちゃんとした「三菜」に会えることを願って。

「!!」

 またしても、内塗りの朱色がまぶしかったです。
 小さな引き出しの中には、つくねが1本と、いわしの切り身が4コ入っていました。
 すかすかです。せっかくの空間が余りあまって、目に痛いです。
 えーといわしって、小さいですよねえ。そいつの切り身4コですよ。4匹ではなく、切り身が4つ。いえ、4匹もいりませんが。
 つくねは1コ10円玉程度の大きさのものが2コ、1本の串に刺さっています。
 それだけです。
 そりゃ、いくら小さな引き出しとはいえ、それっぽちではうまるはずがありません……。
 あ、言い訳のようにさくら漬けが、薄く引き延ばして空間うめをしていました。……ちっともうまってなかったけどな。

 3つ目のひきだしは、鶏ごはんです。薄く薄く敷き詰められたごはんの上に、鶏の切り身がのってタレがかけてあります。

 ……なんともすばらしい「ランチ」で「お膳」でした。
 つーか、どのへんが「一汁三菜」なんだろうなあ。
 あの野菜チップは「一菜」なのか? それともミニミニまんじゅう(中はつぶあんでした)が「一菜」なのか?

 オサレななお店でオサレなランチ。
 それならすべてにオサレであってほしかった。ここまで脱力するよーな、カッコワルイことはしないでくれよ。
 器を変えれば良かったのに。あそこまで量が少ないならば。
 どこぞの料亭のように、美しい皿などに、ちょこっと盛りつければ、体裁だけは取り繕えたはず。この皿のこの美しさを、この空間感覚を表現するために、あえて料理は少ないのだ、てなふーにさ。
 それを安っぽいプラスチックの引き出しに、びんぼーくさくちょびっとだけ入れて持ってこられたら、「ナメとんかい、ワレ?!」な感じになるよ。
 オサレだからあえて少ないの、ではなく、ケチだから少ないんだ文句あんのか、としか見えない……。
 かっこわるい……。

 とりあえず、コムサの「お膳」はもう生涯口にいたしませぬ。
 料理だけでなく雰囲気にも金を払う客の身として、あのよーなものに払う金は一文たりとも持ち合わせておりませぬ。

          ☆

「ねえあたしら、なにしに来たんかなあ、今日」
 と、わたしたちは梅田の某和風喫茶店で話しました。コムサカフェの和風メニューに玉砕した仇を討つために、わざわざこれまたオサレ系の店に並んでまで入りましたともさ。

 いちおー、わたしたちがやってきたのは、宙組のチケット発売日だからです。
 目的は新人公演。わたしもWHITEちゃんも新公好きなのよ。
 でもって朝から並んだんだけどさ。

 今回はくじ運悪し。
 最悪ではないにしろ、うれしくない番号を引く。……まあ、前回の雪組がよすぎたんだよなあ。
 購入時刻までの間、ふたりで梅田をぶらぶら。

 本公演のチケットは買いませんでした。
「3列目があったら買ってもいいな」
 と言っていたわたしたち、購入時刻にカウンターで訪ねたところ、希望の席は完売しておりましたのよ。だから買わなかった。3列目がないなら、あとはサバキの方がいい席売ってるよ、きっと。……そんなクズ席しか売らない、グループ直営プレイガイド。

 新公しか買わなかったので、お財布に余裕。
 んで、ついついバーゲンに燃えました。

「よく言うわ。もともとチケット買う気、ほとんどなかったくせに」
 とWHITEちゃんに言われたのは、わたしが6000円しか現金を持ってきていなかったせい。6000円じゃあ、3列目は買えませんて(笑)。

「バーゲンでも、ちょっと目を離したすきに試着してるし」
 わたしの姿が見えなくなったため、WHITEちゃんは広い店内を2周もしたそうです。
 チケットではなく、服の方を買う気満々だったじゃないの、と彼女は言うのです。

 いやあ、バーゲンの方が予定外だったんだけどなあ。
 でも気がついたら、革手袋とロングブーツとブラウスを買っていたよ。
 わたしの買ったブラウスを見てWHITEちゃん、「Lでいいの?」と心配してくれたけど、大丈夫、試着しましたから。MYサイズはMかモノによってはL。いちばんいいのはMTなんだが、そんなもんそうそう売ってないから、長めのMか細めのLで代用するナリ。
 しかし店員のねーちゃん、「お客様の身長なら、Lです」って……S・M・L、サイズの差は横幅の差で、身長の差ではないだろうに。わたしの胸囲も肩幅も、Lサイズほどはないんだがなあ。
 現に、わたしよりアタマひとつ近く小さなデイジーちゃんはLサイズ。彼女は巨乳なのだ。「胸が邪魔で、ファスナーがあがらないんです。前をとめるのは無理だと開き直って買いました」と彼女が言うMサイズのジャケットを借りて着てみたら、ぴったりでした。ちゃんとファスナーもあがりましたとも。……胸がないだけ、とも言いますがな(笑)。
 WHITEちゃんはSサイズのお嬢さんなので、わたしの買ったLサイズのブラウスが驚異の大きさに見えたのでしょう。……お互い着るモノには苦労するね。

「ねえあたしら、なにしに来たんかなあ、今日」
「チケット買いに……でしょ?」
「でもなんか、そんな気がしない……」
「でもいちおー、新公買えたじゃん」
「買えたっていうか、まだ売ってるんじゃない? 明日でも売れ残ってたりして」
「それはいくらなんでも、ないんじゃない? 仮にも新公だし」
「それにしても、チケット売れなさすぎ」
「並ぶ人、減ったねー」

 宙組だからダレだから、というわけではないと思うよ。
 座席配分が目に見えて悪くなったから、みんな並びに来ないんだと思う。わたしたちだって、3列目以外は買う気ないし。

 その昔、2000人とかが当たり前に並び、10列目程度のサブセンターが当たり前に売っていたころがなつかしい。
 昔は取り扱う枚数も多く、並んだ人は全員買えていたよ。

 ところが今は、800人ほどしか並んでいないのに、買える人は700人程度。買えるったって、クズ席ばかり。
 今回のようにスター級の退団があれば、みんな狙いは千秋楽だけ。抽選のときにいた700人は、実際の購入時刻には現れない。楽を買えないなら、ふつーの日のクズ席なんかいらねーよ、ってことだろう。
 当然だわな。

 しかし、さみしくなった。
 喧嘩と火事は江戸の華、ヅカの並びは梅田の華だったのにー。
 まあ、阪急グループとしては、並びをやめさせたい・もしくは縮小したいんだろーけどよ。

 おかげで、ちっともチケットを買いに来たんだって気がしない。
 わたしに至っては、バーゲンで戦いに来たとしか思えない……。つーか荷物、重い……。

 今日はWHITEちゃんとデートでした。
 お買い物して、オサレなお店でランチして、オサレなお店でお茶して。

 ついでに、ヅカのチケットも買いました。
 そんな日。


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